小粒ゲーム紹介69:Bad Dream: Coma

ポーランドのゲーム開発スタジオ、Desert Foxによるゲーム「Bad Dream: Coma」の紹介。

一言で:Bad Dream: Comaとは
不気味な世界を(場合によっては)グロテスクに描くポイント&クリックホラーゲーム

Bad Dreamシリーズ

Bad Dream: Coma(今ココ)→Bad Dream: Fever


概要

  • ジャンル:ポイント&クリックホラー
  • 開発者:Desert Fox
  • リリース日:2017年3月10日
  • 価格:通常時898円、セール時89円
  • プラットフォーム:Steam
  • 日本語:無、最低限英語力が必要
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用不可
  • プレイ時間:5~6時間
物語性 ★★★★★
ゲーム性 ★★★★☆
難易度 ★★★☆☆
コスパ ★★★★★
怖さ ★★★☆☆

 

こんな人にお勧め

  • 不気味系ホラーゲームが好きな人
  • 一風変わったポイント&クリックゲームをプレイしたい人
  • 「悪夢」テーマのゲームが好きな人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより翻訳。

Bad Dream: Coma(悪夢:昏睡)へようこそ。このポイント&クリックゲームは、独特でミニマリズムなアートスタイルによって、忘れられない独特な雰囲気を味わわせてくれる。すべてがあなたの行動によって引き起こされる、非現実的で不安にさせる夢の世界を旅しよう。あなたは死ねないが、大いに苦しむことはできる…

このゲームは、ポイント&クリックホラーゲームである。タイトルにもあるように、「悪夢」(厳密には「悪い夢」と訳すのが良いが)をテーマにしており、独特な雰囲気の中で進んでいく。なお、性質上グロテスクな描写もあるため、苦手な人は注意。
なお、このゲームは同開発者のゲームシリーズ、「Bad Dream: Series」がベースになっている。あちらは「Butcher」「Bridge」「Graveyard」「Hospital」「Cyclops」「Memories」にファイルが分かれており、無料でダウンロード可能である。そちらから遊んでみるのも良いだろう。

日本語はない。そこまで複雑な英語ではないが、苦手な人は注意したい。

coma_intro
死体安置所的な場所。ところどころに血の赤と、そして生首がある。

ストーリーについて。「主人公が眠ると…」という感じで始まる。

操作について。ポイント&クリックゲームらしく、マウスだけである。

ゲーム性について。基本的にポイント&クリックゲームらしく、アイテムを探したり、パズルを解いたりしながら、先へ進むというものである。その中で、このゲームの特徴として挙げられるのは、「悪夢」をテーマにしているという部分である。

coma_monster
謎の怪物も出てくる。頼りない橋の上で、果たしてどうするのか。

「悪夢」要素は、もちろんストーリー性にも絡むが、謎解きにも絡んでくる。つまり、現実的な部分と非現実的な部分が混在するということである。詳しく言及すると面白みが薄れるが、そういったことを頭の片隅に置いておいてプレイすると、不思議ながら納得するゲームとなる。

また、ステータス画面を見ればわかるが、主人公の行動によって三種類の分岐がある。タイトルにもあるように(また、初見時だと大半の場合に)「Bad」に早々とたどり着くことだろう。これは、エンディングはおろかゲームの展開にまでも影響が発生する。そのうえ、オートセーブ式でやり直しがきかない。幸い、セーブスロットが4つあるため、全種類見たい人は別のデータで始めるとよいだろう。

coma_fingers
場合によって、指が数本なくなることも。この最中、カーソルが変わるのも細かい。

総じて、非常に雰囲気作りがうまいゲーム。この雰囲気や謎解きなどは、「Rusty Lake」によるゲームなどと似たものを感じさせる。また展開が分岐することや、実績によって、最低でも3周プレイできるリプレイ性もなかなか良い。
なお、続編として「Bad Dream: Fever」も出ている。後日記事を執筆予定。
余談だが、クリックした場所に応じて音が変わったり、謎解きとは関係なくものが動いたりする。何気に細かい。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。
過去の記事を見てもらえるとわかるが、管理人は大の「Rusty Lake」好きである。このゲームはあちらと似たような部分があると上述したが、まさにその通りで、「もしRusty Lake未プレイでこのゲームを遊んだなら、とてつもない衝撃を受けただろうな」と思う。それだけ、かなり高クオリティのゲームである。

ストーリーについて。分岐によって異なる点はあるが、共通する部分の大筋は「夢の中で死ぬことで現実の世界に戻れるのだが、「死」が閉じ込められたせいで死ねない=現実の世界に戻れない。」ということになる。そこに様々なメタフィクション的な要素(ペンで道を書き足す、消しゴムで消される=死など)が絡むことで、より複雑さは増していく。それらによって、さまざまな考察ができるが、あまりにも膨大になるためとりあえず書かないでおく。

coma_bad
主人公が悪いことをすると、悪い影響が表れる。そしてどんどんグロテスクに。

操作性、ゲーム性などは上述した感じではあるが、やはり分岐で展開が変わるのが面白い。謎解きも分岐によって変わるので、毎回違う気分でプレイできる。このリプレイ性の高さはなかなか良い。

総じて、全体的に面白いゲーム。謎解きが一部かなり難しい部分もあるが、こういったゲームにはつきものであるし、十分許容範囲。