小粒ゲーム紹介18:The White Door

オランダのゲーム開発スタジオ、Rusty Lakeによるゲーム「The White Door」の紹介。

一言で:The White Doorとは
白い部屋で主人公の記憶を探すポイント&クリックパズル


概要

  • ジャンル:ポイント&クリックパズルアドベンチャー
  • 開発者:Rusty Lake
  • リリース日:2020年1月9日
  • 価格:通常時410円、セール時348円、App Store版370円、Google Play版360円
  • プラットフォーム:SteamApp StoreGoogle Play
  • 日本語:有
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用不可
  • プレイ時間:3~4時間
物語性 ★★★★★
ゲーム性 ★★★★☆
難易度 ★★★★★
コスパ ★★★★☆
ホラー ★☆☆☆☆

 

こんな人にお勧め

  • 「Rusty Lake」によるゲームが好きな人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより引用。

「The White Door」の扉を開いて、独特なスタイルでラスティレイクの世界を発見してください。ロバート・ヒルの夢を探索し、失われた記憶を探す手伝いをしましょう。

このゲームは、「Rusty Lake」という、一部でカルト的な人気を誇る開発によるゲームの最新作である。過去の作品をやったことがある人ならわかると思うが、ほんの少しだけホラー描写があったりする。ホラーが苦手な人は、一応、そういうものがあるんだ、ということを頭の片隅にでも置いておいてもらいたい。
なおこのゲームは、発売されて日が浅いため、ネタバレは一切なしで、ストアページの内容だけでわかることを中心に書く

ストーリーは、「ロバート・ヒル(主人公)が、精神病院で記憶を取り戻す」といったあたり。ゲーム性は、左右に分かれた画面を操作する、ポイント&クリックパズルアドベンチャーである。
こう書くと、平凡に思えるかもしれない。しかし、この二画面と色のない世界という世界観がゲームに独特の面白さを加えている

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この画面で色がついているのはジュースだけ。ほとんどが白と黒

操作については、よくあるポイント&クリックのように、マウスの左クリック及びドラッグだけ。
もう少しゲーム性について説明すると、単純に言えば、ポイント&クリックでやることをこなしていくというだけ。しかしながら、そこに謎解き要素があるので、時には頭をひねりながらプレイする必要がある。
その他、二画面に分かれていると先ほど言ったが、これはこのゲーム独特のもの。一例を挙げると、片方が映像、片方が文字といったような感じになったと思いきや、片方が部屋全体、片方がテーブルの上や棚などを拡大したものとなったりする。最初は少し混乱するかもしれないが、すぐに慣れる。

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左:部屋の全体図 右:洗面台の拡大

このゲームは、正直Rusty Lakeによる作品をやっていないと理解不能な点が多いかもしれない。興味を持った人は、無料で遊べる分だけでも結構なので、ぜひプレイしてもらいたい。以下に当サイトでのシリーズ紹介記事のリンクを貼る。

特別記事:Rusty Lakeについて

Steamでは、リリースセールで1月17日まで、15%オフの348円で買える。今のうちに買っておこう。


ネタバレなし感想

それでは感想。いつもはネタバレありで書くが、今回だけは発売されて日が浅いのでネタバレは一切なしで感想を書く。
なお、この感想は、Rusty Lakeによる作品をやっていることを前提に話を進める

まず、ストーリーを読むと、主人公は「ロバート・ヒル」であることがわかる。このキャラクターは、Rusty Lakeによる作品に熱心な人はわかるかもしれないが、「Cube Escape: Case23」や「Cube Escape: Theatre」、「Cube Escape: Paradox」に出てきた「ロバート”ボブ”ヒル」その人である。
Case23では逮捕された姿で、Theatreでは主要人物として、Paradoxでは名前、映像、テープの音声で出てきたキャラクターであり、それらのゲーム内でわかる情報としては、「ローラと何らかの関係を持っており、ローラが死亡した後、(おそらく)警察に逮捕され、その際堕落した魂となって警察官を1人殺害。またデール刑事と劇場で会って、ブラッディ・マリーを飲んだ後、自分の頭を拳銃で撃ちぬき、その後堕落した魂となる。」という、ちょっと時系列等がよくわからなく、考察の的になるキャラクターである。

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色がつくとボブだとよくわかる。過去作とは少し見た目が違うが。

そして舞台は「精神病院」。今まではラスティレイク周辺が大半だったので、これは珍しい(もしかしたらこの精神病院もラスティレイク付近にあるのかもしれないが)。そして、ボブは記憶喪失しており、その記憶を取り戻すために入院しているといったところ。
また今作は、大半の物に色がない。色がついているシーンもあるが、基本となる病院の一室はほとんど真っ白。それ以外にも、上述したように画面が二画面に分かれている。これらの特徴は過去のRusty Lakeには見られない特徴であり、新しい試みである。
この新しい試みは、新たな表現の形であり、これらがゲーム内容とうまくマッチしており、ゲームへとより没入できる。

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二画面に分かれている新しいスタイル。これがうまくマッチしている。

これまでのシリーズと、今作の説明文から読み取ると、ボブについて解決していないできごとは以下のようになる。

  • 誕生日は?その他個人情報など
  • ローラとの関係は?
  • なぜ記憶喪失で精神病院にいるのか?
  • 今作はいつのできごとなのか?
  • 逮捕されたのは本当にボブだったのか?
  • 劇場では本当に頭を撃ちぬいたのか?
  • 時系列がおかしい点
    (1971年10月12日ローラ死亡、1971年劇場において拳銃で頭を撃ちぬく、1972年ボブ逮捕?)

これらが今作で果たして明らかになるのか、プレイしてからのお楽しみである。

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「OWL NEST(フクロウの巣)」。Nが若干消えかけ。

また、Rusty Lakeによる有料のゲームにはお決まりの、隠し要素や実績(アチーブメント)などが存在する。これらは例によって結構探すのが難しいが、そこは承知の上だろう。
今作は、新しい試みをしながらも、「Rusty Lakeらしさ」がある。具体的に言うことが難しいが、この「Rusty Lakeらしさ」は、まさにこの開発者によるゲームにおける最大の楽しみである。どっぷりとRusty Lakeの世界につかりながら、ゲームをプレイできた。とにかくお勧めしたい。