
アメリカのゲーム開発スタジオ、Wisdom Tree, Inc.によるゲーム「Super 3-D Noah’s Ark」の紹介。
一言で:Super 3-D Noah’s Arkとは
子どもでもプレイできるようになったWolfenstein 3D
概要
- ジャンル:FPS
- 開発者:Wisdom Tree, Inc.
- リリース日:1995年1月1日
- 価格:通常時498円、セール時224円
- プラットフォーム:Steam、(SNES、MS-DOS)
- 日本語:無
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用可
- プレイ時間:4~5時間
物語性 | ★☆☆☆☆ |
ゲーム性 | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
コスパ | ★★★☆☆ |
レトロさ | ★★★★★ |
こんな人にお勧め
- Wolfenstein 3Dを何らかの理由でプレイできない人
- FPSが好きな人
- 聖書(特にノアの方舟)についてよく知っている人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより翻訳。
ノアの方舟を舞台とした、ペースの速い、一人称視点アドベンチャー!
このゲームは、いわゆる「聖書ゲーム」と呼ばれる、聖書のことを学んだりするために作られたゲームの一つ。少々、このゲームの背景について説明すると長くなるので、翌日に特別記事を組むことにするが、要は「Wolfenstein 3Dを家族向けにし、聖書の内容を入れて、任天堂非公認ソフトとして1994年にSNES(日本でいうスーファミ)で発売された」ゲームである。そのため、このゲームをやるのであれば、よほどの理由がない限り、同じ値段で売っているSteam版「Wolfenstein 3D」を遊んだほうが良い。
ストーリーは、「ノアの方舟に乗せた動物が檻を破ってしまったので、動物たちを眠らせよう」といったあたり。
ノアの方舟については、聖書にそこまで詳しくない人でも聞いたことはあるだろう。ノアという老人が、神がこれから起こす大洪水に向けて、人々に笑われながらも方舟を作って、動物たちのつがいや家族とともに方舟に乗って難を逃れるといった話である。なお、聖書には今作のような出来事は描かれていないことは(一応)留意しておこう。

操作とゲーム性、実はこれらは元となった作品、「Wolfenstein 3D」とほとんど同じなのである。なので、この部分に関しては(当たり前だが)良いという評価をしておく。これらについての解説は、翌日まとめる。まとめました
このゲームにおいて、新しい要素と言えるのは、「聖書クイズ」だろう。フィールド上に落ちている「?」マークのついたスクロールに触れると、2~3択程度の聖書に関する(主にノアに関する)クイズが出題される。これに正解すると、体力回復、残弾数増加、スコアが手に入る、といったようなボーナスがもらえる。なお、不正解でも少量体力が回復する。間違えてもペナルティがないのは流石聖書ゲームといったところ。
なお、このクイズはもちろん英語だし、聖書のクイズなので、大半の日本人にはさっぱり。だが安心してほしい、このゲームが出た当時と違い、今は検索するのが簡単になっている。そのため表示された英文をそのまま検索すれば確実に答えにたどり着ける。

ストーリーに沿うと、動物を眠らせることが目的となる。じゃあ麻酔銃を使うのか?そんなことはない。ノアが生きていたとされる時代を考えるとそんなものはない。それに、方舟の中には食べ物しかない。じゃあどうやって眠らせるのか、それは、食べ物をスリングで動物にぶつけて、満腹になった動物が眠るというものである。銃を出さないがためにいろいろとんでもないことになっている。
もちろん、出てくる敵(?)は動物。(なぜか)ノアは動物から攻撃されるので、やられないように眠らせていこう。
なお、ステージ上に転がっている果物は、100個集めると残機が1増える。
そして、原典のゲームよろしく、ゴールにたどり着けば次のレベルへ、である。一部の区切りにはもちろんボスに相当する動物が出てくる。

このゲームは、かの有名なAVGN氏によってレビューされ、また日本語字幕も作成されたので、日本での知名度は高いほうだろう。ただ、このゲームがクソゲーかというとそういうわけではない。基本の部分はWolfenstein 3Dなのでもちろん面白いし、ステージの構成もひどすぎるということはない。ただ、やはりこのゲームを遊ぶくらいならWolfenstein 3Dをプレイしたほうが良いと思う。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーは、全部の動物を眠らせてよかったね、である。特にそれ以上はない。
操作性やゲーム性について、新たに追加された要素を考えると、あってもいいけどなくてもこまらないである。
聖書クイズはもちろんいらないし、果物を集めるのも、ただスコア加算するだけでいいじゃんといったあたり。設定の強引さも失笑物ではある。
じゃあこのゲームが存在する意義は?と言われると、大半の人にとってはなくても問題ないといえる。ただ、銃なりナチなりを取り扱うことを嫌う、ごく一部の過激な層にとってはこのゲームは良いのではないだろうか。あと、もちろん子どもにも良いかもしれないが、実は教育ゲームとしてみても問題点がある。
それは、クイズで間違ったとき、正しい答えが表示されないことである。2択問題ならまだしも、正しい答えがわからないままなのは問題だろう。
それに加え、動物に食べ物をぶつけて眠らせるというものだが、超極端に言えば、これを現実で真似するような子どもが出るかもしれないということ。まあ、普通の人にとってはどうでもいいことではあるが。

何度も繰り返すが、このゲームをやるくらいならWolfenstein 3Dをお勧めする。管理人は、Wolfenstein 3Dや、近年のWolfensteinシリーズはもちろん、オリジナルのDoomやそのシリーズ、近年発売されたDoomをプレイしてきたが、このゲームをやるのなら、DoomにWADを導入して遊ぶほうがはるかに楽しい。
それでも怖いもの見たさにプレイするのなら引き止めない。ただ、言っておくと、このゲームを楽しめたとしても、それはWolfenstein 3Dの部分が楽しいだけである。