小粒ゲーム紹介10:Return Of The Zombie King

アメリカのゲーム開発者Chris Zukowski氏によるゲーム「Return Of The Zonbie King」の紹介。

一言で:Return Of The Zombie Kingとは
最初は頭蓋骨しかない王様が部位を手に入れつつゴールを目指す2Dランゲーム。


概要

  • ジャンル:2Dラン系プラットフォーマー
  • 開発者:Return Of The Zombie King(Chris Zukowski)
  • リリース日:2019年11月4日
  • 価格:通常時520、セール時312円
  • プラットフォーム:Steam
  • 日本語:有
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用可
  • プレイ時間:5~6時間
物語性 ★★☆☆☆
ゲーム性 ★★★☆☆
難易度 ★★★★☆
コスパ ★★★☆☆
独自性 ★★★☆☆

 

こんな人にお勧め

  • ランゲームが好きな人
  • 昔ながらのやられて覚えるスタイルが好きな人
  • 多少の作業は問題ないという人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより引用。

Return of the Zombie Kingは、1ボタンコントロールシステムを備えた2Dランナーです。何もジャンプ、表示、または聞くことができない死んだ王から始めます。できるだけ多くの金を集め、彼の体の部分をすべて買い戻すことで彼をアップグレードしてください。次に、ダブルジャンプや保護呪文などの魔法のアップグレードを購入します。キングを100%アップグレードしたら、破壊された王国を再構築します。雨、霧、火の玉、火のモードなどのユニークなプレイタイプでそれぞれ4つのユニークな環境をプレイしてください。

上記文章は日本語訳が微妙である。ゲーム内でも同様である。勘違いをしてはいけないので、正確に訳すならこんな感じだろうか

Return of the Zombie Kingは、1ボタンでコントロールできる2Dランゲーム。跳んだり、見たり、聞いたりできない死んだ王で始まる。できるだけ多くのコインを集め、すべての部位を買い戻すことで、王を強化しよう。そして、2段ジャンプや保護呪文のような魔法のアップグレードを購入しよう。王をアップグレードしながら、破壊された王国を再構築しよう。雨、霧、火の玉、高温地帯などの独特な環境のある、4つの地帯をプレイしよう。

なお、管理人はこのゲームの翻訳を手伝った。そのため、ゲーム内の翻訳された文章はおそらく問題がないと思われる。フォントの抜け落ちが無ければ。

ストーリーは上記の通り、イントロで王様は死んで、開始すると頭蓋骨しかなく、跳ぶことも、(色を)見ることも、聞くこともできない(なぜか動くことだけはできるのだが)。その王様が、自分の体の部位を買い戻しつつ、城を目指す、という流れである。しかし、このストーリーはいわゆるフレーバー的なものなので、忘れてしまっても構わない。

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開始直後。どうやって頭蓋骨だけで動いているのかは謎である。

ゲーム性については、割とよくある2Dラン系プラットフォーマー。操作は、主にジャンプだけ。しかし、設定どおり、最初はプレイヤーは操作できず、勝手に王様の頭蓋骨が右に進んで言った挙句、ちょっとした段差に突っかかって、詰む。そしてリザルト画面に行った後、購入画面である。まずはここを一望してほしい。いろんな体の部位が販売されているのである。この点は、面白いな、と感じた。
そして足を購入し、さっき詰まった場所をジャンプで越え、ゴールである。そう、このように、コインを集めつつ、途中でやられるかゴールしたのち、自身の部位を取り戻し、さらに先へ、というのがこのゲームの基本である。

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いろんな部位やアップグレードが売られているショップ。

しかし、王様はそんなに強くない。動くだけでエネルギー(ハートマーク)を消耗してしまう。更に、敵にぶつかったり、ジャンプとかの派手な動きをしたりすると、一気に消耗してしまう。もちろんこのエネルギー上限は増やせるが、アップグレードを購入するごとに金額が上がっていくので、そのうちクリアできないステージが現れる。その時は、ジャンプの回数や敵に当たる回数を減らしてゴールを目指すか、コインを集めやすいステージに戻ってコインを集めるか、になる。この時に、面倒になって辞めてしまう人もいるかもしれない。

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宝箱=アップグレードの解除。これを目指して進む。

残念な点もある。このゲームはそもそもスマホ向けに作られたため、UIなどが不便である。プレイ中右上を見ればポーズボタンがあるし、操作できるのも少なすぎるしで、その点は、PCならではの何かが欲しかった。それと、終盤にならないと、移動した距離等によるボーナスが存在しないため、コインを稼ぎつつ攻略するのは結構厳しい。それに、一部アップグレードは値段がとんでもなく高いため、そこに辟易する人もいるかもしれない。

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再びこの画像。基本右にあるものほど後半&高額になる。

最近ではよく見かけるようになったランゲーム。これもその1つで、開始直後は楽しいかもしれないが、徐々に退屈になってしまう。そのため、管理人としては、日本にもスマホ版を出してほしいと思うところ。設定やキャラクター付け等は面白いため、この開発者の今後に期待したい。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーについては、ほとんどないため省略。ゲーム性について書く。
最初は足、次は目、次は耳…と来て、最後の方は魔法みたいなものだったり、回復アイテムだったりが解除可能になる。この中には、一見無駄に見えるアップグレードもあるが、何かと「あると便利」なものは多い。
管理人は、こういったゲームの2周目は最低限のアップグレードでゴールを目指そうとするのだが、実は目がないと一部の敵の区別がつかず、耳がないと先の予測が困難になる。また、頭頂葉はゴールまでどれくらいかを考えつつコインを集められるし、海馬は難しいステージでどこまで進んだかの指標になり対策を練られる。何かと、このシステムは設定とあってていいな、と思った。

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かなり元に戻った王様。どういう原理で骨→ゾンビ→人間になったのだろうか。

しかしながら、コインボーナス系が後半にならないと解除されない点、また回復薬が高すぎる点は、おそらくスマホでの課金を前提にしたのかもしれないが、PCとはあっていない。
特にコインボーナスのうち、ノーダメージボーナスは、「ダメージを受けず移動した距離(m)×アップグレード回数」で算出されるため、かなりの金額を稼げるが、他の、例えばブーツボーナスは、「残りブーツの個数×アップグレード回数」で算出されるため、精々1ステージで10コイン程度しか稼げない。これは少し倍率等に変更を加えてほしいところ。

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燃える王様。なおこのエネルギー量ではクリアできない。

色々と書いたが、管理人はこの開発者が作るゲームが好きになったし、好きであるがゆえに残念な点も出てしまう。特に設定は面白いし、途中から骨だけの王様にいきなり肉が付くのも面白かった。ただ、思いのほか買える体の部位が少なく、材料の良さを生かしきれてない、少し未熟な点も感じた。
この開発者の前作、「1 Screen Platformer」は結構面白いため、以下に紹介記事のリンクを貼っておく。

小粒ゲーム紹介9:1 Screen Platformer