
今日は、ゲーム開発スタジオ「Rusty Lake」によるゲームシリーズである、「Cube Escape」シリーズ及び、「Rusty Lake」シリーズを紹介する。
なぜそれらを紹介するかというと、管理人はここの開発したゲームが好きなのもあるが、それ以外に、この開発元の大半のゲームがAdobe Flash Player製であり、そのAdobe Flash Playerが年内にサービスを終了するため、もしかしたら遊べなくなるかもしれないからだ。(一応スマホ版ならば遊べるが、やや広告が多い)
→Adobe Flash Playerのサービス終了に伴いオリジナル版は遊べなくなったが、Steamにて「Cube Escape Collection」という形で、遊べなくなったものは遊べるようになった。(もちろんスマホ版も遊べる)
また、これらのゲームにはほんの少しだけだが、ホラー要素やグロテスクな要素、またブラックジョークも含まれる。そのため、そういうのが苦手な人は、そういうものがあると思いながらプレイしてもらいたい(プレイしないほうがいいとは言わない。むしろ無料だし一度は遊んでもらいたい)。
ネタバレは極力伏せる。また、日本語訳や考察等については、様々な場所で行われているためそちらに任せる。
画像をクリックすると、新しいタブでそのゲームのページが開くので気になったものがあれば遊んでみるとよい。→Adobe Flash Playerのサービス終了に伴い、今は跡地が開く。有料版についてはSteamストアページが開くようになっている。なお、本記事で使用している画像は、Google Play及びSteamより引用している。
「Rusty Lake」のホームページはこちら。
Rusty Lakeとは?
「Rusty Lake」とは、今回紹介するゲームの開発元であり、ゲーム内で登場する舞台の1つである。
開発元としての「Rusty Lake」は、オランダにて2015年春、2人の開発者によって発足したインディーズゲームスタジオである。開発しているゲームの種類は、すべて「脱出ゲーム」に類するものである。記念すべき第一作目「Cube Escape: The Lake」より続くシリーズゲーム群は、どれも同じ世界観にありながら、発想の斬新さで一躍有名になった。
舞台としての「Rusty Lake」は、ゲーム中に存在する湖である。この現実世界と同様な世界のどこかに存在しており、ゲームにおいて重要な場所となる。
ここより作品の紹介に移りたい。なお、「Cube Escape」シリーズは大半が無料であり、また「Cube」とついているように基本的に4方向(+天井と床)だけの部屋が舞台となる。対して「Rusty Lake」シリーズや後続のゲームはすべて有料であり、一作目「Rusty Lake: Hotel」を除き、4方向だけではなくなっている。
Cube Escapeシリーズ
Cube Escape: The Lake
価格:無料
記念すべきシリーズ第一作目。「Rusty Lakeで朽ちた小屋を見つけた。」から始まる今作。やってみるとわかるが、かなり脱出ゲームとしては異色の作品である。しかし、シリーズの骨格はここでできたといえるだろう。
特徴のある絵柄にストーリーテリング、独特な謎解き、若干のホラー要素とグロテスク要素にブラックジョーク、これらはすべて後々の作品すべてに見られる特徴である。
今作は、謎の多い(というか謎しかない)ストーリーではあるが、後の作品をやっていくと、いろいろな考察が可能である。
Cube Escape: Seasons
価格:無料
シリーズ二作目にして、前作から大幅なボリュームアップをした本作。前作はRusty Lakeの小屋でスタートしたが、本作は打って変わって謎の部屋から始まる。
今作でこのシリーズの基本は完成されたといっても良い。出入口のない部屋、謎の電話、置時計、これらは後の作品のほとんどに見られる特徴となる。
また、前作ではほとんどなかったストーリーは、今作で一気に奥が深くなっており、今作だけでも様々な考察ができるようになっている。
Cube Escape: Arles
価格:無料
シリーズ三作目。タイトルにもあるように、舞台は一転して「フランスのアルル」となる。西洋美術に詳しい人ならこの時点でわかったかもしれないが、今作の主人公は「フィンセント・ファン・ゴッホ」である。
今作は主人公が明示された初めてのシリーズ作品であり、また他作品とのつながりが薄い、実質番外編みたいな作品である。しかしながら、基本的な部分は他のシリーズ作品と同じであるため、前二作をプレイした人はぜひプレイしよう。
Cube Escape: Harvey’s Box
価格:無料
シリーズ四作目。タイトルにも説明文にもあるように、今作の主人公は「Harvey(ハーヴィー)」である。そう、「Seasons」に登場したオウムである。
ハーヴィーは、シリーズにおいてとても重要なキャラクターとなっていく。覚えておこう。
今作の舞台は、上記画像にもあるように、「Rusty Lake」行きの箱の中である。なぜ箱の中にいるのか、それらについてはじっくり考察すればわかる…かもしれない。
Cube Escape: Case 23
価格:無料
シリーズ五作目。今作の主人公は刑事の「Dale Vandermeer(デール・ヴァンダーミーア)」。シリーズ初登場ながら、とても重要なキャラクターなので覚えておこう。
舞台は、殺人現場から始まり、その後転々と場面が変わる。しかしながら時系列はしっかりとつながっており、今作以降は、今作基準で時系列が展開されるといっても過言ではない。超重要作品。
Cube Escape: The Mill
価格:無料
シリーズ六作目。今作の主人公は、「Mr. Crow(Mr.クロウ)」。実は過去作にもちょくちょく出ていたが、キャラクターについて具体的に言及されたのは初。
タイトルにもあるように、舞台は「風車」。どこの風車か、は前作をやった人にはわかることだろう。今作は、「Cube」について具体的に言及された作品でもあるため、今作をやった後だと過去作の見方が変わるだろう。
Cube Escape: Birthday
価格:無料
シリーズ七作目だが、後述する「Rusty Lake: Hotel」の次の作品であるため、この開発元の作品としては八作目(以後、全作品中〇作目と書く)。
今作は、Case 23より続いている作品であり、主人公は9歳の「デール・ヴァンダーミーア」。舞台は彼の家となる。
果たして誕生日に何が起こったのか、どこまでが現実かは不明だが、デールの掘り下げがより行われる。
Cube Escape: Theatre
価格:無料
シリーズ八作目(全作品中九作目)。今作も、Case 23より続いている作品であり、主人公も「デール・ヴァンダーミーア」。舞台は劇場。
前作とは異なり、今作は、デールの周囲を取り巻く人物について言及される。しかし明確に言及はされないため、いまだに考察される作品である。
なお、今作より以降の全作品は日本語が標準で実装された。うれしい限りである。
Cube Escape: The Cave
価格:無料
シリーズ九作目(全作品中十一作目)。今作は、前作までと一転して主人公は「Mr.クロウ」。舞台は洞窟。Case 23をよく覚えているなら、どこの洞窟かわかるだろう。
今作では、「Rusty Lake: Roots」でも多少言及された、Mr.クロウとMr.アウルについて具体的に言及される。とはいえ、これもまた明確ではないため、現在も考察されている。
Cube Escape: Paradox
価格:無料、ただし第二章は310円(Steam版)。
シリーズ十作目(全作品中十三作目)であり、シリーズ最新作。今作の主人公は再び「デール・ヴァンダーミーア」。
シリーズにおいて初の有料作品であり、全作品中初めて実写映像が使用された作品でもある。この試みは非常に新しく、またその実写映像も、ただの映像ではなく、ゲーム本編とかかわりが深い。
Rusty Lakeシリーズ
Rusty Lake: Hotel
価格:198円(Steam版)
記念すべきシリーズ第一作目(全作品中七作目)。この開発元初の有料ゲーム。舞台はRusty Lakeのホテル。
初の有料ゲームとだけあって、内容は無料のものに比べ多く、また実績等やりこみ要素もあるため、値段分は十分に楽しめる。
今作は「Cube Escape」シリーズの延長線上にあるようなゲーム性となっているが、「デール・ヴァンダーミーア」に直接関係しないという点は、他の「Rusty Lake」シリーズ作品と共通する。
Rusty Lake: Roots
価格:298円(Steam版)
シリーズ二作目(全作品中十作目)。舞台はRusty Lakeの近く。
今作以降のシリーズ作品は「Cube Escape」シリーズ伝統の4方向ではなくなり、画面が横方向へとスクロールするようになったため違和感を感じるが、すぐに慣れる。
タイトルの「Roots」には、「先祖」という意味があり、それが主題となっているのだが、「(木の)根」という意味としても、意識したような内容になっている。
Rusty Lake: Paradise
価格:410円(Steam版)
シリーズ三作目(全作品中十二作目)。今作は今までの作品と比較して更に毛色が異なり、エジプトの十の災いをモチーフにしている。
そのため、他の作品と比較して、更に過激な描写が含まれることとなる。さすがにシリーズ作品をやってきた人なら大丈夫であろうが、一応注意。
The White Door
価格:410円(Steam版)
全作品中十四作目。今までの作品とは絵柄を除いて全く変わっているような世界。
ほとんど真っ白な世界、分割された画面、今までとは異なる視点…等々異例づくめの作品。ストーリーを進めると見えてくる真実は、シリーズファンなら必見。
Samsara Room
価格:無料
全作品中十五作目。後述するSamsara Room(オリジナル)のリメイク版。
リメイク版と侮ることなかれ、見た目どころかゲームの大半が変更を加えられており、全く新しいゲームのようになっている。
と同時に、オリジナルにはなかったストーリー性が追加されており、考察のし甲斐がある。
The Past Within
価格:700円(Steam版)
全作品中十六作目。今作は2D+3Dに、Co-opプレイがメインという、非常に新しい意欲作。
「過去」と「未来」に分かれてプレイができ、また2種類の回答が用意されているため役割を交代しても楽しめるようになっている。
終わりに
以上が、「Cube Escape」シリーズ、「Rusty Lake」シリーズ、及びRusty Lakeによる他のゲームの一覧である。シリーズを気に入った人は、是非開発元のYouTubeチャンネルを訪れてみてほしい。特に、「Cube Escape: Paradox」の舞台裏は必見である。ぜひとも、Adobe Flash Player終了前に全作品遊んでみてもらいたい。終了後も遊べるように新装版登場。詳しくは↓に。
おまけ
Samsara Room(オリジナル)
価格:無料
今作は「Rusty Lake(厳密にはStudio Maarten)」による習作である。そのためおまけとして紹介する。
ストーリー上のつながりは他作品とはない。しかしながら、出てくるものがかなり似通っている。遊んでみれば、いたるところでデジャブを感じるだろう。
この時点で既に作風は確立されており、この開発者の凄さがよくわかる。気になったら遊んでもらえればと思う。現在は遊べない。今後プレイする人はリメイク版を遊ぼう。
Cube Escape Collection
価格:520円(Steam版)
Adobe Flash Playerが2020年末にサービス終了することを受け、Flashゲームとして作成されたCube Escapeシリーズ(Paradox除く)を一つにまとめ、新装版としてリリースされたもの。
謎解き自体に変わりはないのだが、全作品完全日本語化、Steam実績への対応等がされている。
なお、ストアページ説明文にあるように、これらのゲームには、Steamの実績を除いた新しい要素は含まれない。完全日本語化が既に新しい要素じゃねーか