
ゲーム開発者James Leakos氏によるゲーム「Artemis: God-Queen of The Hunt」の紹介。
一言で:Artemis: God-Queen of The Huntとは
空中での操作を重視した、超高難易度2Dプラットフォーマー
概要
- ジャンル:2Dプラットフォーマー
- 開発者:James Leakos
- リリース日:2019年5月30日
- 価格:通常時820円、セール時205円
- プラットフォーム:Steam
- 日本語:無、最低限チュートリアルを読めれば問題ない
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用不可
- プレイ時間:3~4時間
物語性 | ★☆☆☆☆ |
ゲーム性 | ★★★★☆ |
難易度 | ★★★★★★★ |
コスパ | ★★★☆☆ |
ストレス | ★★★☆☆ |
こんな人にお勧め
- プラットフォーマーの腕に自信がある人
- マウスコントロールに自信のある人
- 忍耐力のある人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより翻訳。
オリンピアは臆病者のためにあらず。空中での操作に焦点を当てた、超高難易度プラットフォーマーを、探検し、狩猟し、そして生き残れ(もしくは足掻け)。
このゲームは、超高難易度プラットフォーマーである。一応、難易度は2つ用意されており、ステージの構造が丸々変わるが、どちらもかなりの難易度となる。
面クリア型であり、またチェックポイントシステムを採用している。そのため、1つのステージにかかる時間は、よくある高難易度プラットフォーマーに比べて長くなる。忍耐力がとにかく重要となる。
なお、日本語対応していないが、最低限チュートリアルがわかればクリアできる。わからない場合は、以下を参照してもらいたい。
ストーリーは、ほとんど無いといっても良い。タイトルが示すように、主人公は、ギリシア神話にて狩猟をつかさどる女神「アルテミス」である。しかし、その設定は特にゲーム内で言及されない。

操作は、左右への移動、ダッシュ、二段ジャンプ、壁キックといった割とオーソドックスなものがありつつ、今作には弓矢でねらって射る操作がある。この点が、まさに今作を高難易度たらしめている要素の1つである。
ゲーム性について。基本は、落下したり、トゲや敵の攻撃などに当たったりせず、ステージのゴール地点を目指すだけである。道中、白いカラスがいるところはチェックポイントであり、失敗してもここからやり直せる。
操作についての特徴は、まず、二段ジャンプやダッシュは、使用後地面か壁につくまで再使用不可能な点がある。つまり、壁から壁へとどんどん飛び移っていくのがこのゲームのメインとなる。なお、壁ジャンプの形式は、いわゆるロッ〇マンX方式である。

そして、本作の最たる特徴である弓矢について。弓矢は、構えている最中、主人公だけスローモーションになる。そして矢を射った後は、再度構えるまで次の矢を使えない。このスローモーションになっている最中は、直前にやっていた動作の慣性を少しばかり引き継ぐ。そのため、斜め上へのジャンプ後に使用すれば、通常ではたどり着けない高さや距離の場所にたどり着けるようになる。
注意点は、スローモーションは主人公だけということと、空中でスローモーションになった後は、地面か壁につくまでスローモーションが使えないということ。前者は、スローモーションを利用して仕掛けなどを避けるのには使えるが、敵に狙われている最中などは気を付けないといけない。
また、矢を射るキーとダッシュのキーが一緒である点も注意。弓矢を使おうと構える前に押してしまったら、ダッシュしてしまって大惨事、ということもある。

その他、ギミックについて。
主人公を助けるものとして、光っている鳥がある。それに触れると、二段ジャンプやダッシュが再使用可能になる。また、(違いが分かりにくいが)強く光っている鳥は、触れると次に使うジャンプorダッシュが高性能になる。間違えないよう注意。
逆に、主人公を攻撃するものとして、トゲや丸のこの刃はもちろん、ロボットがいる。ロボットは、こちらを見つけ次第弾を発射、着弾点には大きな爆風が広がる。もちろん一撃でやられる。対処法として、白く光っている部分を射ると一撃で倒せる。

しかし、このゲームには超高難易度プラットフォーマーとして、残念な点がいくつか挙げられる。
まず、コントローラに対応していないこと。ここは人によるかもしれないが、大半の人にとっては致命的な点だろう。キーボードでの微妙な操作に慣れていない人にとっては、特に鬼門となる。
次に、美しいビジュアルは良いのだが、そのせいで主人公の場所が把握しづらい。たまに主人公が背景と完全に溶け込むため、そんな時に理不尽に感じる。
その次、先の見えない、いわゆるブラインドジャンプをする必要が発生するときがあるという点。一応、メニューを開けばある程度マップを見渡せるが、全部は見れないうえ、ゲーム内のギミック等は止まらないため、途中で先を見渡すのは難しい。この点も理不尽に感じる。

そして、難易度の上下が激しいこと。ステージ全体の難易度ももちろんだが、チェックポイント間の距離が、極端に近かったり遠かったりする。そのため、何度も同じ場所の繰り返しになってストレスがたまりやすい。そして、そのチェックポイントについても、近くに敵がいる状態でチェックポイントに到達し、やられてしまうと、永久にやられ続ける。復活のタイミングが選べないため、こうなったら最初からやり直しである(ちゃんと倒していれば問題ないのだが)。
また、難易度が2つあるといったが、低難易度の方はかなり雑に作られている感じがする。では高難易度の方はどうかというと、こちらは極端に難しい。この2つの難易度の間くらいの難易度が欲しいと感じた。
それと、最終ステージの目標がわかりづらい点も挙げられる。具体的にはネタバレになるため控えるが、ここだけどうかと思った。もし詰まったときは、ネタバレあり感想の部分を参照してもらいたい。

今作は、超高難易度プラットフォーマーとしては微妙な出来に感じる。もしこのゲームが超高難易度プラットフォーマーじゃなく、少し難易度高いくらいのプラットフォーマーだったら、かなり高評価できたのだが…なかなかゲームデザインというのは難しい。しかしながら、可能性は大いに感じる一作であり、今後どういったゲームを開発するのか、少し楽しみになった。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーは、全部クリアしても特になし。ストアページには、神と人とロボットの戦いが起きて、ただ一人生き残ったアルテミスとなって、ロボットを狩ったりするという、面白そうな設定があるのだが。せっかく、ゲームの題材として割と好き勝手出来るギリシア神話を採用しているんだし、もっと何かできたように思う。
操作について、コントローラが使用不可なのはともかく、ダッシュと射るキーが一緒なのはどうかと思った。それに、初期のキー配置ではなかなか操作が難しい。また、最終ステージで判明する(または、キーの割り当てを見ればわかる)が、しゃがんでゆっくり移動する操作がある。しかし何のためにあるのかは割と意味不明なうえ、最終ステージで明かされても…となるのだが、実は攻略に必須である。
最終ステージの目標は、ステージの最後にいる鹿(らしき動物)に、見つからず、ゆっくりと近づいて、気づかれずに触れることである。なお、気づかれたら最初からやり直さないと、再出現しない。ここはかなりイラついた。
ゲーム性について、上記で散々言った後でなんだが、地味にステージ数が10しかないというのは短く感じる。一応1ステージ1ステージ長いのだが、これならいっそチェックポイントをなくして短くしてもらったほうがいいと感じた。
総じて、ビジュアルの良さとシステムの良さを、ゲームデザインが台無しにしていると感じた。かなり可能性は感じるし、序盤のステージはかなり良かった。しかし中盤以降は微妙な感じがするのは否めない。手を放しておすすめはできないが、セール時の値段なら十分安いと思う。