大粒ゲーム紹介25:Bendy and the Ink Machine

カナダのゲーム開発スタジオ、Joey Drew Studiosによるゲーム「Bendy and the Ink Machine」の紹介。

一言で:Bendy and the Ink Machineとは
カートゥーン調のキャラクターとその開発スタジオがテーマの一人称視点ホラーゲーム

スピンオフ作品、Boris and the Dark Survivalの記事はこちら


概要

  • ジャンル:ホラーゲーム
  • 開発者:Joey Drew Studios
  • リリース日:2017年4月27日
  • 価格:通常時2,050円、セール時410円、App Store版860円、Google Play版840円
  • プラットフォーム:SteamApp StoreGoogle Play
  • 日本語:有
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用可
  • プレイ時間:4~5時間
物語性 ★★★★☆
ゲーム性 ★★★☆☆
難易度 ★★☆☆☆
コスパ ★★☆☆☆
怖さ ★★★☆☆

 

こんな人にお勧め

  • デ〇ズニーのようなカートゥーンキャラクターが好きな人
  • そこまで怖くないホラーゲームをプレイしたい人
  • ゾンビだとかが出てくるようなホラーゲームに飽きた人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより翻訳。

“Bendy and the Ink Machine™”は、あなたのカートゥーンに対する幼いころの愛情を、永久にぶち壊すであろう一人称視点パズルアクションホラーゲーム。

このゲームの特徴は、何と言っても特徴的なキャラクターである。デ〇ズニーの、特に某ネズミのカートゥーンに似たような、そんなキャラクターが出てくる。しかし決してかわいらしいゲームではなく、そういったカートゥーンがテーマとなったホラーゲームである。よく、こういったキャラクターのグッズ等が打ち捨てられ、汚れているような状態を見た時、得も言えぬ不気味さを感じるだろうが、それに近いものではある。

ストーリーは、「主人公Henryとなって、Joeyからの手紙で、かつて在籍していたが閉業してしまったアニメスタジオ「Joey Drew Studios」に行く。」といったあたり。ここら辺は、ホームページ等を見ると、あたかもJoey Drew Studiosが現実に存在していたかのように演出しており、雰囲気作りが非常にうまい

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Joey Drew Studiosは、このゲームの開発スタジオ。またゲーム内ではアニメスタジオでもある。

操作は、前後左右への移動、視点操作、ジャンプ、攻撃、アクションといったあたりで、一人称視点のゲームとしてはよくあるようなもの。

ゲーム性について、基本的にはよくあるホラーゲーム同様、必要なアイテムをそろえたり、謎を解いたりしながら、先へ進んでいくというものである。しかし、ここにカートゥーンの要素が入ってくる。
タイトルにもあるように、このゲームは「Ink Machine」が重要になる。インクは、そこから敵が生まれて主人公を攻撃してきたり、インクで満たされている場所は素早く進めなかったりする。それ以外にも、インクは様々なものを作り出す。それらはすべて、カートゥーンの要素が入っており、不気味ながらも愛らしかったりする。

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今作でトップクラスの人気を誇るBoris。スピンオフ作品が生まれるほど。

そして、もちろんJoey Drew Studiosも重要となる。雰囲気作りはもちろん、主人公がいなくなってから閉業するまでに、一体何があったのか、それによってどういった現象が引き起こされてしまったのか、そういったものが、より恐怖感を引き立てる。

少し残念な点は、若干値段の割にプレイ時間が短めなことと、セーブデータに関してバグがあるところ。特に後者は致命的であるうえ、明確な対策が無いので、ある種ゲーム本編よりも怖いものである。

カートゥーンをテーマとしたホラーゲームという新しさで、一部で大いに話題になった今作。雰囲気作りは特にうまく、ゲームプレイ自体もそこまで難易度は高くないため、より没入感が高くなっている。しかしながら、システム周りの不便というのは少し残念な点である。このゲームに登場したキャラクター、Borisを主人公としたスピンオフゲームもあるので、興味がわいた人は以下にリンクを貼る。

小粒ゲーム紹介39:Boris and the Dark Survival


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーは、最終的に「全ての元凶であるInk Machineを止めるために乗り込んだHenryは、そこでBendyに遭遇するも、発生の原因がカートゥーンにあると気づき、最後の「The End」のシーンを流すことにより、Ink Machineを止める。その後、開始直前のシーンが流れて終わり。」である。
色々と考察はできるが、あまりにも長くなるので割愛。要は、「閉業してしまったスタジオへのスタッフの無念」と、「閉業したことで終わりを迎えなかったカートゥーンの世界」が結び付いていき、それが今作の出来事を引き起こしたのだろう。

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今作でも特に狂気染みている場所。結構ビビる。

このストーリーは、いろいろと考えさせられるものがある。人間が作ったものには命が宿るのか?といったようなテーマに、人間の無念は具現化するのか?といったようなテーマを組み合わせたものは、案外ある。しかし、このゲームは雰囲気づくりのうまさにより、一線を画しているといえる。

ゲーム性について、割とよくある一人称視点ホラーゲームであると言えるだろう。
実際、キャラクター性や雰囲気づくりの良さが無ければ、凡百のホラーゲームの中に埋もれていただろうが、これらの要素のおかげで没入感が大いに変わってくる。

総じて、カートゥーン×ホラーという要素を組み合わせ、うまく形にされているゲーム。それだけに、若干短めなプレイ時間に、システム周りの不具合というのが惜しい。