
ポーランドのゲーム開発スタジオ、SUPERHOT Teamによるゲーム「SUPERHOT」の紹介。
一言で:SUPERHOTとは
自分が動いているときだけ時間が進むFPS
概要
- ジャンル:FPS
- 開発者:SUPERHOT Team
- リリース日:2016年2月25日
- 価格:通常時2,480円、セール時992円、PS4版2,545円、Xbox One版2,700円
- プラットフォーム:Steam、PS4、Xbox One
- 日本語:有
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用可
- プレイ時間:6~7時間
物語性 | ★★★★☆ |
ゲーム性 | ★★★★★ |
難易度 | ★★★☆☆ |
コスパ | ★★★★☆ |
独自性 | ★★★★★ |
こんな人にお勧め
- FPSが好きな人
- 銃が出るようなアクション映画が好きな人
- 弾を全部よけたり弾を灰皿とかで防ぎたい人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより引用。
SUPERHOT は「自分が動くときだけ、時間が進む」FPS ゲーム。HP 回復や 弾薬の補充など一切ない。武装した赤いヤツらに立ち向かうのは、自分ひとりだけ。
このゲームは何といっても、映画などでおなじみの「バレットタイム」を採用したFPSであるということが魅力。バレットタイムを知らなくても、「マトリックスで弾よけてたアレ」と言えばわかる人もいるかもしれないが、上の説明にもあるように、「自分が動く時だけ、時間が進む」というのがこのゲームの特徴である。
ストーリーについては、「友人からsuperhot.exeというゲームをお勧めされたからプレイしてみる」という、若干メタの要素も入ったもの。
操作は移動と視点移動、ジャンプ、攻撃、武器を拾う、武器を投げるといったあたり。よくあるFPSに比べ操作は簡単。
ゲーム性については、上記で述べたバレットタイムに加え、自分も相手も一撃でやられるFPSといった感じ。

本編はチュートリアルも兼ねているため、やっていけば自然と覚えていくだろう。目標としては、「ステージ内にいる全部の敵を倒す。自分がやられたら最初から。」である。こう書くと難易度が高そうに感じるが、とにかくバレットタイムの強力さによって、FPSが苦手でもある程度簡単にできるようになっている。
ステージ開始時、たいていの場合は徒手空拳で始まる。もちろん殴るだけでもクリアはできるが、さすがに銃相手では分が悪い。そこで活躍するのが拾える武器。銃もあるが、それ以外にステージ上にある黒いオブジェクトはたいてい武器として使える。バットや刀といったありがちなものから、手裏剣や灰皿といったものまで多種多様。

ただし銃は強いが万能ではない。今作はリロードがなく、撃ちきったらそれまでである。しかしここで活躍するのが「武器を投げる」行動。投げたものが敵に当たればもちろん倒せるし、弾に当たれば相打ちになってどっちも消滅する。ただし障害物などに当たったら砕け散るので注意。これはすべての拾えるものに共通のアクションである。
そして肝心のバレットタイムだが、序盤は正直使わなくてもどうにかなる。しかし、敵の数が増えていくと重要度が増していく。まず開始直後に周りの状況を確認。敵は何人か、持ってる武器は何か、身近に使える武器はあるか、等々を考える。この間に動く時間は一瞬。そして撃ち合い始めたら今度は弾幕を避けたり、瞬時に間合いに踏み込んで殴ったり、と気分はまるで映画のアクションスター。そしてステージクリア後に表示され、音声が流れる「SUPERHOT, SUPERHOT…」。このおかげでこのゲームはかなり達成感と爽快感がある。

このゲームはもともと2013年に無料のフラッシュゲームとして作られたもの。そのため、検索すれば出てくるので気になった人はそこから遊んでみるのも良いだろう。そして2017年にはVRに対応しいろいろと一新した「SUPERHOT VR」が出、また早期アクセス版として、スタンドアローン拡張パックの「SUPERHOT: MIND CONTROL DELETE」がある。今作を気に入った人は、それらを遊んでみるのも良いだろう。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーについては、序盤はメタ的な要素で進みながらも、終盤はシステムに主人公が乗っ取られるという、サイバーパンク的なものとなっていく。メニュー画面はMS-DOS風であり、これは昔のものである。しかしながら、後半に進むと、VRといった現代~近未来の要素が出てくることから、ここでプレイヤーは不思議な感覚に陥る。このストーリーは面白いものだ、と思った。
フラッシュゲーム版ではストーリーがほとんどなかったから、始めて遊んだときは困惑したと同時に楽しめた。なお、VR版はまた別のストーリーが展開されるので、どっちか一方だけ遊んでも問題ない。

ゲーム性については、とにかくバレットタイムの使い方がうまいと思った。バレットタイムを採用したゲームはあれども、それらは特別な条件下でしか使えないし、その場合はスローモーションになる時間に制限がかかるため、ゆっくりと考えてはいられない。しかしこのゲームは、動いていない時はずっと使えるので、ゆっくりと考えることができるし、乱戦になっても立ち止まればスローモーションになるので、他のゲームに比べより効果的に利用できているように感じる。
そしてクリア後に背後で流れるリプレイは、スローモーションのかかっていない状態の映像であり、これを見るといかにスローモーションが重要か、またこんなにすごい動きを自分はしてたんだ、と楽しめるようになっている。

総じて、ストーリー性もゲーム性も高い水準にある作品。おまけのミニゲームとか隠し要素とかも案外楽しめるし、スピードランに挑戦してみるのも面白いかもしれない。