
ドイツのゲーム開発スタジオ、Sluggerflyによるゲーム「Hell Pie」の紹介。
一言で:Hell Pieとは
下品なネタ多めな箱庭系3Dアクション
概要
- ジャンル:箱庭系3Dアクション
- 開発者:Sluggerfly
- リリース日:2022年7月22日
- 価格:通常時2,570円、セール時2,056円
- プラットフォーム:Steam
- 日本語:有
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用可
- プレイ時間:10時間~
物語性 | ★★★★☆ |
ゲーム性 | ★★★★☆ |
難易度 | ★★☆☆☆ |
コスパ | ★★★★☆ |
ネタ性 | ★★★☆☆ |
こんな人にお勧め
- 下品なネタOKな人
- 箱庭系3Dアクションが好きな人
- レア社開発のゲームが好きな人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより引用。
Hell Pieは、悪趣味の極みを尽くした卑猥な3Dアクションゲーム! Hell Pieでは、「悪趣味な悪魔」ネイトのツノをつかんで大冒険を繰り広げます。ネイトは、サタンの悪名高いバースデーパイのために、マズい材料を集めるという名誉ある仕事を任されたのです!
このゲームは、ジャンルとしては箱庭系3Dアクションゲームである。有名どころだとスーパーマリオ64があるが、このゲームはどちらかというと「バンジョーとカズーイの大冒険」のような、いわゆるレア社による箱庭系ゲームに近いものとなっている(最も近いのは「Conker」シリーズ)。つまり、下品なネタが多いということである。そこまで過激なネタはないものの、苦手な人は要注意。
なお、日本語はあるのだが、非常に質が悪い。おそらく一文ごとに訳したと思われ、1つの文章としてみるとぶつ切りになってしまっている。最低限ストーリーを追える程度にはなっているが、このせいで一部のジョークなどが成立しなくなってしまっているのは残念。
ストーリーについては、説明文にあるように「主人公ネイトは、サタンのバースデーパイを作るために材料を集めることとなった」といったあたり。しかし、主人公は「Sin Inc」の一社員として働いているなど、ツッコミどころは満載である。

操作について。前後左右への移動とカメラ操作、ジャンプという基本の操作に加え、ダッシュや壁登り、そしてツノの能力の使用やスイングなどがある。
ゲーム性について。基本的には各ステージにある材料を集めることが目標となる。各ステージには他の収集物もあるため、それも並行して集めていくこととなる。この収集物により、能力などのアップグレードや、後述する衣装の変更などができるようになる。
このゲームにおいて最も重要となる要素に「スイング」がある。序盤に天使の「ナゲット」を手に入れた後使用可能になるのだが、これは「好きなタイミングで空中でスイングができる」というもので、前述したダッシュや壁登りと合わせることで縦横無尽にステージを駆け巡れるようになる。

「ツノの能力」は、これまた序盤に使用可能となるものだが、システムとしては「A Hat In Time」の帽子に近いものとなっており、単純に加速するものから謎解きに必要なものなど様々あり、使い分けることで探索していくことになる。
ステージの構成としては「バンジョーとカズーイの大冒険」に近いものとなっており、ハブエリアとなる「Sin Inc」から他のハブエリアへと移動ができ、また各ハブエリアから一本道構成のステージへとアクセスできる、というようなかたちとなっている。ハブエリアにはテレポーターがいくつか用意されているため、ハブエリア内の移動は比較的楽。

他、ネイトとナゲット用の衣装も用意されている。この衣装の中には、ドイツのエレクトロニコアバンド「Electric Callboy(旧:Eskimo Callboy)」とコラボした衣装もある。メタルコア系ではあるが、(おそらく)比較的日本人でも聞きやすいタイプのバンドだと思われるので、気になった人はチェックしてみてもいいだろう。
総じて、下品なネタがメインと思わせておいて、アクションが結構楽しめる本作。翻訳の質さえ良ければ、と思うが、そのマイナスがあっても十分楽しめる。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
実は、そもそもこのゲームを知ったきっかけが「Electric Callboy」とのコラボであり、ゲームの内容や開発者については全く知らなかったのだが、調べると同開発者のゲームには「Ben and Ed」があった。あちらも非常にグロテスクでネタ性があり、また意外とアクションも楽しめるという、このゲームと似通った部分もあり、「なるほど」と思った。
ストーリーについて。「Hell Pieの材料集めを終えたが、最後の最後にミスをしたためにパイが怪物となってしまった。これを倒し、パーティを無事開催できたが、実はサタンがパーティを開催するつもりはなく、ある種のいたずらであったことが分かるのだった。」といった感じ。日本語訳がちゃんとしてればもっと道中のストーリーも楽しめたのだが、改めて残念と思う。
操作については特になし。ゲーム性について。
どの要素も問題なく楽しめるのだが、「ツノ」に関しては、序盤に手に入る加速能力と、終盤手に入る飛行能力が非常に強く、他の能力がかすんでしまっているのが残念な点ではある。ただ、こういったゲームでは往々にして機動力を上げる能力が強いので、しょうがないといえばしょうがない。
総じて、一発ネタに終わらないゲーム性が素晴らしいゲーム。