小粒ゲーム紹介6:Gato Roboto

アメリカのゲーム開発スタジオ、doinksoftによるゲーム「Gato Roboto」の紹介。

一言で:Gato Robotoとは
かわいい猫がバトルスーツで戦う2Dメトロイドヴァニア


概要

  • ジャンル:2Dメトロイドヴァニア
  • 開発者:doinksoft
  • リリース日:2019年5月30日
  • 価格:通常時820円、セール時410円、Switch版820円
  • プラットフォーム:SteamSwitch
  • 日本語:(ストアページでは無いが、ちゃんとある)
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用可
  • プレイ時間:2~3時間
物語性 ★★★★☆
ゲーム性 ★★★★★
難易度 ★★★☆☆
コスパ ★★★★☆
探索要素 ★★★★☆

 

こんな人にお勧め

  • ネコが好きな人
  • メトロイドヴァニアが好きな人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより引用。

ネコでも使えるバトルスーツに乗り込んで、危険に満ちあふれた宇宙の星を探索しよう。モンスターが住みつき、危険な障害物でいっぱいのアンダーワールドに不時着してしまった宇宙船と船長を助け出さなきゃ!

上述した通り、このゲームはネコがバトルスーツに乗り込んで船長を助けるために頑張る2Dメトロイドヴァニアである。既に興味がわいたところだろう。
ストーリーはいたって簡単。宇宙船の船長と一緒に乗ってたネコが、ボタンを押してしまって宇宙船が墜落したので、船長を助けよう!といった話。ネコや犬を飼ってると、勝手にボタンを押されて大惨事、という経験はあるのではないのだろうか(管理人はネコを飼ったことがないが)。

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ネコとバトルスーツ。ネコ単身でも行動できるのは新しい。

しかし、そんなストーリーではあるが決して出オチではない。むしろ、1つのメトロイドヴァニアとしてゲーム性を見てみると、新しい要素を取り入れつつも、探索の面白さがあり、それがこの値段でコンパクトに収まっている、という完成度の高さがある。
どうしても、メトロイドヴァニアは、探索が面倒になってしまいがちである。かといっても、あまりに一本道過ぎると、探索の面白さが減ってしまう。特に、新しい要素を取り入れたゲームは、その新しい要素によって大幅にゲームをスキップされたら困るので、制約を設けることが多い。このバランスが非常に難しい。しかし、このゲームはそのバランスが非常にうまくとれている。「ネコ」と「バトルスーツ」という要素はもちろん新しい要素である。ただ、それがただの飾りではなく、ちゃんとした設定としてうまくゲームに組み込まれている

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ゲーム画面。ちなみに右上のネコの表情は変化する。

バトルスーツは確かに強力だが、狭い通路を通れない。そこでネコ単身で行くことになるのだが、ネコは非常に貧弱である。早くアイテムを回収したり装置を動かしたりして、バトルスーツのもとに戻りたい。そうプレイヤーに思わせることで、自然と開発者の想定したようにゲームが進んでいく

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ネズミに追いかけられるネコ。バトルスーツさえあれば…

また、この1bitのグラフィックは、GBのメトロイド2を思い起こさせる。あちらは少々、GBの画面の大きさとの兼ねあわせで見づらくなってしまっていたが、こちらは十分に見やすい。
こうすると、ネコ自身や敵がどんな見た目なのかをプレイヤーに想像させ、生々しさの軽減につながっている。どうしても色がついていると、その色に気を取られすぎてしまって、リアリティが出てしまう。これでは、せっかくのネコ要素が台無しである

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メトロイドでよくある狭い通路。ドアもそれとなくメトロイド。

メトロイドヴァニアというと難易度が高いイメージがあるかもしれないが、このゲームはそこまで難易度が高くない。それに、そういったゲームにありがちな、怖さや不気味さといったものもない。特に、メトロイドシリーズはどの作品も、雰囲気が少し怖かったり、謎のクリーチャーが不気味だったりする。そういった理由でメトロイドヴァニアを敬遠してきた人にも、このゲームはお勧めできる。雰囲気の怖さもなく、謎のクリーチャーも少しはいるが、何より主人公がネコであるが故、それだけでほっこりできてしまう

820円という値段設定は割と高いと思うかもしれないが、それでも値段相応に楽しめると思う。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。
ストーリーについて、なんだか壮大に広がっていってる気はするのだが、何せ重要人(?)物が大体動物。数少ない人間の1人である船長も、結局ネコに様々なことを頼んでしまうあたり、なんだかシリアスなシーンでも面白く感じる。
そもそも、元をたどればネコがボタンを押さなければよかったわけで…というのは言ってはいけない。というかネコには責任は1つもない。悪いのは、ボタンまでネコがたどり着けるようにした船長だ!というのは極端な話か。皆さんも飼ってる動物が触れる範囲は警戒しておこう。

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ネコ、犬、ネズミ、カエル…大体が喋れてしまう。

ゲーム性については、ネタバレなし解説でも言ったように、非常に完成度が高いメトロイドヴァニアである。管理人はメトロイドヴァニアが好きなので、様々な作品をプレイしてきたが、このゲームは、カジュアル向けメトロイドヴァニアとしては一番だと思う。
どうしてもメトロイドヴァニアという括りには、万人向けじゃない、どっちかというとゲームが好きな人向けなゲームが多く含まれがちである。特に最近は、ソウルライクも含まれるほどメトロイドヴァニアの定義は広がってきている。広がるのはもちろんいいことではあるが、そのせいでメトロイドヴァニア初見は少し入りづらいかもしれない。そういった意味ではこのゲームは本当に素晴らしい。かといって、メトロイドヴァニア好きな人にも、ぬるすぎず、新しい要素で新鮮な体験ができる。その点は非常に評価できる。

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ネコだってスーツ無しでも戦える。代わりに砲台使うけど。

なお、100%クリアは割と本家メトロイドシリーズのように歯ごたえのあるものとなっている。自信のある人は100%目指してもいいだろう。また、本家メトロイドシリーズのごとく、スピードラン系実績も用意されている。ちなみに最速でクリアしたところで、スーツを脱いだりするわけではない。というか、そもそもネコは服着てないし。