大粒ゲーム紹介29:Observation

スコットランドのゲーム開発スタジオ、No Codeによるゲーム「Observation」の紹介。

一言で:Observationとは
宇宙ステーションに起きた謎をAI視点で探るSFスリラーアドベンチャー


概要

  • ジャンル:3DSFスリラーアドベンチャー
  • 開発者:No Code
  • リリース日:2019年5月21日
  • 価格:通常時2,570円、PS4版2,628円
  • プラットフォーム:SteamPS4
  • 日本語:有
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用可
  • プレイ時間:6~7時間
物語性 ★★★★★
ゲーム性 ★★★☆☆
難易度 ★★★★☆
コスパ ★★★☆☆
パズル性 ★★★★☆

 

こんな人にお勧め

  • 「2001年宇宙の旅」のようなSFが好きな人
  • 謎を追っていく系のSFスリラーが好きな人
  • 宇宙や宇宙ステーションに詳しい人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより引用。

『オブザーベーション』は宇宙ステーションの AIである「S.A.M.」の視点(レンズ)を通して、 エマ・フィッシャー博士やその他のクルーに起きた出来事を解き明かしていくSFスリラーです。プレイヤーはS.A.M.となり、ステーションのカメラやシステムを駆使してエマを助け、施設の謎や消えたクルー、そしてS.A.M.自身の存在について知っていくこととなります。

このゲームは、現代の地球(及び宇宙)を舞台とした3DSFスリラーアドベンチャーである。クルーの大半がいなくなった宇宙ステーションで謎を追っていくという、ここまでならよくあるもの。しかし、このゲームは、主人公が「S.A.M.(サム)」というAIであり、「エマ」博士を助けながら探索するという、斬新な発想のゲームとなっている。普通、こういったものではAIは稼働していないか敵対しているとかで、それに対して人間が対処をしていくというものが多いのだが、その考えを逆手に取った発想は新しい。

もちろん、S.A.M.はステーションの大半を制御化においているが、様々な理由で制約がかかっていたりする。そのため、カメラやシステムを駆使してエマを助ける必要がある。このシステムは「Republique」に似ている。

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主人公「S.A.M.」がカメラを使ってエマ博士を助ける。

ストーリーについて、上述したように「宇宙ステーションの謎を探る」というもの。開始時点では、S.A.M.やエマ、それにプレイヤーにもこの程度の情報しか渡されない。

操作について。人を操作するゲームではないため、かなり独特な操作となっている。主となるカメラ操作は、カメラの回転、ズーム、アクション、同じ区画にある別のカメラに切り替え、宇宙ステーションの地図に切り替え等がある。他にも様々な操作が求められることになるが、そこは実際プレイしてもらいたい。

ゲーム性について。基本的に画面に表示される行動をとる(QTE)ことや、エマの求めることに答えていくことでストーリーの謎を追うアドベンチャーゲームとなっている。これらには常に探索要素やパズル要素が付くことになるが、クリアするだけならそこまで問題はないだろう。結構、緊迫したシチュエーションが続くが、時間制限等はないのでゆっくりとプレイできる。

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クランプを外す。これらパズルは操作方法は示されるが説明などはない。

あまりネタバレなしでは語れることが少ないが、このゲームは様々な点で非常に凝っている。例えば舞台となる宇宙ステーション。ここは非常にリアリティにあふれている。我々が良く知る宇宙ステーションと言えば国際宇宙ステーション(ISS)だが、まさにあれのイメージと言ってもいい。そしてグラフィックもそれなりに凝っており、カメラからの視線という技法を使うことで、リアルさを生み出している。

総じて、アドベンチャーゲームとして非常に斬新なゲーム。ネタバレなしではなかなか難しいが、非常に「2001年宇宙の旅」を意識したように感じる展開でありながらも、オリジナリティがあり、引き込みようがすごい。一本の映画を見る気分で楽しんでほしい。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーラインについて、ゲーム内の情報では補完が難しいし、謎だらけのストーリーとなっているが、大まかな筋書きはこうなるだろう。

  1. 宇宙ステーション(及びS.A.M.)は、複数の並行世界が交わる「特異点(この場合土星近傍)」に「エマ」を連れていくミッションのため建造される。この事実はS.A.M.及び地上管制しか知らない。
  2. 宇宙ステーションが地球軌道上に配置される。その後、幾度かの組み立てを終えて現在の形となる。
  3. 計画が始動。並行世界それぞれで理由は異なるが、特異点へとたどり着く。
  4. 一部の「エマ」が覚醒、真実を悟り「土星の六角形」へと降下を始める。
  5. 降下に成功した「エマ」達は真っ黒な「六角形」にたどり着く。その後、どこかの世界へとそれぞれが飛ばされる。

といったあたりだろうか。
「並行世界」や「特異点」、それに特異点関係で出てくる「ヒトゲノム」など、非常に小難しい話が多いが、こういったSFが好きな人だと感覚で理解できるような内容であろう。
また、「AIが暴走」、「太陽系の別の惑星」、「謎の真っ黒な物体」、「序盤は現実的だが終盤は非現実的」、「特定の人間が悟り、それを受け入れる」といった要素が、「2001年宇宙の旅」らしい。名前もHALとSAMでなんとなく?似てる。

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土星。最初は六角形とのつながりがわかりづらいようになっている。

ストーリーについては、これ以上は謎が増えるだけなので触れない。次にゲーム性について。
ゲーム性については、発想の斬新さはあるが、そこまで深いというわけではない。どことなく、他のゲームにもある要素を集めたような感じはする。しかし、これは決して悪いことではなく、ストーリーとのバランスを考えると十分。しかし、収集要素がなかなか面倒&一部取り逃す可能性があるという点は少し残念だった。また、セーブデータも1つしかないうえ、チャプターセレクトもないため、そこらへんは残念。ただ、一本の映画を見るというようなものとしてはこれで良いのかもしれないが。

総じて、謎を多く残したまま終わるが、非常に素晴らしいストーリーのゲーム。続編がもし出たら買うかもしれないが、しかし今作で出し切ってしまっている感は否めないので、あまり期待するのもあれかもしれないが。