
ウクライナのゲーム開発者、Volodymyr “Wolod” Yakubovych氏によるゲーム「Knightin’+」の紹介。
一言で:Knightin’+とは
ユーモアを交えつつ、その実堅実な2Dゼルダ風ミニアクションアドベンチャー
概要
- ジャンル:2Dアクションアドベンチャー
- 開発者:Muzt Die Studios(Volodymyr “Wolod” Yakubovych氏単独)
- リリース日:2019年7月26日
- 価格:通常時620円、セール時434円、PC版以外共通で610円
- プラットフォーム:Steam、Switch、Xbox One、PS4、PS Vita
- 日本語:有
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用可
- プレイ時間:3~4時間
物語性 | ★★☆☆☆ |
ゲーム性 | ★★★★☆ |
難易度 | ★★★☆☆ |
コスパ | ★★★☆☆ |
コメディ | ★★★☆☆ |
こんな人にお勧め
- ゼルダ風のゲームが好きな人
- 小さ目なダンジョンを探索するのが好きな人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより引用。
サー・ルートアロットと一緒にゼルダ風の大冒険に挑もう。トラップやパズルだらけの険しいダンジョンを探検して、最後は「ダンジョン破り」として、ボスに挑戦しよう。
このゲームは、一言で言ってしまえばゼルダ風2Dアクションアドベンチャーである。しかし、上記ストア説明文にもあるように、主人公は「サー・ルートアロット(Loot-a-lot,たくさん略奪)」と、名前からユーモアがあるように、ゲームの内容にもユーモアがある。しかし、このゲームの重要な部分はユーモアではなく、ミニマルなダンジョンを、割と堅実なゼルダ風アクションアドベンチャーとして楽しむという部分にある。そのため、ネタを重視しているのなら若干肩透かしを食らうかもしれない。
ストーリーは、「略奪大好きな勇者が行くところには、なぜか財宝とモンスターがいる。もうやることはわかったね?」といったあたり。そこまでストーリーは重要視されないが、印象に残るという点は良い。

操作について、基本は上下左右への移動、攻撃、アクションだけとシンプル。プレイしていくと増えていくが、そこまで複雑な要素は求められず、まさにゼルダ風といったあたり。
ゲーム性について。基本の流れは、ダンジョンを攻略→ボスを倒す→ダンジョンを攻略…である。ダンジョンは、いわゆるステージセレクトのように選択する方式となっているため、広大なフィールドなどは用意されていない。
次に、ダンジョンについて。構造は、3×4×階層で固定であるため、迷子になることは基本無い。そして、各部屋の扉は、鍵のかかっているものを除き、その部屋にいる敵を全滅させると開くという、まさに古典的な仕様。またセーブポイントも結構な数用意されており、やられてもそこからすぐにやり直せる。また、階を移動した際にもセーブされるため、用事が入ってもすぐやめられる。この点は、こういったゲームにありがちな、長時間腰を据えてやらないといけないという点の解消になっている。

そして、敵を倒すことで手に入ったお金は、各階に1つあるお店でいろんなものを買える。なお、各ダンジョンで1つ鍵が売られており、これは購入しないと全部屋探索できないため、ある程度お金の使い道は考えておこう。
宝箱ももちろんあり、中身はお金や鍵といったものから、新しい装備などが入っていたりする。この宝箱は、無造作に置かれているものから、謎解きをしないとたどり着けないものもある。
このゲームは、とにかくそのクラシカルなスタイルによる、ゼルダ風の原点を感じさせるようなゲーム性になっているという点が、堅実さを感じさせる。しかしながら、ミニマルかつセーブポイント多めという、現代のニーズも取り入れているため、ゲームプレイ自体は古く感じさせない。
しかしながら、堅実すぎて、特徴が抑えめになっている点と、ユーモアの要素が果たして必要だったのかと感じさせる。キャラクターやゲームシステムは良いし、ミニマルさも良い。ただ、何かしら独特な要素が欲しかったという感じはする。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーは、一応ラスボスっぽいのを倒して、ユーモアを交えつつエンドロールである。割とあっさり目。
操作について、上記で触れた以外に、ダンジョンを攻略すると、盾、ダッシュ、魔法の杖が使えるようになる。操作性は普通であるが、いわゆる落とし穴を避けるといったような、微細な操作は求められないので十分良い。

ゲーム性について。全体的に上記で述べたように、古典的なゲームに対するリスペクトが感じられつつ、利便性もある。基本のシステムや謎解きは、ほとんどがゼルダで見たことのあるようなものであるが、謎解きが基本的にその階層のみで完結することと、セーブポイントのシステムのおかげで、ある程度サクサクと進められる。そのためイライラも低減されているが、同時に緊張感が失われてしまっているようにも感じる。
敵を倒したときの反応は見ていて楽しいし、ユーモアも単体で見るとそれなりのクオリティではある。キャラクターデザインも良く、ストーリーの導入も良い。しかしながらゲーム性は堅実という、求めているものと若干違う感はある。

総じて、惜しさを感じるゲームである。どうしても、ゲーム性とデザイン性がどちらも中途半端になってしまっているように感じる。しかしながら、たった一人の開発でここまでできるというのはなかなかである。次回作にも期待。