
日本のゲーム開発スタジオ、NIGOROによるゲーム「La-Mulana」の紹介。
一言で:La-Mulanaとは
昔のゲームを思い出させる超高難易度2Dメトロイドヴァニア
La-Mulanaシリーズ
La-Mulana(今ココ)→La-Mulana 2
概要
- ジャンル:2Dメトロイドヴァニア
- 開発者:NIGORO
- リリース日:2013年4月16日
- 価格:通常時1,480円、セール時488円、Vita版1,650円
- プラットフォーム:Steam、Vita
- 日本語:有
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用可
- プレイ時間:25時間以上
物語性 | ★★★★★ |
ゲーム性 | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★★★ |
コスパ | ★★★★★★ |
探索要素 | ★★★★★★ |
こんな人にお勧め
- 昔ながらの高難易度なゲームが好きな人
- メトロイドヴァニアが好きな人
- 不条理や理不尽を許せる人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより引用。
生命の秘宝を求め、人類の起源を解く名作PCアクションゲーム!
あらかじめ断っておくが、このゲームは信じられないほど難易度が高い。それこそ攻略サイトを見ても、テクニックが無いと攻略できないくらい。生半可な気持ちでやると楽しめない可能性があるので注意。
というわけで、断りを入れたところでまずはストーリー。ストアページにあるように、秘宝を手に入れるため遺跡に入る、というよくある冒険譚。
イントロシーンは最低限ではあるが、村の人の話を聞いたり、遺跡の中にある文書を読み解くことで、ストーリーを理解できる。が、そこはひねりが加えられており、独特な人たちが出てきたり、遺跡の中の文書も最初は読めなかったりする。

操作性は、移動とジャンプと攻撃、それに加えサブウェポンだったり、追加されるアクションだったりがあるが、そこまで複雑ではない。しかし、始めてみると、ジャンプの挙動に違和感を感じる。そう、このゲームは、一部の昔のゲームにあった、慣性の法則にしたがったジャンプになっている。某世界一有名な配管工とは違い、空中で自由には動けず、ほんの少しの微調整しかできない。
それに加え、攻撃を受けるたびに主人公は後方へ吹っ飛ぶし、高い場所から落ちると一定時間動けなくなるし、足場から滑り落ちるとそのまま地面につくまで落ち続けることとなる。このように、あえて昔のゲームにあった困難さを加えることで、このゲームは面白いものとなっている。

そしてゲーム性。これもまた、近年のゲームと違い、かなりの高難易度。
まず、主人公の攻撃のリーチがとてつもなく短い。大体1~2キャラ分しか届かない。遠距離攻撃武器も、サブウェポンにはあるが、こちらは弾数制限があるうえ、弾は基本店で購入しなければならない。某ヴァンパイアキラー達と比べはるかに不便。
そして主人公が貧弱。最初の体力では、村の近くにいるヘビにさえ苦戦する。攻撃力もかなり低く、敵一体倒すことすら大変。
更に追い打ちをかけるように、罠まみれの遺跡。突然床が抜ける、物を攻撃したら電撃を食らう、謎を解いて油断してたらつぶされるetc…とにかくこちらを殺しにかかってくる。
極めつけは、目的地等が一切示されない。よく言えば自由、悪く言えばどこにいけばいいかわからない。一応、探索できる範囲は持ち物等で決められるが、開始時点で左右どちらへ行こうがプレイヤーの自由。またいわゆる攻略順もある程度自由なので、最初は迷子になること必至である。

だが悪いことばかりではない。しっかりと探索すれば、結構いろいろとアイテムが手に入る。案外、倒せない敵がいるときには探索をしたりしてみると先へ進めたりする。しかし、その探索も高難易度。何の変哲もないところの壁が壊せたり、難解な謎解きをしないといけなかったり、特定のアイテムが無いと探索できなかったりする。特に序盤は、最大限探索しながら攻略していかなければならず、投げ出したくなってしまうだろう。
総じて、高難易度の塊のゲーム。しかし、その高難易度さは昔のゲームへのリスペクトであろう(事実、一部アイテムにパロディ要素があったりするし)。腕に覚えのある人はぜひ挑んでみよう。一切攻略サイト等を見ずに攻略できたらすごいが、不可能に近いし、何よりあまりこだわるとイライラしてしまう。がんがん攻略を見るほうが楽しめるかもしれない。なお、本作を楽しめた人には、次回作「La-Mulana 2」もお勧めしておく。
それと最後になるが、かなり序盤に、二度読んではいけない石碑が出てくる。これは絶対二度読んではいけない。読んでしまったら…素直にやり直そう(無茶苦茶自信があるなら別だが)。
La-Mulanaシリーズ
La-Mulana(今ココ)→La-Mulana 2
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーは、かなり複雑。ここらへんは攻略サイト等を見たほうがわかりやすいかもしれないが、要は「地上に降り立った母(=遺跡)が、母自身が空に帰るために、「子」を生み出していった。最終的に、第8の子である主人公たちの手によって、母に永遠の眠りを与えた」といったあたり。
なかなか難解な部分もあるが、クリアまでたどり着いたならこの程度はわかっているかもしれない。このストーリー構成はなかなか面白かった。よくある冒険譚だと、呪いだとか、人同士の争いだとかがメインになりがちなのだが、これはそれらがはるかにかすむような、巨大な規模の物語であり、非常に味わい深かった。

ゲーム性について、高難易度は高難易度ではあるが、愛のある高難易度だと感じた。確かに理不尽な要素もある。しかしながら、それでやる気が削がれるということはなく、むしろそれらが自身を奮い立たせてくれる。なぜそう思わせるのか、それには、昔のゲームへのリスペクトと、不便さを感じさせないシステム、それにプレイヤースキルの向上や新しい発見によって、何度でも同じ道を楽しめるというところにある。
昔のゲームは、それこそ使いまわしのようなものが多かったが、総じて、計算されたゲームデザインによって何度遊んでも楽しめるようになっている。それこそ世界一有名な「1-1」のように。更に、不便さについては、最初は多少イラつくかもしれないが、慣れれば問題はない。この点は、某魔界の村のように、不便さを逆手に取ったゲーム性と、繰り返し遊ぶことによる技術の向上によってもたらされる楽しさである。

とにかく、このゲームはかなり素晴らしい。難点は、実際にプレイするまでは、その高難易度っぷりがわかりづらい点と、謎解きは基本自力で解くのは無理に近い点があるが、そこらへんは実際にプレイしたら、許容できる部分である。なお、いわゆる隠しダンジョン的なのは、探すのが非常に困難なうえ、攻略も非常に困難。自信があるなら挑戦してみるのも良いだろう。
なかなかとっつきづらいゲーム性とは裏腹に、一度はまってしまえば、いつの間にかクリアするまでやってしまっていた、そして気が付いたら次回作を買っていた、そうなるようなゲームである。