
スペインのゲーム開発スタジオ、Altered Matterによるゲーム「Etherborn」の紹介。
一言で:Etherbornとは
重力が変わるステージ上を進む3Dアクションパズルアドベンチャー
概要
- ジャンル:3Dアクションパズルアドベンチャー
- 開発者:Altered Matter
- リリース日:2019年7月19日
- 価格:通常時1,730円、セール時951円、Switch版&PS4版1,780円、Xbox One版1.800円
- プラットフォーム:Steam、Switch、Xbox One、PS4
- 日本語:有
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用可
- プレイ時間:1~2時間
物語性 | ★★☆☆☆ |
ゲーム性 | ★★★★☆ |
難易度 | ★★★★★ |
コスパ | ★☆☆☆☆ |
BGM | ★★★★☆ |
こんな人にお勧め
- 重力をコントロールする系ゲームが好きな人
- パズルゲームが好きな人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより引用。
重力の働きが変化するエリアの仕組みを理解しながら、不思議な世界を探索して道を切り開く、三人称視点のプラットフォーム型環境パズル。あなたは、生を受けたばかりの、声を持たない存在。この世界のどこかで、体を持たない声が、あなたを待っています。自分の存在意義を知る旅が始まります。
このゲームは、重力が1つのテーマとなっているアクションパズルアドベンチャーである。ただし、アクション要素はそこまで強く求められず、パズルアドベンチャー要素が中心となる。
ストーリーについて、上記説明文に書いてあるにはあるのだが、ほとんどフレーバーのようなものなので、忘れてしまっても問題ない。また、ストーリーを理解するのは結構難しいので、考察等が好きな人は考察等してみても面白いかもしれない。
操作は、基本的に移動とジャンプにアクション。シンプル。

ゲーム性について。
まず、このゲームの目的は具体的に明かされないが、ステージの最後まで行けばクリアである。そのためには、道中のパズルを解いていかなければならない。そして、そのパズルには、このゲームの重要な要素である重力が絡んでくる。
このゲームの重力というのは、曲面を経ることによって方向が変わるという性質を持つ。例えば、全ての角が丸くなっているサイコロを想像してほしい。上部にいるときは上から下への重力が働く。しかし、ここから隣の面へと、曲面を経て移動すると、重力が横に変わる。更に下の面へと移動すると下から上に重力が働く。このような性質を持ったのがこのゲームである。この、重力が変化するというのは曲面を経ることでしか起きないため、曲面でない角は重力の変化が起きない。これらにより、一見コンパクトなステージでも、その実多様な姿を見せる。

また、ステージを経るごとにギミックが追加されていくため、飽きが来にくい。また、BGMも心地よく、かつゲーム自体の邪魔にならない。この点は良い。
少し残念な点は、値段の割に短いということ。結構テーマは良いので、もっと長く遊べたらと感じた。
総じて、ゲームデザインは良いのだが、短さがゆえに台無しになってしまっている。ただ、このシステムで長いゲームを作ると、パズルにほころびができる可能性があるし、なんとも言い難いところだが。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーについて、基本は人間と恐怖についてなのだが、かなりわかりづらい表現が多く、またゲーム自体との関連性の薄さから、かなり理解は困難である。
操作について、ゆったりとした感じであり、パズルに集中できるようになっている。少し遠いところまで行くときは面倒であるが。

ゲーム性について、こういったゲーム性のゲームはあるにはあるのだが、ゲームデザインという点でこのゲームは良い。
パズルについてもよく練られている。重力をテーマにしたゲームには、開発者の意図しないようなショートカットだったり、意図しないようなパズルの解き方をされてしまいがちである。しかし、このゲームはそういったことはほとんどない。

クリア後に2周目が追加されるのだが、これについては取ってつけた感が強い。ステージの構造は変わらず、集めるものの配置が換わるだけ。またその配置についても、一部は草むらに隠されており、ただただプレイヤーをイラつかせる。そのため、2周目はすぐに飽きてしまった。それがゆえに、短さをより感じさせる。
また、カメラも一部微妙で、たまにキャラクターが視認できないほど遠くになる。ここは、パズルと直接関係ない難易度の上昇である。
総じて、プレイ時間の短さ、取ってつけたような2周目のせいで、値段に対するゲーム体験が得られなかった。ゲームデザインは本当に良いので、もっと長く遊べればなと思う。惜しい作品。