
スウェーデンのゲーム開発スタジオ、Villa Gorillaによるゲーム「Yoku’s Island Express」の紹介。
一言で:Yoku’s Island Expressとは
島中を飛び回る2Dピンボールメトロイドヴァニア
概要
- ジャンル:2Dピンボールメトロイドヴァニア
- 開発者:Villa Gorilla
- リリース日:2018年5月30日
- 価格:通常時2,050円、セール時512円、Switch版2,150円
- プラットフォーム:Steam、Switch
- 日本語:有
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用可
- プレイ時間:7~8時間
物語性 | ★★★★★ |
ゲーム性 | ★★★★★ |
難易度 | ★★★☆☆ |
コスパ | ★★★★☆ |
探索要素 | ★★★★★ |
こんな人にお勧め
- ピンボールが好き/得意な人
- メトロイドヴァニアが好きな人
- ほっこりとした雰囲気のゲームが好きな人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより翻訳。
「ヨクのアイランドエクスプレス(島の速達便)」の主人公、小さい郵便局員ヨクに会おう!ピンボールのメカニック、プラットフォーミング、それにオープンワールドの探索をごちゃまぜにしたユニークなゲーム性!モクマナ島の秘密を解き明かそう!この素晴らしく、新しい南国のアドベンチャーには、島民を助けたり、古代の神を目覚めさせたり、たくさんできることがあります!
このゲームは、おそらくゲーム史上初であろう、ピンボールメトロイドヴァニアである。更にそこに、オープンワールド、プラットフォーミング、アドベンチャー要素が足してある。そんなにいろんな要素をごちゃまぜにして面白いのか?それは記事を読むか、実際にプレイしてもらえればわかることだろう。
ストーリーは、「南国の島、モクマナ島に来た主人公ヨクが、古代の神を目覚めるために、郵便局員としてみんなを助ける」といったあたり。一応、サイドクエストなどもあるが、基本これが軸で話は進む。
操作は非常に特殊。主人公ヨクはご覧の通り巨大なボールを押しているのでジャンプはできない。どうやってジャンプするか、それはもちろんピンボールらしく、フリッパーを使う。つまり基本は、ヨクの移動+フリッパー操作だけである。その他、様々な能力を手に入れると使えるようになるといったところ。

そして、最も重要なゲーム性。
上でも述べたように、このゲームは島のいたるところにフリッパーやバンパーといった、ピンボールの要素がある。ただし、現実のピンボールとは違い、玉の残り数などはない(仕掛け上、ごく一部にあったりするが)。そのため、ピンボールが多少苦手でもどうにかなる。また、果物といった収集要素もあるので、的外れの場所に飛ばしてもなんらかの報酬を得られ、普通のピンボールに比べてモチベーションが維持しやすい。
そしてメトロイドヴァニア要素。これも結構しっかりとできており、特定の能力が無いと探索できない場所だったり、隠されたアイテムがあったりする。また、オープンワールドなので、島は1つのマップとして繋がっている。しかしその広さがありつつも、ファストトラベル要素もあるため、探索もそこまで苦にはならない。

このゲームは、いろんな要素を、ピンボールを基幹部分とし、ごちゃまぜにしてなおかつ成功しており、この開発スタジオの手腕の高さがうかがえる。ピンボール部分でうまくいかないことがあり、イライラするかもしれないが、そんな時はこの美しい世界に、ほっこりとするような世界観を見て、少し癒されたら、もしかしたらうまくいくかもしれない。
なお、他のメトロイドヴァニアの例に漏れず、100%を目指すと結構大変なので、いざとなったら攻略サイト等を見ても良いだろう。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーは、道中色々あるが、最終的には古代の神を目覚めさせられてハッピーエンド、である。はっきりと敵対するようなキャラクターもおらず、また別に焦らされる要素もないから、ゆっくりとこの世界観を楽しむことができる。ただし、そうはいっても途中で飽きるようなストーリーではない。特徴的なキャラクター、様々なロケーション、それにちょっとした冒険要素、それらが合わさり、ストーリー性は非常に良い。なかなか、ここまできれいにストーリーを進ませられるのはすごいと思う。
操作も独特ではあるが、慣れると全く問題はない。地味に空中にいる最中でも、一定速度以下だったらヨクの体を動かせるのは、微妙な調整ができてよい。

ゲーム性は、ほとんど完ぺきといっても良いほど。ここまで独自性の高いゲームはなかなかないと思う。
ピンボール要素はもちろん良いし、メトロイドヴァニア要素も適度、オープンワールドとしては十分な広さに加えてファストトラベル要素あり、プラットフォーミング要素も若干あるがそこまで問題なく、アドベンチャー要素も十分ある。典型的な失敗例として、探索要素を重視した結果ストーリーがおざなりになったり、ストーリーを重視した結果ほとんど一本道になったり、オープンワールド化した結果お使いゲーになったり、プラットフォーマー要素を強くした結果難易度が大幅に上がったり、そういったものが挙げられるが、今作にはそういったことはない。

ただし、少しながらピンボールならではの残念な点もある。一部の目的地に行くのに、同じ場所を通る必要がもちろんあるのだが、そこにピンボール要素がある影響でいちいち通過が面倒くさかったり、また一部収集アイテムの取得が非常に面倒くさかったりする。そこは仕方ないと言えば仕方ないが。
総じて、独自性の塊の意欲作でありながらも非常に完成度の高い作品。若干高いと感じたら、セールを待てばなんと512円と1,000円を切るので、その時にでも買ってもらいたい。