小粒ゲーム紹介140:Frog Detective 3: Corruption at Cowboy County

オーストラリアのゲーム開発者、Grace Bruxner氏、Thomas Bowker氏、Dan Golding氏によるゲーム「Frog Detective 3: Corruption at Cowboy County」の紹介。

一言で:Frog Detective 3: Corruption at Cowboy Countyとは
探偵のカエルになって謎を解く超絶ゆるい一人称視点アドベンチャー完結編

Frog Detectiveシリーズ

The Haunted Island, a Frog Detective GameFrog Detective 2: The Case of the Invisible Wizard→Frog Detective 3: Corruption at Cowboy County(今ココ)


概要

  • ジャンル:一人称視点アドベンチャー
  • 開発者:Grace Bruxner氏、Thomas Bowker氏、Dan Golding氏
  • リリース日:2022年10月27日
  • 価格:通常時520円、セール時468円
  • プラットフォーム:Steam
  • 日本語:無、辞書片手か相当の英語力が必要
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用不可
  • プレイ時間:2~3時間時間
物語性 ★★★★☆
ゲーム性 ★★★☆☆
難易度 ★☆☆☆☆
コスパ ★★★☆☆
ゆるさ ★★★★★

 

こんな人にお勧め

  • 過去作をプレイした人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより翻訳。

あなたは探偵です。そしてカエルです。今度はワイルド・ウェストの謎を解く時が来ました。

このゲームは、前々作である「The Haunted Island, a Frog Detective Game」及び前作「Frog Detective 2: The Case of the Invisible Wizard」の続編である。そのため全体的な雰囲気は過去作のまんまである。つまり、カエル探偵が主人公の一人称視点アドベンチャーで、非常にゆるいゲームである。登場人物がすべて動物なのも前作同様。
そのため、ガチでやるようなゲームではなく、どちらかというとゆるさを楽しむだけのゲームである。あまり多くを期待しすぎないほうが良いかもしれない。
…と思いきや、本作は過去作に比べ結構ストーリー性があり、また過去作とのつながりも強い、まさに完結編らしいものとなっている。そのため、過去作をプレイしたから遊ぶのをおすすめする。

なお、本作も日本語に対応していないうえ、砕けた表現が多用される。そのため、辞書片手か、相当の英語力がないとストーリーの理解は難しい。

ストーリーについて。「前作のEDで謎の依頼を受けたFrog Detectiveは、Lobster Copとともに事件の解決へと臨むのだった」といったあたり。繰り返しになるが、過去作はどちらとも遊んでおいた方がいい

frog3_intro
虫眼鏡。重要アイテムだが使うことはまずない。某ゲームの弁護士バッジみたいだ。

操作について。前作同様、前後左右への移動、視点操作、アクション、そして虫眼鏡をのぞき込む操作がある。虫眼鏡は、実際のところなくても問題ないが、本作の設定上非常に重要…らしい。そして新要素として「キックボード」が追加された。詳しくは後述。

ゲーム性について。基本的に町の住民などと話す→証拠や必要なアイテムを見つけ、ストーリーが進むといったあたり。基本的につまづく要素はなく、全部のキャラクターに話す程度で話が進む。この部分は、基本的に前作を踏襲している。
そして追加された要素である「キックボード」について。屋外であればどこでも使用できるこのキックボードは、単純に移動速度を上げるだけでなく、なんとジャンプができる。ただそれだけであるのだが、過去作に比べると非常に広くなったフィールドを探索するのに便利だし、そこそこ楽しいシステムとなっている。

frog3_scooter
キックボード使用中は三人称視点になる。しかし、どうやってジャンプしてるかは謎。

総じて、完結編として予想外にストーリー性が良くなった本作。1と2はほぼつながりがなかったが、本作はすべてを総括し、また同時に世界観も掘り下げられ、もっと「この世界観で遊びたい」と思わせるようなものとなっている。
余談だが、今作もパブリッシャーに「SUPERHOT PRESENTS」とあるように、(なぜか)SUPERHOTもかかわっている。そちらのほうからこのゲームにたどり着いた人もいることだろう。特に起動時一発目に出てくる名前がSUPERHOT PRESENTSであり、演出も本家同様のため、一瞬「起動するゲーム間違えたかな?」と思わされた。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。

ストーリーについて。「住民の帽子が盗まれる事件を解決したFrog Detective。しかし、写真の捏造などにより濡れ衣を着せられBad Room(刑務所的なもの)に収監されてしまう…。ブログ更新のためのPCはあり、ブログを更新、それを見たMystery Monkeyが立ち上がり、Lobster CopとMason Moleの共謀による事件だったことを明かす。Lobster Copは免職され、Mason Moleとともに郵便配達員に転職した。後日、誕生日を迎えたFrog Detectiveにとあるサプライズが…」といったあたり。

とにかく世界観の掘り下げによる魅力の増加が面白い。この世界において、現実世界にあるような「犯罪」というのはほぼなく、警察すら銃を持っていないという、「みんないい人物」というのが非常に良い世界観を作り上げている。ゲーム中に出てくる「アウトロー」たちも実際大して悪いことはしてないし、犯罪者の処分も実質「職を解き、謝罪させる」というだけであり、今作だけで大幅に魅力が増加したように思える。
また、過去作のキャラクターたちもうまくかかわってきている。冒頭、Maryが前作EDを再現するシーンは面白いし、Mystery Monkeyの活躍も良い。またED後に全キャラのその後が出てくるのも良い。(なぜか足を折ったNoddy除き)みんなハッピーエンドというのは非常に良い。

今作は、ゲーム性という意味ではそこまでであるが、ストーリー性は非常に優れている。完結編ではあるが、同じような世界観のゲームを今後期待したいところ。