大粒ゲーム紹介20:KUNAI

オランダのゲーム開発スタジオ、TurtleBlazeによるゲーム「KUNAI」の紹介。

一言で:KUNAIとは
ロボット忍者となって高速で駆け回る2Dメトロイドヴァニア


概要

  • ジャンル:2Dメトロイドヴァニア
  • 開発者:TurtleBlaze
  • リリース日:2020年2月6日
  • 価格:通常時1,775円、Switch版1,775円
  • プラットフォーム:SteamSwitch
  • 日本語:有
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用可
  • プレイ時間:6~7時間
物語性 ★★★★☆
ゲーム性 ★★★★★
難易度 ★★★★☆
コスパ ★★★★☆
探索要素 ★★★☆☆

 

こんな人にお勧め

  • 高速なアクションゲームが好きな人
  • 忍者が好きな人
  • スパ〇ダーマン的なワイヤーアクションが好きな人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより引用。

KUNAI は一風独特な高速ペースのメトロイドヴァニア・アクションアドベンチャーゲーム。プレイヤーは反乱を起こしたロボットとの戦いに参加するタブレット、Tabby として世界を巡る。クナイと忍者の軽業スキルを駆使して、人類を全滅寸前にまで追いやった、邪悪に狂った A.I. の Lemonkus を食い止めよう。

このゲームは、ストア説明文にもあるように、高速ペースのメトロイドヴァニアである。と言っても、速さが強制されるわけではなく、慣れてくれば高速でプレイできるというような感じである。そのため、速すぎて訳が分からないようなことはなく、メトロイドヴァニアの中では速いといった程度であるため、そこまで難易度は高くない。

ストーリーは、ストア説明文通り。主人公の名前はタブレットの「タビー」、敵は「Lemonkus(レモンカス)」である。

kunai_kunai
ゲームタイトルでもあるクナイによるアクション。これが楽しい。

操作は、いわゆるチュートリアルの段階では、上下左右への移動、ジャンプ、刀による攻撃とここまでは普通。そして、少しゲームが進むと、このゲームの肝となる操作である、左右のクナイによるワイヤーアクションが使えるようになる。これは、打ち込める場所にクナイを使うことで、ス〇イダーマン的なスイングをできたり、壁を登ったりできるようになる。
このようなアクションは、普通のプラットフォーマーではそこまで珍しくないが、メトロイドヴァニアでは珍しい。このスピード感が面白く、主人公のメイン武器が刀であるため、接近して斬るという部分をより楽しいものとしている。また、もちろん敵は銃を撃ってきたりするのだが、弾を刀で跳ね返すということもできる

他にもゲームを進めていくと様々なアクションが解禁されていく。

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弾を刀で跳ね返せ!跳ね返すことで、遠くにいる敵も倒せる。

ゲーム性として、上記でも述べたように、クナイと刀によるアクションが非常に楽しいのだが、他にも特筆すべき点がある。
基本的なシステムとして、敵を倒すと体力を回復する&敵が金を落とす。この回復システムが、ゲーム内の設定では、刀により相手の生命力を吸収するというかっこいいものとなっている。またその設定上、体力の多い敵を倒すと体力が多く回復する。そのため、体力が少ないときに、あえて体力の多い敵と戦うという選択肢もできる。
次に、主人公について。タブレットの主人公というのは新しく、また表情がコミカルに変わり、かわいいと同時に楽しめる。更に、収集要素の一つとして帽子があり、これを装備すると、かわいくなったりかっこよくなったり面白くなったりする。性能は変わらないが、プレイヤーのモチベーションは変わることだろう。

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こんな状況で余裕の表情である。表情のおかげでより楽しめる。

収集要素について述べたが、このゲームには3種類の収集要素がある。

  • お金:これを使えば、主人公をアップグレードできる。
  • ハートのかけら的なもの:4つ集めると体力の最大値が上昇する。
  • 帽子:性能は変わらないが見た目が変わる。

これらは宝箱に入っており、特に探さなくても手に入るものから、マップ上に映ってない場所に隠されていたりする。一応、マップのエリアごとに宝箱の数は記載されているため、探すときの指標にはなる。なお、上述したように、お金だけは敵からも落ちる。

kunai_money
タビーの左側にある赤と白の物体がお金。これを使って様々な強化ができる。

あまり語るとネタバレになるが、他にも魅力的な要素はたくさんある。特に、「ロボット」と「忍者」という使い古されたテーマではあるものの、このアートスタイルはなかなか類を見ないものであり、これだけで大いに楽しめる。少し、メトロイドヴァニアとしてみると残念な点はあるものの、普通にプレイする分には十分楽しめるものであろう。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーについて、おおまかに「主人公タビーはレジスタンスとともに活動し、レモンカスを破壊、同時に空中に浮かぶ要塞を破壊する」で終わりなのだが、探索するとそこに少し補足が入る。それは、「レモンカスはもともと人間の科学者で、人間たちに嫌気がさす。そしてタビーを開発し、自身はレモンカスに魂を移して、地球を破壊し新たな地球を作る計画をする」といったあたり。そのため、レモンカスは厳密にはAIではなく、人間のようなものである。タビーを開発した理由等については詳細に語られないが、おそらく最後に自分を止めてくれると願った、最後の良心だったのだろう。

kunai_start
最初のシーン。プレイヤーにとっては意味不明だが、レジスタンスにとって非常に重要となる。

ゲーム内で入手するアイテムは、上で述べた以外に、様々ある。以下に、性能も含め挙げる。

  • 手裏剣:電流が流れており、一部の仕掛けを動かすのに使える。また敵に当てるとスタンする。
  • SMG:空中で下に向けて撃つと空中に浮ける。
  • ロケットランチャー:岩を破壊できる。

これらは、もちろん敵に対して攻撃としても使える。他にも、空中ジャンプやダッシュも追加されるし、アップグレードすればいろいろと性能が上がっていく。これらは、メトロイドヴァニア要素を構成するのに不可欠であり、またそれぞれ特長があって、使い分けも楽しい。

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刀も強化できる。結構な金額がかかるが、それだけの価値がある。

ゲーム性は全体的に良い。楽しめる程度に速く、またゲームデザインも全体的に良いため、戦闘が非常に楽しいものとなっている。
しかし、メトロイドヴァニアとしてみると、少し残念な点がある。それは、隠しアイテムの場所。あまりにもわかりづら過ぎるうえ、ヒントと言えるのはマップにある宝箱数だけ。それに加え、ファストトラベルがないため、面倒くささが助長されてしまっている。この点があるが故、メトロイドヴァニアとしては微妙だが、2Dアクションとしては楽しいという評価となってしまう。

総じて、特に戦闘の面は楽しいゲームだが、探索となるとうーん、という評価になってしまう。しかし、ゲームシステム等は非常に良いため、探索要素にうまくテコ入れをすれば、かなり上質なメトロイドヴァニアゲームとなっていただろう。しかし、100%を目指すのでなければそこは大きな問題とならないため、100%を目指さないな十分に楽しめるゲームだろう。