
台湾のゲーム開発スタジオ、SIGONO INC.によるゲーム「OPUS: The Day We Found Earth」の紹介。
一言で:OPUS: The Day We Found Earthとは
望遠鏡で銀河の果ての地球を探す、癒し系SFアドベンチャー
概要
- ジャンル:アドベンチャー
- 開発者:SIGONO INC.
- リリース日:2016年4月21日
- 価格:通常時898円、セール時359円、Switch版500円、スマホ版基本無料
- プラットフォーム:Steam、Switch、App Store、Google Play
- 日本語:有
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用可
- プレイ時間:2~3時間
物語性 | ★★★★★ |
ゲーム性 | ★☆☆☆☆ |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
コスパ | ★★☆☆☆ |
癒し度 | ★★★★☆ |
こんな人にお勧め
- 天体観測が好きな人
- 宇宙モノSFが好きな人
- 子どもが好きな人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより引用。
映画の様な音楽と世界に没頭間違いなし。惑星を探す冒険が今始まる!宇宙船に乗り、望遠鏡で彼方を覗き謎を解こう。ほっこり型ロボットをお供に銀河の果ての地球を探す旅へ。癒し系時空探索物語の始まりです。
このゲームは、望遠鏡をテーマにしているという、なかなか珍しいタイプのSFアドベンチャーゲームである。しかもその目的というのが、「地球を探す」ことだから、奇妙な感覚になる。
なお、PC版だとなにかと不便が多いし、値段が割高になる。スマホ版をお勧めしたい。
ストーリーについて。以下ストアページより引用。
地球が神話の中の存在となった数十万年後、人類は再び自分の故郷へ帰る為に、「地球」探しの旅に出た…
OPUSは、あなたを様々な銀河を巡る広大な旅の始まりへと導く。小さなロボットOP1414-エムとなるあなたは、望遠鏡を使って忘却された神話の故郷:地球を探し、仲間と一緒に、生命の始まりと、自分が誕生した真の意義を解いていく。
このように、地球を離れてとてつもない時間が流れた後に、再び地球を探すというものとなっている。この設定は「猿の惑星」など、SF映画の一部と若干似ているが、なかなか珍しい。

操作について。基本的にクリックだけである。ここはスマホ版準拠のため、簡単になっている。
ゲーム性について。基本的に、宇宙船内で地球と思われる星の座標を探す→望遠鏡で観測の繰り返し。一応、座標に工夫がされており、ちょっとしたパズル要素もあるが、メインはストーリーだろう。
ではこのゲームは何が面白いのか。それは、主人公「エム」と、開発者であり共同で作業をする「リサ博士(のホログラフィック)」との掛け合いにある。エムはまるで人間の子どものような無邪気さやわがままさを持ち合わせつつ、ロボットの頑固さを持ち合わせている。しかしリサ博士に対しては母性のようなものを感じており、互いにまるで親子のように成長してきた。
このゲームでは、まさに子どもの成長を感じるが如き構成に加え、なぜ地球を探すのか、一体主人公たちに何が起こったのか、そういったSF要素を加えることにより、なかなかに奥深いストーリーとなっており、そこに面白さがある。

総じて、ストーリーは非常に良いが、ゲーム性を期待するとそこまで、というようなゲーム。加えて、PC版はいろいろと残念な点が多い。しかし、スマホで遊ぶのなら話は変わってくる。ストーリー性もさることながら、スマホとの相性が良いUIなどで、なかなかな大作となる。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーについて。かなり感動できるものである。子どもの成長要素とSF要素、どちらの要素も互いを邪魔せず、それによってかなり重厚となっている。エムがホログラムをリサ博士と認めないという、子どもらしくもロボットらしいことが中心で進んでいく。そのため、人によってはイライラしたり、会話パートが長すぎると感じることもあったりするだろう。ただ、このような会話が起きるのは、仮にホログラムだとしてもエムを想う気持ちは変わらないリサ博士の健気さがそこにあるからであろう。

操作性については上記で述べた以外に特にない。やはりスマホ向け。
ゲーム性について。序盤はただ座標地点を探すだけであるが、徐々に望遠鏡の機能が解放されていく。それらフィルターは、実際の望遠鏡でもあるものであり、ちゃんと設定が活かされている。
ただ、目標とされている星以外に面白さがあまりないというのが残念な点である。ほとんどの星は一致率が低く、観測することすらできない。そのため、一通りクリアしたらやることがほとんどなくなってしまう。仕方のないことではあるが、もう少し何か欲しかった。
総じて、ストーリーや設定等の素晴らしさとは裏腹に、PCゲームとしては微妙となってしまっているゲーム。この開発スタジオでは、「OPUS」プロジェクト第2弾として「OPUS: 魂の架け橋(OPUS: Rocket of Whispers)」を出している。そちらはこちらと直接的なつながりはないが、このゲームで培った要素が存分に生かされている。そちらも後日記事にしたい。