小粒ゲーム紹介28:Ghone is gone

ゲーム開発スタジオWasabiSushiStudioによるゲーム「Ghone is gone」の紹介。

一言で:Ghone is goneとは
2019年から2020年にかけて世界を騒がせた逃亡劇を取り扱った360°シューティング

※このゲームはフィクションです。実在の人物・団体・国家・施設とは無関係です。


概要

  • ジャンル:見下ろし方360°シューティング
  • 開発者:WasabiSushiStudio
  • リリース日:2020年1月22日
  • 価格:通常時100円
  • プラットフォーム:Steam
  • 日本語:有
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用不可
  • プレイ時間:~1時間
物語性 ★★☆☆☆
ゲーム性 ★★☆☆☆
難易度 ★★☆☆☆
コスパ ☆☆☆☆☆
風刺 ★★★★★

 

こんな人にお勧め

  • ゲーム名だけで元ネタがわかった人
  • ネタをネタとして笑える寛容な心を持っている人
  • 100円使って時間を無駄にしたい人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより引用。

元ニッソンCEOロスカル・ゴンとなり、監視を続け追い回す検察・警察などの敵(enemies)の目をくぐりぬけ、時には楽器箱に身を隠しながら、西関空港へたどり着き、ノンレバ国へと脱出せよ!!君はゴンになれるか!?

あらかじめ言っておくがこのゲームは、時事ネタを取り扱った、一発ネタの風刺ネタである。そのため、そういったネタに不快感を感じる人にはブラウザバックを推奨する
まず、ジャンルは「見下ろし方360°シューティング」である。そこまで高度なテクニックは要求されないが、シューティングが苦手な人は一応注意。
元ネタは、現代に生きる日本人ならば大半の人が知っているだろう。わからない人は、「ゴーン」で検索すれば出てくる。それでもわからない人、または将来当記事に訪れた人向けに、伏字多めで書くと、「日本の大手自動車会社、〇産の元CEOカ〇ロス・ゴ〇ンが、2018年11月に金融商品取引法違反で逮捕のち勾留。保釈期間中の2019年12月に〇西国際空港から、住居を構えるレ〇ノンへと、楽器ケースに隠れて逃亡した。」という話である。

この逃亡事件は、日本ではもちろん、世界でも騒動になった。具体的に言及すると長くなりすぎるので省略する。

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ゲーム画面。左下の存在感が半端ないし邪魔。

ストーリーは、実際にあった事件やストアページを見てもらえるとわかると思うので省略。
操作は、上下左右への移動、照準を合わせる、金を投げる、ダッシュ、楽器ケースに隠れるである。いろいろと突っ込みどころがあるが後述。

それではゲーム性について。まずは、1つのゲームとしてみた場合のまじめな解説から。
このゲームの目標は、上記にあるように「ノンレバ国への脱出」である。ゲーム内では、矢印に従って、基本的に上方向を目指せばステージクリアとなる。その後、ボス戦のち、再び目的地を目指すという、面クリア型シューティングゲームにありがちな構成である。
画面上部にある金額が、自分の体力兼投げられる金額である。この金額は、時間の経過、ダメージを受ける、金を投げる、ダッシュを使うことで消費される。この金額がゼロとなると逮捕(=ゲームオーバー)、ステージの最初からやり直すか、タイトル画面に戻るかになる。なお、やり直す場合、ステージ開始時点での金額を引き継ぐ

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金が尽きると逮捕される。こうなったら、保釈金を払うか、ゲーム終了するしかない。

道中には敵がおり、その敵に触れられたり、攻撃を与えられたりするとダメージを受けてしまう。それを回避するには、敵の視界(敵を中心とした黄色い円)に入らないか、敵から逃げるか、敵の上部のゲージがなくなるまで金をぶつけるかである。また、楽器ケースに隠れると、敵が反応しなくなる+大半の敵からダメージを受けなくなる。ただし、隠れている最中は、その他の行動が一切取れなくなるので注意

金を投げる行動には、ばらつきが設定されているため、狙った場所へと真っすぐには飛んでいかない。そのため、無駄なく当てるには、敵に接近する必要がある
ダッシュについては、現在進んでいる方向へと、一定の金額を消費して高速移動するという形式。ほんの少しながらクールタイムがあるので連続で使用はできない。
その他、画面左下には、でかでかとロスカル・ゴンの姿+楽器ケース。現在の状況の指標(?)となる。

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ダメージを受けた時の顔。見たことがある人も多いだろう。

ネタについては…もはや突っ込む気力もない。ここまで時事ネタの多くを網羅しているのには正直驚いた。一部とんでもない展開があったりするがそこはご愛嬌。

総じて、このゲームに100円の価値はない。実際、管理人は全実績解除まで27分しかかからなかったし、それ以上繰り返しプレイすることはなかった。たぶん今後も一生起動することはないだろう。しかしながら、地味に背景が3Dなのには驚いたし、絵とかもまあまあ再現度が高い。確かに、開発費用を考えると100円は妥当なのだろうか…。なお、こんな内容ながら、容量は400MB近い。そこまで問題になることはないだろうが、注意しておきたい。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーは、路上→空港と進むまでは問題ないが、その後2つの選択肢に分かれる。そう、このゲームは無駄に分岐がある
右を選んだ場合、X線検査機との戦いの後、無事飛行機に搭乗するが、ブラックホールに吸い込まれ、謎の惑星にて収監される。
左を選んだ場合、路上を進んだ後、ブラックホールと戦い勝利、無事家につくが、ボスたちが合体するカットシーンが流れ、背景には巨大なロボットが…というところで終わり。
何を言ってるかわからないって?管理人にもなにがなんだかわからない。まあ、こんなものは勢いだよ!

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バッドエンディングの方。ストアページに思いっきりED画像があるとは…。

操作性については、そこら辺のフラッシュゲームレベル。つまり遊べなくはないが微妙に悪い。いろいろ挙げればきりがないが、画面の左右端で金を投げると金が消滅するのはどうにかしてほしいと思った。

ゲーム性について、まずはシステム面。
システム自体は、(ビジュアル面を除けば)かなり普通。楽器ケースに隠れるというシステムは、慣れてくると使わなくなるし、他のシステムは大体他のゲームで見かける。しいて言うならば、無駄に11言語も対応しているのは、かなりグローバル感を感じた。

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ラスボスの1つ、ブラックホール。かなり強敵だが、金が十分にあれば少々被弾しても大丈夫。

では、ネタ性について。
時事ネタを扱ったゲームとして、かなり新鮮な状態で持ってこれたなと感動する。これ以上早く出すのは開発のスピード的にも困難だろうし、開発できたとしてもゲームの質が悪くなる。ただ、少しばかり遅かった感は否めないが。
内容も、開発者の愛が感じられる。雑に作って出すならいくらでもできるが、ここまでネタを放り込んでいるのは、愛のなせる業の一つといえよう。

総じて、開発者の愛を感じるゲーム。100円分の価値はないとは思うが、一発ネタと割り切って楽しんでみるのも良いだろう。