小粒ゲーム紹介2:DISTRAINT 2

フィンランドのゲーム開発者Jesse Makkonen氏によるゲーム「DISTRAINT 2」の紹介。

一言で:DISTRAINT 2とは
前作「DISTRAINT」のED後を描く、2D精神的恐怖アドベンチャー

※注意:前作から続いている物語なので、前作のネタバレを含みます。ご注意ください。前作の紹介はこちら

 


概要

  • ジャンル:2D精神的恐怖アドベンチャー
  • 開発者:Jesse Makkonen
  • リリース日:2018年11月14日
  • 価格:通常時930円、セール時465円、Google Play版750円、App Store版730円
  • プラットフォーム:SteamGoogle PlayApp Store
  • 日本語:無、ただし有志による日本語化あり(外部リンクが新しいタブで開きます)
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用可
  • プレイ時間:2~3時間
物語性 ★★★★★
ゲーム性 ★★★☆☆
難易度 ★★☆☆☆
コスパ ★★★☆☆
怖さ ★☆☆☆☆

 

こんな人にお勧め

  • 前作をクリアした人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより引用。

DISTRAINT 2は、二次元の心理的なホラーゲームです。

あなたはプライス、マクデードとブルトンとムーアの屈指な会社の提携を受けるために人情を売った男です。

DISTRAINT 2は最初のゲームの出来事を進みます。 希望を引き戻して自分の目的を探すまがまがしいな物語です。

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日本語訳が機械翻訳になってしまっているせいで、少々意味が通じにくい文章になってしまっているが、要するに「DISTRAINT 2は2D精神的恐怖アドベンチャーである。あなたは主人公プライスとその共同経営者マクデード、ブルトン、ムーアの会社のために、人間性を売った男です。DISTRAINT 2は前作の続きです。希望を引き戻して自分の目的を探す物語です。」といったあたりか。
まさにその通りで、完全に前作の続きである。あの衝撃のEDから話がどう展開するのか、と前作を楽しめた人はワクワクするはず。
一応、冒頭に簡単な前作のあらすじは入るので、忘れてしまっていても問題ない。それではゲーム内容へ。

まず、前作から進化した点として、操作性があげられる。基本的な操作は変わらないものの、アイテム選択がしやすくなっている(それだけ?と言ったらそれだけだが)。
そして、値段が前作の2倍近くになっている分、ボリュームも2倍近くなっている。それがよいことかどうかは、前作への評価次第で変わってくる。
ゲーム性としては前作と同じ、ポイントアンドクリックゲームのように、アイテムを拾う→使う場所を探す→謎を解く、基本的に変わらない。一応、パズル要素が少しばかり追加されたため、前作よりはゲーム性がある。
そして、その単純さを打ち消すストーリー性があるのも事実。

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謎の人物と出会うプライス、この人物は果たして良い人物か?

今作は、前作のED、すなわち分を撃つ瞬間から始まり、再び幻覚の世界にプライスは迷い込んでしまう。その中で、再び前作のように恐怖演出がある。
しかしながら、ストーリー性はあるものの、前作をクリア済みなら、今作の恐怖演出にはそこまで驚かないだろう。あまりホラーゲームとは思わないほうがよいかもしれない。
むしろ、今作は前作のEDに対する、主人公への救済の物語という位置づけであるから、前作を踏襲しつつ話を展開するにはホラー要素をそこまで強くできないといった点もあるのだろう。

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前作でも見た光景、こういうシーンはたびたび出現する

ここまで見るとわかるように、前作は、仕事で差し押さえをすることと、それに対するプライスの良心の呵責を描くため、現実と幻覚の区別がつかなくなるという演出、つまり現実世界の要素が大いに描かれていた。しかし今作は、撃つ瞬間に脳裏に浮かぶ、今までの思い出や、それに伴った幻覚を中心に描いているため、そういった区別のつかなさはない。ストーリー的にはわかりやすくなったが、より感動の方へ寄って行ったがゆえに恐怖が抑え気味になった。それが良いとみるか悪いとみるかは人次第だろう。

以上がネタバレなし紹介である。前作のようなホラー要素はあるものの、前作をクリアした人にとってはそこまで恐怖ではないため、その点は賛否あるかもしれない。また、物語を感動する方向へと向けた点は、少しばかり陳腐に感じるかもしれないが、そこもまた一種の良さがある。明確に言える難点は、前作同様、ゲームとしてみると微妙な点である。また、値段が2倍近いので、少しばかり躊躇するかもしれない。だが、前作をクリアした人にはぜひやってもらいたいと思っている。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。
まず、最初のシーン、前作のEDから、前作をプレイした直後なら疑問がわくかもしれない。「前作最後の撃った音や、扉が倒れたことから、最終的に自分を撃つんじゃないのか?」と。それは、私もまず思いついた疑問点であった。しかしこれもまた、冒頭の時点で結末を描く手法とうまくかみ合っており、実際にプレイするとわかるが、今回のどんでん返しにも驚かされた。開発者はこのテクニックの使い方がうまい。
そして最初に出会う老人が、自分のことを「理性」と言う。この時点でかなり混乱することだろう。しかし物語は始まったばかり。
その後さまざまな人物と出会う。時には前作に出てきた両親(実在するもの)、時には強欲(実在しないもの)、そういったものがプライスに様々な言葉を投げかけてくる。
そして時に挿入される、プライスの子供時代。それらによって、前作の疑問点は大いに解決していくことになる。
特に、象に追いかけられるのはなぜか?それがわかったときに、少しばかり涙をこぼした

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母「おかしなことを言わないの」 一家だんらんのひと時

最終的に、自身のトラウマを克服したプライスは、まさに引き金を引こうとしている自身のもとへ行く。その瞬間、弾丸は外れ、気が付いたら涙を流していた。そこにやってきた一人の女性。その人の顔は、自身の中で描かれた「愛情」の顔と一緒だった。
ここでEDだが、この先の展開は容易に想像できるだろう。プライスはその女性と結婚し、苦境を乗り越え、穏やかな生活を営むのだ、と。
そしてこれで銃声についても解決した。弾丸はすんでのところで空を切り、それにより辻妻が合うようになる。
私はこの時の感動は忘れないし、受け取ったメッセージとともにこれからを歩んでいこうと思う。

少々感傷的になってしまったが、前作と合わせ、非常に素晴らしい作品だと私は感じた。特に今作はメッセージ性が強いため、価値観の押し付けとか、そういったことを感じてしまうかもしれないが、自分がつらかったこととプライスのつらさとを合わせていけば、よりこのメッセージに感動するだろう。

総括して、前作があるからこそ今作は輝き、また今作があるからこそ前作が輝くといったような、非常につながりが深い作品で、一言では表せない感動が沸き上がった。
ゲームとしては相変わらず微妙な感じがあるにはあるが、たった一人の開発でここまでできるのは正直すごいと思った

前回、今回と続いてDISTRAINTの紹介になって、少々コメディに欠けたので、次回あたりはコメディ性のある作品を取り上げたいと思う。