小粒ゲーム紹介129:Deep Rune

アメリカのゲーム開発者JC Bailey氏によるゲーム「Deep Rune」の紹介。

一言で:Deep Runeとは
敵を倒す順番などを考えながら進むパズルストラテジーアドベンチャーRPG


概要

  • ジャンル:パズルストラテジーアドベンチャーRPG
  • 開発者:JC Bailey
  • リリース日:2020年11月10日
  • 価格:通常時520円、セール時312円
  • プラットフォーム:Steam
  • 日本語:無、ストーリー理解には相当の英語力が必要
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用不可
  • プレイ時間:4~5時間
物語性 ★★★☆☆
ゲーム性 ★★★★☆
難易度 ★★☆☆☆
コスパ ★★★★★
パズル度 ★★★★☆

 

こんな人にお勧め

  • RPGスタイルなパズルゲームが好きな人
  • じっくり考えながら攻略するのが好きな人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより翻訳。

北欧神話を題材にしたミステリアスな世界を冒険する、RPG要素とパズル要素をシームレスに融合させた横スクロールアドベンチャーゲーム。キングスフィールドや魔法の塔、DROD RPGにインスパイアされたゲーム。

このゲームは、同氏の前作「Myth Bearer」の横スクロール版とでもいうべきゲームで、RPGとアドベンチャーとパズルとストラテジー要素を合わせたゲームとなっている。前作とのつながりなどはないものの、基本となるシステムで共通する部分も多く、前作を楽しめた人なら楽しめるだろう。

なお、日本語はないフォントの関係で非常に読みづらくなっているうえ、割合難しい単語も出てくるので、ストーリー理解のためには英語力が必要となる。加えて、前作に比べると北欧神話ベースなためか、わかりづらい表現なども多く、よりストーリー理解は難しい。(プレイする分にはそこまで英語力がなくてもOK)

ストーリーについて、「Deep Runeという太古のレリックが眠る遺跡。このレリックを手にしたものは伝説にある天上世界にたどり着けるというが、そこから戻ってきた冒険者はいない。」といった感じでスタートする。

deeprune_intro
ミニマップやUIの変更など、全体的にユーザーフレンドリーに。しかし根幹は同じ。

操作について。前作同様、なんとマウスだけでも操作できるようになっている。もちろんキーボードも使用可能となっており、移動に関してはマウスだけだと結構大変なので、WASDキーを使った方がいいかもしれない。

ゲーム性について。各ジャンルの観点から紹介する。このセクションについては、前作と同様の紹介となるため、前作を知っている人は飛ばしてもらって、後述する「前作からの変更点」を読んでもらえればと思う。
まずはアドベンチャー要素について。ここはゼルダの伝説などを考えてもらえれば早いが、フィールド上に存在する宝箱やアイテムなどを集め、重要なアイテムを手に入れることで行けなかったところに行けるようになる、といったような具合である。
RPG要素について。このゲームはレベルのシステムがある。レベルアップすると、体力が全回復し、攻撃力が上がる。後述するパズル要素により、このレベルのシステムが非常に重要となってくる。

deeprune_enemy
敵にカーソルを合わせると情報が出てくる。これを見るのが非常に重要となる。

パズル要素について。このゲームの敵は、こちらが攻撃すると反撃するというシステムで、自発的に攻撃してこない。各敵には固有のレベル・体力・攻撃力・防御力・経験値が設定されており、「攻撃したら何ダメージ与えるか/何ダメージ受けるか」が表示される。この情報を活用し、倒せる敵を倒しながら、レベルアップ及びアイテム入手によってより強い敵を倒すことになっていく。なお、敵は蘇らないし、アイテムは有限なので、いかにリソースを有効活用するかがカギとなる。
基本的に体力回復はレベルアップとアイテムによる回復に限られる。逆に言えば体力1の状態でレベルアップするのが最良であるため、意識できれば狙うのもいいかもしれない。なお、厳密に「この順番じゃないとクリアできない」というような部分はないので、割合おおざっぱでもクリアできるようにはなっている。

最後にストラテジー要素について。上述した要素を組み合わせることで、必然的に戦略を立てながらプレイする必要がある。セーブスロットは複数あり、いつでも好きなタイミングでセーブ&ロードができるため、「この敵を倒した先に何があるか」というのは簡単に調べられる。特に重要となるアイテムは武器と盾であるため、「多少のダメージを受けてでも回収する」方が結果的にダメージを減らせることにつながる。なお、ノーダメージクリアは不可能であるため、序盤から体力をしっかり活用しよう。

deeprune_cave
今作では遠距離武器で遠距離から攻撃できるようになった。弓矢の重要性が増したと言える。

そして前作「Myth Bearer」からの変更点について。
まずは横スクロールとなったことが大きな変更点である。ジャンプなどはなく、また落下中は行動ができなくなるため、慎重な行動が求められる。また落下ダメージの概念もあるため、体力にも気を配らないといけない。そして横スクロールとなったことで、敵がどちらを向いているかも重要となる。こちらが敵の背後を取れればクリティカルダメージを出せるため、「落下ダメージを多少受けてでも敵の背後を狙う」というのも意識する必要がある。

そして武器などに耐久度が設定されているのも大きな変更点である。修理すれば耐久度を回復できるものの、状況に応じてあえて弱い武器を使うなどしてできるだけ強い武器は大事に使おう。なお、アイテムや武器の数は前作と異なり制限なく持てるため、アイテムを無駄にすることはなくなった。

上述したように、セーブスロットは複数になったため、大きくて前からやり直すことなどもできるようになった。ただし、いわゆるクイックセーブスロットは1つしかなく、それ以外のセーブは若干手間がかかるのが難点か。

deeprune_shop
前作はお金の重要度が低いが、今作は結構重要。

なお、本作では「スタート時のキャラクター選択」及び「スコア」のシステムが採用されている。キャラクターごとに性能が若干異なり、またスコアアタックの要素も追加されたため、やりこみが好きな人なら楽しめるだろう。

総じて、前作からの正統進化とも言える作品。繰り返し遊べるようになった分、若干本編の短さを感じる部分もあるが、それでもなかなかのボリュームではある。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。

ストーリーについては、最後の部分だけでいくと「Deep Runeを手にし、ヘルを倒した主人公は、そのまま消滅することとなる。しかし、このことは来世を明るく照らすだろう」といった感じで終わる。前作同様ストーリーの理解は難しい。

操作について。前作同様マウス+キーボードスタイルでプレイしたのだが、全部キーボードでも操作できるようにしてもいいんじゃないか、と思うぐらいマウス操作が面倒な部分もあった。しかし、大きく問題はなくプレイできた。

ゲーム性について。前作から基本となる部分は変わっていないものの、ちょっとした変化がなかなかに良い。

総じて、なかなかうまくまとまった作品。