
JW, Kitty, Jukio, and Domによるゲーム「Minit」の紹介。
一言で:Minitとは
主人公が1分間しか生きられないゼルダ風アドベンチャー
概要
- ジャンル:アドベンチャー
- 開発者:Jan Willem Nijman、Kitty Calis、Jukio Kallio、Dominik Johan
- リリース日:2018年4月3日
- 価格:通常時980円、セール時490円、PS4版1,019円、Switch版1,000円、App Store版610円、Google Play版540円
- プラットフォーム:Steam、PS4、Xbox One、Switch、App Store、Google Play
- 日本語:有
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用可
- プレイ時間:3~4時間
物語性 | ★★★★☆ |
ゲーム性 | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★☆ |
コスパ | ★★★★☆ |
冒険要素 | ★★★★★ |
こんな人にお勧め
- ゼルダの伝説シリーズが好きな人
- 勇者30シリーズが好きな人
- 「1プレイ1分」に興味をひかれた人
- 効率化が好きな人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより引用。
『Minit』は1プレイ1分で完了する、一風変わった冒険アクション。
非常に簡潔ではあるが、まさにそうである。「1プレイ1分」である。
主人公は、呪いによって1分間しか生きられない。でも悲観することはない。主人公はいつでも、好きな時に、セーブポイントから復活できるからだ。

ストーリーとしては、主人公が浜辺で拾った剣が呪われていて、1分間しか生きられない体になってしまった。どうにもその剣を生産している工場があるみたいだから、そこに行こうという流れである。
ゲーム性としては、ゼルダの伝説が近い。1分間しか生きられないが、その1分間にやったことは復活しても継承される。そのため、新しくアイテムを入手したら、次に復活する時にはそれを持ったままできる。つまり、現在の装備で行けるところに行く→新しい装備を手に入れたり、謎を解いたりする→次の場所へ、というまさにゼルダの伝説風なゲーム。
しかし、そこには単にゼルダの伝説風という言葉では収められない、大きな魅力がある。

1分間という制限時間、これは焦りをもたらすが、同時に、1分間で行ける範囲を知り、それをもとにイベントをこなしていくためには、というように、計画を立てることが求められる。
この点は、今ならできる/できないイベントを明確に分ける。これは、特に初代ゼルダの伝説にあった、行けるところや重要そうなキーワードが多すぎて、何から手を付ければいいかわからないという問題の解決になっている。これは、そういった冒険系のゲームに慣れていない人にはありがたく、またゲームが得意な人なら、1分をギリギリまで活用することができる。

ギミックについても目新しいものが多く、ゼルダの伝説風ゲームに飽き飽きしている人にも新しい体験を提供する。具体的にはネタバレになるため述べないが、手に入るアイテムや、その利用方法には、一癖も二癖もあり、面白い。
少しばかり謎解きの難易度が高い部分もあり、またどうしても操作性等を求められる場面もある。しかし、しっかりと考え、焦らず行動すれば、1分という時間は案外長い。似たゲームとして、勇者30シリーズがあげられる。あちらは30秒しかなくても、十分クリア可能に調整されていた。こちらもそれは同様である。

グラフィックは1bitである。そこには、あえて情報量を減らすことにより、プレイヤーにとって楽に探索ができるという点があるのではないだろうか。色が増え、美麗なグラフィックになればなるほど、プレイヤーは画面内の情報を把握するのは難しくなる。そこで、情報量を減らし、よりゲームプレイに集中できるようにするという点で、1bitを選んだのではないか、と思う。グラフィックでちょっと…と思った人もいるかもしれないが、グラフィック以上のゲーム体験がそこにはある。
このゲームは、Steamのみならず、主要なゲームハードや、スマホにまでリリースされている。多少値段の上下はあれども、自身が遊びたいハードを選んでプレイすることができるのはうれしい限り。ぜひ、1度は手に取ってみてもらいたい。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーについては多くは語らない。結果としては呪われた剣の生産元に行って、そこの機械と工場長をやっつけてハッピーエンド、である。しかし、本筋よりも、道中のイベントの内容が良く、また逸脱しすぎない程度で、笑える要素を入れてくる。
特にインパクトが強いのは、灯台の下にいる人の長話だろう。普通のゲーム中で長話を再現されると、プレイヤーはうんざりしてスキップしてしまったりするだろう。しかしこのゲームでは、「この長話には重要な話があるのではないか」と思い、一言一句しっかりと聞いてしまう。そこには、1分という制限時間により、それをフル活用して話を聞こう、と思うプレイヤーの心理が働いているのではないか。

ギミックについては、似たようなものがつかわれることもあるが、そこに加えられた若干の変化により、最後までプレイヤーを飽きさせない。また、この手のゲームにありがちな、移動の面倒くささも、効率を求めていく過程である程度緩和されるし、進めて行けばワープができるようになって、ある程度楽になる。そういった点で、ゼルダ風ゲームの中でもかなり完成度が高いだろう。
1分。それは長いようで短い。それをどう活用するか、それを考えさせてくれるゲームだと感じた。勇者30の時にも感じたことだが、やりたいことを詰め込むと、意外と短い時間でできてしまうのである。よくあるカップラーメンができるのは3分、このゲームではそれは3プレイ相当。そう考えると、隙間時間の有効活用をしてみよう、と思うのではないだろうか。

しかし上記で述べたのは、あくまで1周目の話。1プレイ1分、その制限の中で頑張ってクリアした先。そこには2周目がある。
2周目については、実際にプレイしてもらいたい。ただ簡単に言うと、1プレイが40秒になり、主人公が貧弱になる。そこを含めての、難易度やゲーム性等の星の数である。
2周目はかなりの難易度になるため、腕に自信のある人でないと少し難しいかもしれない。それでも、1周目をクリアできたのなら、2周目もぜひクリアしてほしい。