大粒ゲーム紹介14:The Stanley Parable

カナダのゲーム開発スタジオ、Galactic Cafeによるゲーム「The Stanley Parable」の紹介。

一言で:The Stanley Parableとは
ナレーションに従うも従わぬも良し、コメディウォーキングシミュレーター


概要

  • ジャンル:一人称視点コメディウォーキングシミュレータ
  • 開発者:Galactic Cafe
  • リリース日:2013年10月18日
  • 価格:通常時1,480円、セール時370円
  • プラットフォーム:Steam
  • 日本語:無、ただし有志による日本語化あり
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用可
  • プレイ時間:5~6時間
物語性 ★★★★★
ゲーム性 ★★★★☆
難易度 ★★★☆☆
コスパ ★★★☆☆
コメディ ★★★★★

 

こんな人にお勧め

  • ナレーションにムカつく人
  • ネタをネタとして楽しめる人
  • 発想力豊かな人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより翻訳。

The Stanley Parable(スタンレー寓話)は一人称視点の探検ゲーム。あなたはスタンレーとしてプレイし、同時にスタンレーとしてではなくプレイするだろう。あなたはストーリーに従い、同時にストーリーに従わないだろう。あなたには選択肢があるし、同時に選択肢はないだろう。このゲームに終わりはあるだろう、同時に終わりはないだろう。

上記の文章は、このゲームを象徴している。つまり、このゲームは矛盾しているし、同時に矛盾していないといえる。ただ、そういってもこのゲームはそこまで哲学的ではない。このゲームの基本となるのは、「プレイヤーが主人公スタンレーとして、ナレーションに従いEDを迎えるか、従わずにEDを迎えるか、そこの展開がコメディなウォーキングシミュレーター」である。なお、このゲームにはデモがある。このデモも、デモという範疇でないほど面白いので、一度遊んでみるのをお勧めする。

ストーリーは、「スタンレーがいつもと同じように仕事をしていたら、いつの間にか周りの社員がいなくなったため、原因を探りに向かう」というあたり。その後の展開は、プレイヤーにゆだねられる。

操作は、前後左右への移動、視点移動、アクションだけとシンプル。ジャンプすらない。

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誰もいなくなったオフィス。この世界にはスタンレーだけ。

それではこのゲームの重要な部分であるゲーム性について。
基本は、上記で述べたように、一人称視点ウォーキングシミュレーターである。しかし、そこにナレーションが加わることで、よくあるウォーキングシミュレーターとは異なる面白さが出る。
まずはナレーションに従う。これはよくあるゲームである。しかし、ナレーションに従わない行動をしだすと、ナレーターが様々な反応を示すこの反応が、いかにも人間らしく、またその反応が面白い。そうして、どのような形であれ、最終的にはEDを迎え、最初の部屋に戻される、その繰り返しである。別にプレイヤーは何も強要されないので、好きなように遊ぶことができる

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主人公スタンレー。プレイ中は一人称視点なので姿を見れない。

このゲームは、ナレーターを登場人物の一人としてゲームに組み込むという斬新な発想で、他のゲームにはない面白さを出している。このゲームが出たのち、他にも似たようなゲームはいくらか出たが、ここまでナレーションの範囲が広いゲームは他にない。

このゲームは、もともと「Half-Life 2」のModとして、Davey Wreden氏により開発されたものを、一つのゲームとして完成させたものである。同作者のゲームで、「The Beginner’s Guide」もSteamで販売されている。こちらも少し斬新なゲーム性ではあるが、今作と同じ気持ちでプレイすると肩透かしを食らう。気になった人は翌日に記事を投稿予定なので、そちらをチェックしてもらいたい。

なお、このゲームのアップグレード版、「The Stanley Parable: Ultra Deluxe」が2020年発売予定である(記事執筆時点)。そちらも、プレイし次第紹介記事を投稿予定。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーやゲーム性は上記で述べた通り。ストーリーは、EDによって変わるので省略。
とにかくこのゲームの発想は面白く、またナレーションの展開も面白いものである。どんな行動をしてもナレーターが反応してくれることが多く、その反応を探るだけで楽しい
EDは、厳密に数が決まってはないが、およそ19ある。どれもこれも、予想だにしない展開で面白い。とはいえ、(若干変なところもあるが)ちゃんと展開の一つ一つにある程度理由があるため、ゲームへの没入性は高い。また、大半のEDはそこまで難しいものではないため、毎回プレイするたびに「次はこうしよう」という考えが浮かぶ。そうして、もう一度プレイをする…というようなゲーム性になっている。

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何度か通ることになる上司のオフィス。一度目以外は即キーパッドへ行くだろう。

このゲームには、厳密な終わりはないため、好きなだけプレイできる。上記のEDすべてを見るのはもちろん、全実績解除を目標にしても良い。なお、実績は普通のゲームと違い一癖二癖あるものが多く、まじめにすべて解除しようと思ったら5年かかる。まあ、そこらへんは一種のジョークと思おう。(余談だが、管理人はリアルの時間で全実績解除した。まさか5年以上前が最後のプレイだったとは。)

なお、このゲームに似たゲームはいくらかあるが、管理人は「Dr. Langeskov, The Tiger, and The Terribly Cursed Emerald: A Whirlwind Heist」をお勧めする。無料のうえ、日本語化もできる。ただし、このゲームほどの自由度はない。そう考えると、やはりこのゲームの自由度の高さはすごい