小粒ゲーム紹介53:VVVVVV

イギリスのゲーム開発者Terry Cavanagh氏によるゲーム「VVVVVV」の紹介。

一言で:VVVVVVとは
ジャンプの代わりに重力を変化させる2D探索型プラットフォーマー


概要

  • ジャンル:2D探索型プラットフォーマー
  • 開発者:Terry Cavanagh
  • リリース日:2010年9月8日
  • 価格:通常時498円、セール時124円、3DS版500円、Switch版1,000円、App Store版370円、Google Play版290円
  • プラットフォーム:Steam3DSSwitchApp StoreGoogle Play
  • 日本語:3DS版とSwitch版のみ
  • マルチプレイヤー:Switch版のみ
  • コントローラー:使用可
  • プレイ時間:3~4時間
物語性 ★★☆☆☆
ゲーム性 ★★★★★
難易度 ★★★★★
コスパ ★★★★☆
探索要素 ★★★☆☆

 

こんな人にお勧め

  • 死に覚えゲーが好きな人
  • 重力を切り替えるゲームが好きな人
  • テンポが良いゲームが好きな人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより翻訳。

VVVVVVは、たった一つのシンプルなメカニックの発想を研究するためのプラットフォーマーだ – もしあなたがジャンプの代わりに重力を変化させられたら?

このゲームは、上記説明文にあるように、ジャンプの代わりに重力を変化させられる2D探索型プラットフォーマーである。これだけだと、よくある発想のゲームだと思うかもしれないが、この重力変化を完全に生かすための工夫がよく練りこまれており、完成度は高い。

なお、タイトルの正式名称はない(おそらくトゲを表したものだろう)が、一般的に「Six V’s(シックス・ブイズ)」と呼ばれている。

ストーリーについて、「船が危険な状態に直面、テレポーターで脱出しようとしたら全員が様々な次元の狭間に飛ばされた」というもの。あまりストーリーベースのゲームではないので、フレーバー程度で。

6vs_everything
「全てうまくいくだろう!」

操作について。上下左右への移動と重力変化だけである。ジャンプが重力変化に変わっているだけで、特に複雑さはない。

ゲーム性について。基本は、船のクルーを探して様々な場所を探索するというものである。なお、この探索要素はメトロイドヴァニア的要素ではないので注意。
重力変化という要素について、基本的に一度重力を変化させたら地面に着地するまではもう一度変化させることができない。そのため、ずっと空中にとどまるというようなことはできない
そのうえ、ステージには触れると一撃でやられるトゲなどがたくさんあり、こちらを全力で倒しにかかってくる。といっても、このゲームはいたるところにチェックポイントがあり、やられてもすぐにやり直せるため、非常にテンポが良い

6vs_yesman
チェックポイントは割と多い。なおステージ名は「Yesマン」。

そして、この独特なグラフィック。これは、コモドール64を意識したものとなっている。同時にサウンドトラックも非常によく、独特な中毒性を生み出している。また、一画面一画面にステージ名があり、これを読んでみるのも面白くて良い。

総じて、あらゆるものがうまくかみ合っているゲーム。このゲームの開発者であるTerry Cavanagh氏は他にも「Super Hexagon」や「Dicey Dungeon」などを開発している。そのどちらも、独特の発想と中毒性があり、氏の手腕の高さをうかがえる。

なお、ゲーム中には「トリンケット」と呼ばれる収集アイテムがある。これらは取るのが難しい場所にあるため、自身のある人は全部回収を狙うのも良いだろう。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーは、「船員を全員救出できてよかった」といったあたり。最低限ではあるが、うまく纏まっている。

操作について、プラットフォーマーとして十分良い。普通、重力を変化させるようなゲームは、変化中ゲームを止めたりするようなものが多い。これの理由の一つとして、ぱっと重力が切り替わると、アニメーション的になんだかおかしくなるからというものが考えられる。しかし、このゲームはあえて簡素な見た目にすることで、ぱっと切り替わっても問題ないようにできている。これが操作性やテンポの良さを生み出している。

6vs_love
画面中央、テレポート的ギミックもある。しかし難しくなりすぎないようになっている。

ゲーム性について、上述したように全体的に良い。触れなかった点として、一連のルールが追加されるステージ群もあるという点もあるが、これはプレイヤーを飽きさせないよううまくできている。
こういった、3~4時間程度の2Dプラットフォーマーというのは、小ぎれいにまとめるのが難しいように思う。あまりにも単調すぎると最後まで遊べない、かといって様々な要素を盛り込んでも、それらの魅力を十分に発揮できない。このゲームはそこのバランスがうまくできているように思う。

総じてクオリティの高いゲーム。ただクリアするだけなら、そこまで難易度は高くないが、トリンケット集めはなかなか歯ごたえがあり、なかなかに楽しめる。更に全実績達成を目指そうとすると、より高難易度なゲームプレイを楽しめるようになっているため、腕に自信のある人は全達成目指すのも面白いだろう。