
ノルウェーのゲーム開発スタジオD-Pad Studioによるゲーム「Owlboy」の紹介。
一言で:Owlboyとは
フクロウの少年となって大空を飛び回る2Dメトロイドヴァニア
概要
- ジャンル:2Dメトロイドヴァニア
- 開発者:D-Pad Studio
- リリース日:2016年11月2日
- 価格:通常時2,480円、セール時1,488円、Switch版2,700円、PS4版2,750円、Xbox One版2,700円
- プラットフォーム:Steam、Switch、PS4、Xbox One
- 日本語:有
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用可
- プレイ時間:13時間~14時間
物語性 | ★★★★★ |
ゲーム性 | ★★★★★ |
難易度 | ★★★☆☆ |
コスパ | ★★★★☆ |
探索要素 | ★★☆☆☆ |
こんな人にお勧め
- 空を自由に飛び回りたい人
- 少しひねられたゲームをプレイしたい人
- 画像を見て興味を持った人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより引用。
「Owlboy」は、落ちこぼれのフクロウ族“オータス”になって大空を飛び回り、仲間と共に戦いながら、雲間に浮かぶ世界の謎を解き明かす、開発に8年以上をかけたハイビットなアクションアドベンチャー大作。美しいピクセルアートや多彩なアクション、謎解きに満ちた、胸が躍るような大冒険へ飛び立とう。
ストーリーはおよそ上記の通り。ストーリーを読んで、「なんだ、よくある落ちこぼれがのし上がって世界を救う物語か」と思った人もいるかもしれないが、このゲームにはそれ以上の物語性があるし、それ以上のゲーム性がある。
ゲーム性については、よくあるメトロイドヴァニアにありがちなものと違い、主人公はフクロウ族の少年なので、最初から自由に飛び回れる。そのため、探索の自由度はかなり高い。しかし、そこはメトロイドヴァニアのお約束、必要なアイテムがないと進めない場所があったりする。
操作性は、かなり独特。しかし、慣れればゲーム性と相まって楽しい。

このゲームのどこがいいのか、それは、プレイヤーを飽きさせないゲーム体験があるという点である。そもそも主人公1人ではまともに戦うことすらできず、基本的に仲間を1人掴みながら戦うことになるのだが、このシステムがよくできている。謎解きに生かされているのはもちろん、その仲間たちそれぞれが違う特徴を持ち、またキャラクターも立っているため、記憶に残りやすい。それがゆえに、他のゲーム以上に「友情」というのを感じられる。

他のゲームでは、「友情」というテーマは割と陳腐になりがちではあり、下手に挿入するとプレイヤーは、「ああ、またこの展開か」となりがちである。しかしこのゲームでは、最初から最後まで、友情というテーマを前面に押し出しつつ、それが陳腐になったり、退屈にならないように、仲間になる動機、冒険や変化などのスパイスを加えつつ、長すぎず、かつ短すぎない。それにより、しっかりとのめりこむことができる。
少し残念なところは、微妙に操作性が悪いのと、探索要素の薄さがある。操作性については、アニメーション枚数の多さがゆえに、いろいろと隙のある動きがあったりして、少しばかりイライラする。そして、探索要素については、隠されたアイテムなどもあるが、後のステージで手に入る能力が必要になる場面が割と少なく、メトロイドヴァニアとしてみると、探索要素が隠しアイテムをその場その場で探す形になり、「あの場所は後で探そう」という醍醐味があまりない点である。もちろん、2Dアクションとしてみれば十分面白いのだが

実は、このゲームは開発に8年以上かかっている。最初はメトロイドヴァニア要素強めで作られていたのだが、途中で方向転換し、ストーリー性を重視したので、探索要素の少なさが目立ってしまった。しかしながら、この美麗なドット絵と、独特なゲーム性、そして良い物語、それらを総合して、値段相応以上には楽しめるだろう。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーについて、あれだけ物語性が、と言っておきながら、あまり書くことは多くない。あまり考察の余地がないからだ。序盤は勧善懲悪、終盤は世界の謎を解くというありきたりなテーマ、それらを説明するにはゲーム中で語る必要がある。それがゆえに考察がほとんどできない。ここは少し賛否あるだろう。
ゲーム性について、最終的に3人仲間になるが、それぞれがそれぞれの個性を持っており、3人が少ないとは感じない。ゆるやかに、主人公と仲間たちは成長していく、そうしていくことで、プレイヤーは操作に慣れたころに新しい操作を覚えることになる。これは、ストーリーの進展とともにあるという感じで、そこが影響して難易度もある程度緩和されている。

とにかくゲーム性については新しく感じたし、それが「友情」というテーマにあっており、またそれを描く美麗なグラフィックもあっている。とにかく、どの方面においても割と隙が少ないゲームとなっている。
問題点については上記で触れたもの以外にはそこまでない。しかし、メトロイドヴァニアが好きな管理人としてはもう少し探索要素が欲しかった、という感じはある。しかし探索要素を入れるとストーリーが薄くなるし…と難しいところではあるが。

このゲームはいろいろと良い点があると同時に惜しいと感じる点も出てくる。やはり開発期間が長いと方針の転換や内部の事情があったりで、周囲の上がっていく期待に対してそこにこたえられないものができてしまうということだろう。しかしそれは考えていてもしょうがない。いち消費者として、単にこのゲームは素晴らしい、その一言に尽きる。