
エストニアのゲーム開発スタジオ、Chaosmonger Studioによるゲーム「ENCODYA」の紹介。
一言で:ENCODYAとは
少女とロボットがディストピア的世界で冒険するSFアドベンチャー
概要
- ジャンル:3Dポイント&クリックアドベンチャー
- 開発者:Chaosmonger Studio
- リリース日:2021年1月27日
- 価格:通常時2,699円、セール時2159円
- プラットフォーム:Steam
- 日本語:無、相当の英語力が必要
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用不可
- プレイ時間:6~7時間
物語性 | ★★★★★ |
ゲーム性 | ★★☆☆☆ |
難易度 | ★★☆☆☆ |
コスパ | ★★★☆☆ |
日本文化 | ★★★☆☆ |
こんな人にお勧め
- アドベンチャーゲームが好きな人
- ストアページ画像を見て惹かれた人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより引用。
2062年、ネオベルリン。9歳の孤児であるティナは、組織の管理下にある暗黒のメガロポリス、ネオベルリンにある屋上のねぐらで、護衛ロボットのSAM-53と共に暮らしている。
このゲームは、ジャンルは3Dアドベンチャーゲームである。特徴として、ディストピアなSFの世界で、少女とロボットが主人公なところである。付け加えて、日本人ならなじみ深い、日本語やそれに関連した場所が出てくるのも特徴である。
といっても、ゲーム自体は日本語化されておらず、しかもかなりの文章量である。そのため、かなりの英語力が求められることになる。
ストーリーについて。上記ストアページ説明文の続きより引用すると、
2062年、ネオベルリン。9歳の孤児であるティナは、組織の管理下にある暗黒のメガロポリス、ネオベルリンにある屋上のねぐらで、護衛ロボットのSAM-53と共に暮らしている。ティナはゴミ箱をあさって廃品で生計を立て、都会のジャングルを一人で生きるたくましい少女だ。彼女のロボットはいつも彼女と一緒にいて、何があろうと彼女を守るようにプログラムされている。
ある日、少女は父親が彼女に重要な使命を託したことを知る。それは、灰色の世界を救うための計画を完成させることだったのだ!ティナとSAMは、奇妙なロボットとグロテスクな人間のいる異なる現実を横断する驚くべき冒険に乗り出す。ワクワクする対話とパズルを通じて、ティナは生きることの真の意味を見つけるだろう。
である。

操作について。基本的にポイント&クリックゲームなので、マウスだけで操作できるようになっている。クリックしたポイントにキャラクターが移動するタイプではあるが、ダブルクリックで高速移動ができるため、割とストレスは少ない。
ゲーム性について。これもよくあるポイント&クリックゲームやアドベンチャーゲームらしく、人と会話したりマップ上に落ちているアイテムを拾ったりしながら、タスクをこなしていくものである。
このゲーム独自の要素として、主人公が2人いることである。一方は小さい女の子、一方は大きいロボットであり、それぞれにできること/できないことがある。つまり、会話やアイテムの使用などは、実質2倍の選択肢があるようなものである。

しかしながら、(まだリリースされたばかりなのもあるが)少し残念な点もある。それはヒントを使用するのが前提とも思えるほど、ポイント&クリックゲームにしては難しいこと。割と広いマップで、背景と区別がつきにくいアイテムを拾ったり、ギミックを操作したりする必要がある。しかも、アイテムの中には不要なものまで混ざっており、それによってより混乱させられる。加えて、ゲームの開始時に難易度を選べるのだが、途中で難易度が変更できず、ハードを選んだ場合にはヒント機能が使用不可になってしまい、使いたければ最初からやり直すしかなくなる。
(上記の難易度表記はヒント有の場合であり、ヒント無しなら★5)
総じて、ゲーム自体は良いが、少しシステムを改良してほしいなと思う。英語さえ問題なければ、世界観やストーリーはかなり良いので、プレイしてもらいたいところ。
(実は、管理人はこのゲームをKickstarterでバックした。これだけの完成度だと、バックしてよかったと思う。)
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
まずはストーリーについて。大まかに「ティナが父親から受けた使命は、VRの世界にENCODYAをリリースすることで人々の目を覚ますことであった。途中Rumpfによる妨害に遭いながらも最終的にENCODYAをリリース、人々は本当の幸せを知る。しかし、代償としてSAMが失われる。ティナは住処に戻り、父親とSAMの夢を見る。」といったあたり。
王道的展開ではあるのだが、なかなかに感動させられる。もう少し掘り下げがあればと思う部分もあるが、それでも十分。
操作について。気になった部分が、建物の中などの狭い場所で、SAMと被ることで思ったようにクリックできないことがよくあることである。まあ、しょうがないポイントではあるが。

ゲーム性について。上述した残念な点もあり、改善が欲しいなと感じる。
また、その他気になった点として、メタ的なセリフがそれなりにあり、若干没入感が薄れてしまうこと。寄り道的な要素である分には問題ないのだが、クリアに必須の部分にまで出てくるのは気になる。
世界観やストーリーは非常に良いし、ゲーム中に日本語や日本の文化が出てくるのは日本人としては嬉しいところ。今後のアップデートで改善されれば、及第点以上のゲームとなるだろう。