
カナダのゲーム開発スタジオ、All Seeing Eye Gamesによるゲーム「Press X to Not Die」の紹介。
一言で:Press X to Not Dieとは
QTEを駆使して生き残れ!フルモーションビデオアドベンチャー
概要
- ジャンル:フルモーションビデオQTEアドベンチャー
- 開発者:All Seeing Eye Games
- リリース日:2017年10月7日
- 価格:通常時298円、セール時74円
- プラットフォーム:Steam
- 日本語:無
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用可
- プレイ時間:ワンプレイ30分程度、全バッドエンド回収まで2~3時間程度
物語性 | ★★★★☆ |
ゲーム性 | ★★☆☆☆ |
難易度 | ★★★★★★★ |
コスパ | ★★★☆☆ |
コメディ | ★★★★★ |
こんな人にお勧め
- 英語が読める人
- QTEが得意な人
- B級映画が好きな人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより翻訳。
あなたは忘れないだろう、このばかげたライブアクションB級映画を!あなたが目覚めた時、町は混沌に包まれていた。誰もが狂い、お互いを攻撃しあっていた!不可解なメッセージが生き残るための秘訣だ–Press X to not die(死なないためにXを押せ)!
このゲームは、タイトルが示すように、死なないためにXを押すゲームである。もう少し具体的に言うと、「フルモーションビデオのゲームで、途中、QTEや選択肢が発生、その結果次第で、ムービー中の主人公の行動が変わる」といったあたり。そしてこのゲームは、タイトルや説明文からも推測できるように、かなりネタ性にあふれている。特に、B級映画(あるいはZ級映画)を意識したような構成で、突拍子もないような展開が特徴。
注意する点として、日本語がない点がある。ストーリーを楽しむためには、かなりの英語力を求められるので注意。
ストーリーは、説明文にもあるように、「主人公が目覚めた時、町は混沌に包まれていた。友人が残した謎のメッセージ「Press X to Not Die」の意味、そして町の様子を確かめに主人公は旅立つ」といったあたり。

操作については、選択肢の選択と、QTEで対応した操作をするだけ。こう書くと単純そうだが、実は難易度選択があり、難易度が高いほど、QTEの受付時間が短くなり、また高度なQTEを求められるようになる。
ゲーム性…というか、軽くストーリーについてだが、とにかく展開の唐突さが面白い。のっけから怒涛の展開、クリアまで30分程度しかかからないことからもわかるだろう。また、かなり豊富なバッドエンド(デッドエンドというほうが適切か)があり、それもなかなか楽しめる。
なお、最高難易度のQTEはとんでもなく難しい。一部、同じパターンのQTEがあるのが救いではある。なお、最高難易度で、一度も死なずにクリアするという実績があるのだが、よほどやりこまないと無理。この点を鑑み、難易度評価を高くしている。クリアするだけなら星0。

少し残念な点は、メッセージスキップができないという点。チャプターセレクトはあるのだが、何度もプレイしていると、少し面倒になってくる。
ある種、B級映画や、昨今のQTEまみれのゲームを皮肉っているようなものではあるが、単体としてみて十分面白い。確かにワンプレイだけで300円程度は高く感じるが、複数回プレイすれば十分値段分は楽しめる。また、セールを待てば100円未満になるため、その際に買ってみるのも良いかもしれない。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーについて、おおまかに書くと、「研究施設が、ある薬によって住民たちに、日常生活へQTEを導入させる。主人公のようなゲーマーたちは問題ないのだが、そうでない人たちは、何度も失敗していき、発狂していく。最終的に主人公たちは脱出、エンディングへ」といったあたり。なかなかこの構成は面白かった。また、道中の様々な出来事が(無理やりながらも)伏線になっていることにも、構成のうまさを感じた。
道中も、「服を着るだけなのにQTEが必要(失敗すると着れない)」や、「ゲーマーの彼女(ただしやってるのはFlappy Bird)」、「チョコレートが好きか何度も尋ねると、狂ったように食べ始める研究者」等々、ネタ性に事欠かず、最後まで十分楽しめる。

操作について、低難易度の方だとそこまで難しいQTEを要求されないが、最高難易度は無理ゲーだろと言いたい。特に、コントローラでやるのは不可能に近いので注意。まあ、ここはネタということで受け入れよう。
ゲーム性については、こういったゲームにあまり求めすぎるのはあれだが、最低限はある程度。大抵、QTEの失敗=バッドエンドとなるので、そこは失敗したほうが良い選択があったら少し面白かったかもしれない。
総じて、フルモーションビデオのゲームとして、なかなか完成度の高い今作。似たようなゲームとして、Late Shiftが挙げられるが、あちらは映画、こちらはドラマといった雰囲気の違いが感じられる。どちらも長所があり、どちらも値段分の体験ができる。