
ドイツのゲーム開発スタジオ、Supra Gamesによるゲーム「Supraland」の紹介。
一言で:Supralandとは
様々な要素が融合した一人称視点メトロイドヴァニア
Supralandシリーズ
Supraland(今ココ)→(Supraland Crash→)Supraland Six Inches Under
概要
- ジャンル:複合型ジャンル一人称視点メトロイドヴァニア
- 開発者:Supra Games
- リリース日:2019年4月5日
- 価格:通常時1,999円、セール時799円、PS4版2,090円、Switch版2,050円、Xbox One版2,350円
- プラットフォーム:Steam、PS4、Switch、Xbox One
- 日本語:有
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用可
- プレイ時間:10~15時間
物語性 | ★★★☆☆ |
ゲーム性 | ★★★★★ |
難易度 | ★★☆☆☆ |
コスパ | ★★★★★ |
融合度 | ★★★★★ |
こんな人にお勧め
- メトロイドヴァニアが好きな人
- 適度なアクション・アドベンチャー・パズル・メトロイドヴァニアを楽しみたい人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより引用。
DEMO版をお試しください! Portal、ゼルダ、メトロイドの要素をミックス。世界を探索、隠しアップグレードを発見、パズルを攻略、敵を撃退して、先へ進むのに必要な新能力を手に入れよう。1周のプレイ時間 : 15~30時間。
このゲームは、上記説明文からもわかるように、アクション・アドベンチャー・パズル・メトロイドヴァニアの要素が合わさった3D一人称視点のオープンワールドのゲームである。どの要素もほどほどに合わさっており、「1つのジャンルに特化したゲームをそこまでプレイしたくはないけど、なんとなく気軽にいろんなジャンルのゲームで遊びたい」という人はチェックしてもらいたい。
また、舞台設定も面白く、「箱庭で遊ぶ子どもが作った世界」というようなものとなっており、その設定を十分に生かしたゲームプレイとなっている。
なお、DLCである「Supraland Crash」については、これ単体でも紹介する内容が非常に多く、また実質本編の後日譚的なものなので、後日別の記事で紹介する。
ストーリーについて。「ある日目を覚ましたレッド国の王子(主人公)は、周りで騒ぎが起きているのに気づく。どうやら井戸から水が出なくなったみたいだ。原因を突き止めよう。」みたいな感じ。そこまでストーリー主導ではなく、いろいろな人と会話することでストーリーが形作られる感じである。

操作について。基本は前後左右への移動、視点移動、ジャンプ、攻撃、アクションとシンプル。ここからアップグレードを入手することでどんどん増えていく。
ゲーム性について。基本的に目標が表示されるので、それを達成するために探索をするという感じ。以下、それぞれのジャンルの観点から紹介する。
アクション要素については、戦闘要素とプラットフォーマー要素がある。公式にもあるように、戦闘要素はおまけ程度のもので、そこまで凝っていない。プラットフォーマー要素は基本的にそこまで難しくないが、「現時点では行けないところに行く」ようなことに挑戦するとなかなか難しい。しかも、開発側もある程度そういったことを想定しており、あえてできるようにしている部分もあるので、こういった挑戦も楽しい。

アドベンチャー要素については、明確にクエストがあるわけではないものの、NPCが困っていればそれを助けて報酬が手に入るといったような、いわゆる「サイドクエスト」的な要素がある。この部分は公式にも言われるように、「ゼルダ」的な要素である。
パズル要素については、「進むのに解かないといけないパズル」と「必須ではないが解いたら報酬が手に入るパズル」がある。前者についてはそこまで難しくなく、近くにいるNPCがヒントを出すなど、パズルが苦手な人でも解けるようにされている。後者については難しいものもあり、工夫が必要なパズルが多々ある。ただし、アップグレードを入手してからだと簡単になるものも多くあるため、どうしても解けなければ後回しにするのも手である。

メトロイドヴァニア要素については、ここは普通のメトロイドヴァニアらしく「アップグレードを手に入れることで先へ進めたり、入手できなかったアイテムを手に入れたりできる」という部分は当然ながらある。そのうえでこのゲームでは何が特徴かというと、アップグレードの利用の幅にある。前述した様々な要素と合わさることで、特にゲームに慣れた人は1つアップグレードを入手するだけで探索できる場所が大いに広がる。かといってすべての収集物を集めるのにテクニックが必要かというとそうでもなく、しっかりとアップグレードを手に入れてから探索すれば容易に集めることができる。
このような要素が組み合わさることで、このゲームは初心者から上級者まで、様々な楽しみ方ができるようになっている。このプレイの幅の広さは、「スーパーメトロイド」などを彷彿とさせる。

総じて、各要素がうまいこと組み合わさり、どのような人でも楽しめるような出来となっている本作。100%クリアとなると少々面倒くさい部分も出てくるが、それを差し引いてもかなり完成度が高い。
なお、本作には続編として、DLCの「Supraland Crash」と、スタンドアロンの「Supraland Six Inches Under」がある。本作からの変化はそこまで大きくないものの、それでも本作を気に入った人なら遊んでみるのも良いだろう。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
なんというか、このゲームを一言で評するのはなかなか難しい。それがためにネタバレなし解説の部分が非常に長くなってしまった。確かに良いゲームではあるものの、具体的に一部分を切り取って「これが良い」とは言いづらい。逆に言えば、どのジャンルもそれなりの水準でできており、一部の要素が突出せず、うまく融合しているとも言える。とにかく遊んでみればわかるタイプのゲームではあるのだが…。
ストーリーについて。「水を止めていたブルー国だったが、実はブルー国自身も水に困っていた。原因は火山にいる怪物で、それを倒したことによりレッド国とブルー国は仲良くなるのだった。」といったあたり。割合本作は後続の作品に比べてストーリーの比重が軽いものの、それでも最低限楽しめるだけの物語性はある。
操作について。アップグレードが増えると、非常に複雑になっていくものの、特殊なことをしようとしなければ適度な操作性となっている。
ゲーム性について。「見えない壁」以外は開発の想定内の探索エリアという、まさにオープンワールドである。ただ、目的もなく探索するにはそこまで楽しくない部分もあり、特に100%クリアを目指すときにこの広さが逆につらくなる。この部分はDLCなどで改善されてはいるものの、そちらはそちらで狭苦しさがあるため、一長一短と言ったところか。
他の要素については前述したようにどの部分もそれなりに良い。
総じて、それなりにうまくまとまっている本作。