
明日からはシルバーウィーク。秋ということもあり、読書の秋やスポーツの秋など、様々な「秋」を過ごす方も多いだろう。今回は、「ゲームの秋」を過ごす人に向けて、ゴールデンウィークの時に特集した「パラドゲー」から、管理人が特に気に入っている「Europa Universalis IV(以下、EU4)」の魅力を紹介すべく、「基礎の基礎」と銘打って、「どんなゲームか知りたい」「買ったはいいがやり方がよくわからない」という人に向けて、ゲームの概要や、ゲーム中での序盤の動きなどを紹介したいと思う。
なお、当記事シリーズはバージョン1.34時点(DLCとしては「Lions of the North」まで)で作成しているため、今後参考にならない可能性もある(特にDLC「Domination」により大きな変化がある可能性が高い)。できる限り新しい情報へと変更はしていこうと思うので、ご了承願いたい。
EU4とは
パラドゲーやおおざっぱなEU4の説明については上記の記事で紹介しているため、ここではEU4のゲーム性の紹介から始める。
まず、とにかくこのゲームはできることが多い。他のパラドゲーではどの国家でもプレイフィールが似たような部分になるところも多いものだが、このゲームでは数多のアップデートやDLCによって、国家によっては全く異なるプレイフィールとなっている。
例えば、一口に「外交」と言っても外交の形態はさまざま。「同盟」というわかりやすいものから、「属国」「辺境伯」「衛星国」という上下関係のあるもの、「同君連合」というキリスト教特有のもの、「植民地国家」という特殊な上下関係のもの、「朝貢国」「大名」といった東(南)アジア特有のもの、「(部族)連合」という北米先住民族特有のもの・・・等々あり、国家によってもはや別のゲームとも言うべき変化がある。
こういった複雑さで、パラドゲーの中でも特に難しい部類に位置するゲームではあるものの、同時にリプレイ性は非常に高く、プレイするたびに新たな発見ができるゲームでもある。
特に「ミッションツリー」などによってある程度目標が明示されており、やるべきことが比較的わかりやすいのも利点で、パラドゲーの中ではある種「非常にゲームらしいゲーム」となっている。
初心者向けの解説をしているサイトやWikiなども非常に充実しているが、この記事では特に「初心者向け解説でも情報量が多くて結局何が大事かわからない」というような入門者に向けて基礎の基礎を紹介する。
なお、大事なこととして、このゲームは成功より失敗から学ぶことの方が圧倒的に多い。この記事では最序盤の動きしか紹介しないが、これは例えるなら「自転車に乗る前に三輪車の乗り方を覚える段階」のような、本当に基礎の基礎だけを教えるものとなっている。失敗してもあきらめず、「何がいけなかったのか」を自分で考えたり、Wikiなどを見て失敗の原因を探ったりしながら成長していくという部分が非常に重要である。大体最初の10時間は失敗ばかりだが、100時間プレイするころには何かがつかめるかと思うので、あきらめずプレイし続けよう。
最後に、あくまでここでは「始めたばかりの人でもわかりやすく」紹介したものであるため、非効率なプレイや厳密には間違っている説明などもしている。この記事のプレイよりもうまくプレイできる人や、説明の間違いに気付ける人は、既に十分ゲームを楽しめる段階にあると思うので、他サイト様やWikiなどを読む方が勉強になるだろう。
まずは購入、日本語化
Steamで買う人が多いと思うので、Steam版で話を進める。Epic Store版については詳しくないので他サイト様を参照してもらいたい。
Europa Universalis IVを買うのは当然だが、加えてサブスクリプションも購入しよう。DLCがないと面白みが全然なくなってしまう。なお、セール時には本体が1,000円程度になるので、セール狙いもおすすめ。
公式の日本語はないため、日本語化をする。なお、この日本語化に関することだが、「英語版が基本だから用語などを英語で書く」という人も多い。この記事ではわかりやすさを重視するためにほぼすべて日本語で書かせてもらう(一部、よく使う略語などは英語を併記)が、他サイト様で質問するときやWikiへ書き込みをするときなどは極力英語も併記しよう。なお、この記事に関する質問は日本語のみでもOK。
本編
チュートリアル後
さて、非常に不親切なチュートリアルを終えた後、そのままカスティーリャでプレイするのはおすすめしない。というわけで、まずはタイトルスクリーンに戻って新しいゲームを始めよう。
なお、最初に重要なこととして、ゲーム中に出てくる数値やアイコンなどはマウスカーソルを合わせると説明が出てくる。用語が非常に多く、説明内容もわかりにくいかもしれないが、基本的に「緑色」は良いこと、「赤色」は悪いことという認識を持つと多少理解できるかもしれない。
ここから、基本的にはメインとなる文を読んでもらえればいいが、豆知識などを
こんな感じで紹介することもある
ため、興味があれば読んでもらいたい。
国家については「オスマン」がおすすめ。ゲーム開始年は1444年11月11日一択。
主な理由として①軍事力が高い②経済的に安定している③君主が有能④周辺に弱小国が多い⑤ミッションツリーが強いなどが挙げられる。ある程度他の国を遊んだ人からは「オスマンはオスマンと戦わないから楽」と言われるほど強い。
「開始」を選ぶと選択肢が出てくる。慣れないうちは「ノーマルモード」を選ぼう。もう一方の「鉄人モード」は、「セーブデータスロットが1つしかなく、ゲーム終了時に自動保存され、やり直しがきかない代わりに実績を解除できる」モードとなっているため、慣れてきたら鉄人でプレイしよう。
状況確認
メイン画面
さて、いよいよゲームスタート。国家の状況などの説明文がまずは出てくるので、読んだら閉じよう。ゲーム開始時は一時停止されているため、焦らず状況確認をしよう。まずは上部に注目。
左にオスマンの国旗がある。そこの右上部分は、左から「ダカット(=お金)」「人的資源/Manpower」「水兵」「安定度」「汚職」「威信」「正統性」「戦力投射/Power Projection(PP)」と並んでいる。
特に大事なのは最初の3つで、それぞれ説明すると、「ダカット」はわかりやすくお金、「人的資源」は兵士の数、「水兵」は水兵の数となっている。他の数値は、「汚職」だけ低いほどよく、他は高いほど良いものと認識してもらえればいい。
「オスマン」と書いてある右の方に3つの数値がある。これは総称して「君主点」と呼ばれ、上にある数値よりもさらに重要なものとなる。これらは主に(後述するが)技術やアイデアを取得するのに使い、これが遅れると非常に厳しい状況となるので要注意。左から「統治点/Administrative power(ADM)」「外交点/Diplomatic power(DIP)」「軍事点/Military power(MIL)」であり、名が示すようにそれぞれ役割がある。
そして「オスマン」と書いてある下に4つの旗がぶら下がっている。これは重要な通知となっているため、ここに旗が追加されるたび内容をチェックしよう。また、旗をクリックすると該当の項目へ行けるため活用しよう。(今回はいったん無視させてもらう)
旗には色があり、特に赤色の旗と色が変化する旗は重要な通知である。今回の場合、左端のものは「ライバル数不足」というもので、以下で説明する。
外交
それでは国旗を左クリック(もしくは自国の領土を右クリック)しよう。
開いた画面には、自国(オスマン)の外交状況が表示されている。まずここで重要なのは「敵」と書かれている国家である。今回はハンガリー、リトアニア、オーストリア、マムルークだが、これはプレイするたびに違うので注意。まずはこの「敵」を「ライバル指定」しよう。
「ライバル」のところにアイコンがついている国を選択しよう。4つの敵に対して3つのライバルを指定できるが、どの国でも良い。これを指定するだけでプラスになるため、忘れずに。
戻って、次はライバルの下の部分を見よう。ここを見ることで外交関係がわかるようになっており、「ヴァルナ十字軍によって多数の国と停戦中。アルバニアに対する再征服の「開戦事由/Casus Belli(CB)」がある。ラグーザに対して独立保障をしている。」といった感じである。
少し上の方を見てもらうと、「Mehmed II~」の横に「1/4」という数字がある。これは使用可能な外交関係(以降「外交枠」)と使用している外交枠の数を表しており、現在ラグーザに対する独立保障で1つ枠を使っている状況である。この独立保障は不要なので、独立保障の取り消しをしよう。ラグーザの旗をクリックすることで、ラグーザとの外交画面へと移行できる。
これが他国との外交画面である。左上にある国旗をクリックすることで首都がある場所へと移動できる。またマウスカーソルを合わせると領地がハイライトされる。他国との外交画面は、その国の領土を右クリックすることでもアクセスできるので活用しよう。
さて、独立保障は「影響行動」から「独立保障の取り消し」を選ぶことで取り消せる。取り消した際、両国間で停戦期間が設けられ、また外交枠使用数が0になる。
多数ある外交関係の中の1つ、独立保障は「その国に対して他の国が戦争を仕掛けたとき(=防衛戦争)に参戦する」というものとなっている。使い道として「同盟を結べるような関係ではないが、滅ぼされては困る国」に対して独立保障するといった具合である。
なお、独立保障は一定の国力差がないとできないため注意。
宮廷
さて、いったん外交は置いておいて、今度は自国の状況をより詳しく見ていこう。「外交」の文字の上にタブが並んでいるが、まずは一番左の王冠をクリックしよう。
この「宮廷」画面で見るべきは、君主であるスルタン「Mehmed II~」の文字の左下にある項目である。ここに君主点が書いてあるが、これは君主によって0~6の値が設定されている。当然この値が大きければ大きいほどよいため、この君主は非常に優秀であることがわかる。
オスマン帝国の歴史において、メフメト2世はスレイマン1世と並んで有名である。長年存在したビザンツ帝国を滅ぼし、バルカン半島とアナトリア半島を征服し、オスマンを「帝国」と呼ばれるにふさわしい内実を作り上げた人物である。そのため、このような優秀な君主となっている。
右下の部分に、君主点とともに「8 6 11」と書いてある部分があるが、その横の部分は実はクリックできる。これは「ナショナルフォーカス/National Focus(NF)」と言い、「どれか1つの君主点を毎月+2する代わりに他2つをそれぞれ-1する」というものである。ここでは一番上の統治点/ADMを選ぼう。
経済
次は左から4番目のタブであるマネーバッグをクリックしよう。
ここでは毎月の収入と支出及び収支がわかる。ここで重要なのはスライダーがある部分で、基本的に全部右端にしよう。スライダーがあるものの、実質ここは「1か0か」という考えで良い。
今回は、周囲から攻められそうもないし、こちらからすぐに戦争を仕掛けるわけでもないし、いったん陸軍維持費は0にして金を稼ごう。上げるタイミングはまた後述する。
技術
2つ隣の歯車のアイコンをクリックしよう。
ここでは技術の状況がわかる。基本的に全部3でスタートする。技術が取得できるタイミングになると通知が来るので、即座に取得しよう。
特に軍事技術は戦争の勝敗に関わるので取得が遅れないように。
君主点は主に技術取得に使うことになるが、他の要素にも君主点を使うことがある。その中でも特に「統治点/ADM」は「安定度の上昇」「州の中核化」という非常に重要な要素に使うことになる。加えて、統治技術を進めることで「アイデア」がアンロックされるし、更に統治系アイデアには優秀なものも多く、序盤は不足しがち。そのためにナショナルフォーカス/NFは初手ADMが多い。
軍事技術は言わずもがな非常に大事になるが、外交技術は実はそこまで重要性が高くない。後述する「州の開発」をすることがあれば、外交点/DIPを優先的に使っていこう。
ミッション
2つ隣の旗のアイコンをクリックしよう。
これが重要な要素の1つ「ミッションツリー」である。この中でも国旗のマークがついているものは、その国家特有のミッションツリーであり、非常に強力である。今回の場合は「世界が焦がれる都」と「帝国軍改革」である。
このミッションツリーの達成を目標にゲームを進めていくことになる。具体的には後述する。
国旗のマークがついていないものは、通称「汎用ミッションツリー」である。弱小国などは大半が汎用ミッションツリーで、面白みに欠ける。
また汎用ミッションツリーの定番「扶養限界まで軍拡」は地味ながら強力。どの国でもまずはこれを取得してから戦争するだけでかなり違う。
決断と政策
隣の巻物アイコンをクリックしよう。
ここでは「決断と政策」を見られる。政策については置いておいて、決断については、メールアイコンにチェックマークが付いたものがハイライトされていればその決断を採用できる。決断はものによって効果が様々だが、ここではとりあえずデヴシメル制度の拡大以外を採用しよう。
決断が採用できるようになると上部にバナー通知が来る。しかし、中には「絶対採用しない」決断もあるし、実はバナー通知が出たままだと新たな決断を採用できるときになっても通知がこない。
そんな時には、「?」の横にある黄色い〇をクリックすることで通知をオフにできる。
宗教
2つ隣の手を合わせているアイコンをクリックしよう。
ここは宗教画面となっている。見るべきは下部の部分で、ここから州の改宗を行える。
オスマンはイスラム教スンナ派の国家であるため、それ以外の宗教の州は改宗ができる。ただし今回の場合、異教(カトリックや正教会など)は初期の状態では改宗できないのだが、仕組みを理解するまではこのままで問題ない。
見るとわかるように、シーア派の州が改宗できるように表示されているが、おそらくプレイ開始時点では改宗できないようになっている。改宗できるようになると通知が来るので、その時にでも改宗しよう。
このゲームには「異教」と「異端」の概念がある。「異教」とは「イスラム教」に対する「キリスト教」で、異端は「カトリック」に対する「正教会」といった感じである。
あまり宗教が密接な関係でない日本人からするとちょっとわかりづらい概念ではある。ここらへんはWiki等で宗教のグループを見てもらった方がいいだろう。
①まとめ
- 「敵」の「ライバル指定」、そして外交関係をチェックする。
- 「ナショナルフォーカス/NF」は「統治点/ADM」
- 陸軍維持費は0に、他は全部右端へ。
- 技術は大事。特に軍事技術で遅れないように。
- ミッションの達成を狙おう。(②で詳しく説明)
- 有用な決断は採用しよう。
- 改宗できるときはとりあえず改宗しよう。
「基礎の基礎」シリーズ
- 基礎の基礎① 導入、状況確認(←今ココ)
- 基礎の基礎② 初動、時間を動かすまで
- 基礎の基礎③ 時間を動かしてから、戦争準備
- 基礎の基礎④ 戦争、その後
- 基礎の基礎 その先
- 基礎の基礎 植民編
- 基礎の基礎 用語編