大粒ゲーム紹介3:Trine 3

フィンランドのゲーム開発スタジオ、Frozenbyteによるゲーム「Trine 3:The Artifacts of Power」の紹介。

一言で:Trine 3とは
過去作から更に奥行きを追加して一新された3Dパズルプラットフォーマー

Trineシリーズ

TrineTrine 2→Trine 3(今ココ)→Trine 4


概要

  • ジャンル:3Dパズルプラットフォーマー
  • 開発者:Frozenbyte
  • リリース日:2015年8月20日
  • 価格:通常時2,199、セール時549円
  • プラットフォーム:Steam
  • 日本語:有
  • マルチプレイヤー:有
  • コントローラー:使用可
  • プレイ時間:3~4時間
物語性 ★☆☆☆☆
ゲーム性 ★★★☆☆
難易度 ★★★☆☆
コスパ ☆☆☆☆☆
美しさ ★★★★★

 

こんな人にお勧め

  • Trineシリーズバンドルを購入した人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより引用。

アクション、パズル、アドベンチャーが満載の「トライン3:力の秘宝」は、受賞歴を誇る「トライン」、「トライン2」の続編。魔道士アマデウス、騎士ポンティアス、盗賊ゾーヤの3人の英雄と再び力を合わせ、シリーズ初フル3Dで贈る新しい冒険に旅立とう!

Trineシリーズ三作目にして、シリーズ初の3Dを採用した意欲作。
過去作をプレイしなくても、ストーリーについては、オムニバス形式なので、そこまで気にしなくてもいい。
ゲーム性については、シリーズ共通で、3人の異なるキャラクターを切り替えながら先へ進むパズルプラットフォーマー。協力プレイをするとより楽しめる。
そして美麗なグラフィックも健在。今作は3Dになった分、より美麗になった感じがする。
また、戦闘は過去作より面白くなった。

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更に美麗になったグラフィック。

そんな今作ではあるが、シリーズの中でこれだけを遊ぶというのはそこまでお勧めできない。シリーズのほかの作品をプレイして、ストーリーやキャラクターをよほど気に入った人でなければ、購入は控えるべき。
それは、Trineシリーズのゲーム性と3Dの部分が微妙にかみ合っていないことと、ストーリーが短いことにある。

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物語性がさらに強調された演出。

Trineシリーズのゲーム性は、パズルを解く自由度にあった。絶対これ開発者が想定してないだろ、といった解き方が基本であり、更にそこにスキルツリーシステムがあり、三者三葉のプレイフィールが楽しめるのである。スキルツリーも、単純に戦闘を楽にするものから、パズルに新たな解き方をもたらすものまであり、各々のプレイスタイルにあわせたプレイングができた。
しかし今作は、スキルツリーを廃止してしまった。そのせいで、パズルを解く自由度も大幅に下がってしまった。そのうえ、収集アイテムを集める楽しみまで下がってしまった。
3Dも、距離感の把握しづらさ等を生み出しており、プラットフォーミングが難しくなっている

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奥へと進むシーン。距離感が測りづらい。

ストーリーの短さについては、ネタバレを避けるため具体的には言及しないが、管理人は3時間~4時間でクリアしてしまった
冗長でなくなったといえばいいかもしれないが、その終わり方が物議をかもすものとなってしまった。

今作は賛否両論を呼ぶゲームとなってしまった。しかし、この作品の反省を生かし、Trine 4では従来の2.5Dに回帰、シリーズファンを楽しませるものとなった。
ただ、この作品が失敗だったかというとそうではない。今作の一部システムは4に継承されている。確かにおすすめはできない、しかしこのゲームがあるからこそ、次回作は素晴らしいものとなった。何事も、失敗は成功の母といったところである。

Trineシリーズ

TrineTrine 2→Trine 3(今ココ)→Trine 4


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。
まずストーリーについて、まさに「俺たちの戦いはこれからだ」ENDである。
盛り上がってきたところで終わり、肩透かしを食らう。しかも全体の長さも短い。やりこみ要素も薄い。ここがやり玉に挙げられるのは当然といったところだろう。

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序盤に出てくる巨大な敵。敵の種類は増えたが…

ゲーム性については、スキルツリーの廃止が本当に痛い。いわゆる経験値アイテムのようなものも、ステージをアンロックするためにあるだけで、それだったら必要ないのではないか、と思ってしまう。それに伴い自由度が低下、パズル自体は新しい要素まみれだが、その不満点のせいで、Trineを遊んでいる感じが減ってしまった
操作性もお世辞にもよいといえず、特に奥行きの把握が難しくなった影響で、落下しまくってフラストレーションがたまる

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全体的に暗めなため、距離感が測りづらい。

しかしキャラクターの魅力は健在だし、世界観は素晴らしい。特に今作のステージ選択画面は、ボードゲーム風になって、過去作の文章だけのものよりも、ジュアル的に世界を把握しやすくなった。それだけに、ストーリーが短くなってしまい、世界を楽しむことができなくなってしまったのが痛手である

とにかく、シリーズファンほど落胆したことだろう。今作の反省を生かし、次回作4は素晴らしいものとなった。4については明日の記事で。