大粒ゲーム紹介34:OUTBUDDIES DX

ドイツのゲーム開発者Julian Laufer氏によるゲーム「OUTBUDDIES DX」の紹介。

一言で:OUTBUDDIES DXとは
スーパーメトロイドを彷彿とさせる正統派な2Dメトロイドヴァニア


概要

  • ジャンル:2Dメトロイドヴァニア
  • 開発者:Julian Laufer
  • リリース日:2019年10月16日
  • 価格:通常時1,840円、セール時828円、Switch版2,200円
  • プラットフォーム:SteamSwitch
  • 日本語:有
  • マルチプレイヤー:有
  • コントローラー:使用可
  • プレイ時間:6~7時間
物語性 ★★★★☆
ゲーム性 ★★★★★
難易度 ★★★★★
コスパ ★★★★☆
探索要素 ★★★★★

 

こんな人にお勧め

  • メトロイドヴァニアが好きな人
  • 手ごわいボスと戦うのが好きな人
  • 複雑な操作でも問題ない人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより引用。

古の神々や奇妙な生物、失われし世界の残骸と出会う異世界のメトロイドヴァニアアドベンチャーが待っている。

このゲームは、まさに2Dメトロイドヴァニアである。明確な目標はほとんどなく、探索を重ねることで先へ進める場所を見つけ、時に隠されたアイテムなどを発見する。そのうえで、不気味な世界観と操作体系的にも、スーパーメトロイドを彷彿とさせる。

なお、このゲームはco-opに対応している。co-opでプレイするとかなり操作の負担が減るので、一緒に遊べる人がいれば遊ぶのも良いだろう。

ストーリーについて、ストアページより引用。

南大西洋の奥深く、古の神々の沈みし都市Bahlamへと潜り込むのだ。冒険家兼海洋考古学者のNikolay Bernsteinが難破、海中3万6000フィートで目を覚ます。重傷を負い、超自然的な「バディ・ユニット」に渋々接続した。この境遇の答えを求める主人公は、失われし地下都市へと降りていく。暗い洞窟を進むにしたがい、不吉な存在が潜んでいることを知ることになる。

outbuddies_intro
不気味さ満点のステージ。美麗なドット絵がそれを強調させる。

操作について。基本的には左右への移動、ジャンプ、攻撃に加え、スーパーメトロイド同様銃口の向きを変更/固定する機能がある。更に「バディ・ユニット」の操作もあり、かなり複雑になる。

ゲーム性について。基本的には行ける場所を探索することでアイテムを入手、それを使って先へ進むというまさにメトロイドヴァニア。
このゲームは基本的な部分ではスーパーメトロイドを意識したものとなっている。なので基本的な部分は省略するとして、独自の要素も多々ある。特に上述した「バディ・ユニット」が独自の要素である。一人でプレイする場合には、操作キャラクターを切り替えることで使え、二人でプレイする場合には2Pが操作することになる。
このバディ・ユニットには様々な機能があり、例えば一部のオブジェクトを引っ張ったり、周辺のスキャンをする機能があったりする。このスキャンというのが、いわゆるスーパーメトロイドのXレイスコープのようなもので、バディ・ユニットの周辺の破壊可能なブロック等を発見するのに使える。また、バディ・ユニット自身は無敵なので偵察にも使えるし、周辺のアイテムを拾う機能もある。それらにより、二人プレイの方が難易度は大幅に下がる

outbuddies_boss
ボスも巨大なものが多く、スーパーメトロイドを彷彿とさせる。

総じて、正統派メトロイドヴァニアとして、かなり高いクオリティのゲーム。ゲーム性のみならず、ビジュアル面等でもかなり意識しているのが垣間見える。難易度は高めではあるが、繰り返しプレイするのが苦でない人であれば、突破は可能であろう。
なお、初期設定だと画面の表示範囲が狭めな上、銃口を向けるたび画面が動くので、人によってはやりづらいだろう。そういう時は設定を変更すると、画面を広くできるので快適になる(+探索も少し楽になる)ので、自分に合った画面サイズを選ぼう。
余談だが、主人公のおっさんはポーズ画面でかなりの悪役面なかなかダンディな顔である。こういった顔の主人公というのは珍しい。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。
とにかく正統派メトロイドヴァニア。どこを切り取ってもクオリティが高く、それでいて独自要素も活かせており、なかなかに面白い。

ストーリーについて。「捕らえられていたWozanとともに、古の神々を打倒、テレポート装置で脱出をする。」といった感じ。主人公はイントロ以外では喋らず、もっぱらWozanや古の神々の話から推測することになる。そしてゲームプレイ中、様々な場所で「均衡」が出てくる。詳しい関係は不明とはいえ、5000年にも渡って主従関係を続けてきた古の神々とWozan。そこに主人公がやってきて、その「均衡」を崩す。捕らえられていた者を解放するということ、何よりも奴隷を解放するというのは、基本的には良いことであるのだが、果たして主人公のしたことは何を引き起こすのか、それを考えるとなかなか奥深い。

outbuddies_fire
最も印象に残るであろうボス。割と弱いし、なんとなくクレイドを彷彿とさせる。

操作について。上記以外に、サブウェポンの使用に武器の変更やダッシュ、二段ジャンプ、チャージショットや、その他バディ・ユニットを使ったハッキングなど、いろいろと加えられる。これらを活かす必要のあるボス戦では、一度は意図しない操作が起きてしまう程度には複雑

ゲーム性について。まさにスーパーメトロイド的な感じで、正統派メトロイドヴァニアとしてかなり優秀なゲーム。いわゆるシーケンスブレイクもできるような作りになっており、昨今のメトロイドヴァニアにありがちな「特定のアイテムが無いと開かない扉ばかりで、自由度低め」ということとは真反対の位置にある。もちろん、自由度の高さがゆえに、こういったゲームに不慣れな人にとっては不親切と思われるかもしれないが、まさにこれがメトロイドヴァニアなのだと再確認させられた。

outbuddies_map
マップである程度の行き先はわかる。それでも行ったり来たりが必要になる。

少しばかり思ったのが、隠しアイテムはミサイルタンクとメダルしかないため、若干喜びが少ないこと。特にエネルギータンク系がないため、ずっと初期体力でプレイすることになるのは、人によってはかなりきつい仕様だろう。特にボス戦なんかでは回復手段が限られるうえ、大技に当たろうが小さい誘導弾にあたろうが1ダメージという仕様もあって、基本的にひたすら回避→大技の最中ダメージを受けてでも攻撃という、いわゆるターン制の戦闘スタイルになりがち。ここに、ちゃんと攻撃によるダメージ量の差があれば、大技を避けつつ小技に当たってでも攻撃というローリスクローリターンなメトロイド的スタイルか、全てを避けつつ大技の隙に大ダメージを与える悪魔城的(またはソウルライク的)スタイルかが取れ、更にメトロイドヴァニアとしての面白みが増すのだが、少し残念。

しかしながら、総じて非常に楽しめたゲーム。一緒にプレイできる人がいない都合上、シングルプレイでクリアしたが、やはりco-opでプレイするほうがかなり楽になるだろう。