大粒ゲーム紹介57:The Stanley Parable: Ultra Deluxe

ドイツのゲーム開発スタジオ、Crows Crows Crowsによるゲーム「The Stanley Parable: Ultra Deluxe」の紹介。

一言で:The Stanley Parable: Ultra Deluxeとは
コメディウォーキングシミュレーターで有名な前作「The Stanley Parable」の拡張版

The Stanley Parableシリーズ

The Stanley Parable→The Stanley Parable: Ultra Deluxe(今ココ)


概要

  • ジャンル:一人称視点コメディウォーキングシミュレーター
  • 開発者:Crows Crows Crows
  • リリース日:2022年4月28日
  • 価格:通常時2,570円
  • プラットフォーム:Steam
  • 日本語:無、公式で日本語対応予定
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用可
  • プレイ時間:6~7時間
物語性 ★★★★★
ゲーム性 ★★★★☆
難易度 ★★★☆☆
コスパ ★★★☆☆
コメディ ★★★★★

 

こんな人にお勧め

  • ナレーションにムカつく人
  • ネタをネタとして楽しめる人
  • 発想力豊かな人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより翻訳。

The Stanley Parable: Ultra Deluxeは2013年発売のThe Stanley Parableを拡張し再構成したゲーム。あなたはStanleyとしてプレイしますが、そうでないとも言えます。あなたは選択をするでしょうし、無力にもなるでしょう。あなたはこのゲームをクリアしにきたわけではありません。The Stanley Parableがあなたをプレイするでしょう。

このゲームは、前作「The Stanley Parable」の拡張版ともいえるゲームである。前作については紹介記事を書いてあるので、共通する部分はそちらを読んでもらって、この記事では変更点や拡張部分について中心に解説する。なお、便宜上「前作」と呼ぶが、厳密には「再構築したうえで新規要素を一部追加したもの」というものであるので、リマスター版などが近いだろうか。

なお、今作の開発スタジオである「Crows Crows Crows」は、「Dr. Langeskov, The Tiger, and The Terribly Cursed Emerald: A Whirlwind Heist」を開発した会社でもある。そちらのゲームも実は「The Stanley Parable」の開発者が携わっているので、その関係もあって開発スタジオが変わったのだろう。

なお、日本語はないが、公式で対応予定となっている。ネタを100%楽しみたいならそれを待ってからでも良いかもしれない。

ストーリーは前作同様、「Stanleyがいつもと同じように仕事をしていたら、いつの間にか周りの社員がいなくなったため、原因を探りに向かう」というあたり。

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Ultra Deluxeだけあって、様々な要素が追加される。

操作は、前後左右への移動、視点移動、アクションだけとシンプル。

ゲーム性については、前作同様、「一人称視点ウォーキングシミュレーターであり、ナレーションの通りに行動するもよし、しないもよし、それでコメディ要素を挟みながらストーリーが進む」というものである。
今作では、「既存の要素の変更」「新規要素」がある。詳しくはネタバレになるため避けるが、前作をプレイしたことがある人でもまずは変化を楽しみつつプレイしてもらいたい。
「新規要素」については、起動時にわかるもの及び「New Content」と、ゲーム内で明らかに新規要素だとわかるようになっているため、一通り基本部分をプレイした後にプレイするのをおすすめする。

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違うゲームかと思うほどの場所。この先に待ち受けるものは・・・

総じて、前作の拡張版として、それなりの出来といえる本作。プレイ時間については、追加要素の部分だけで見ると約4時間と、大体前作の倍ぐらいのボリュームがありつつ、+1,000円となっている。人によって満足感が異なるかもしれないが、少なくとも個人的には十分だと感じた。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。
まずは「どう変化したのか」というところで、既存要素の変更点として、最も大きいのは「他のゲームが出てくるシーンで出てくるゲームが変わった」というところ。前作では「Minecraft」と「Portal」だったが、今作では「Firewatch」と「Rocket League」に変わっている。どうして変わったのかは謎だが、どちらのゲームも名作であることには変わりがないのでおすすめではある。

新規要素としては、まず起動時に出てくるメッセージの追加がある。これはエピローグにまで関わってくる重要な要素となっている。
そして何よりも「New Content」エリアが最大の追加要素。ジャンプができるエリア(意味がない)があったり、深さ無限の穴(有限)があったりと、「Ultra Deluxe」の名に(いろいろな意味で)恥じないものとなっている。
そのエリアをクリア後の報酬として、「The Stanley Parable 2」にゲームが変わるのも面白い。大きくはバケツの追加と収集要素の追加だが、バケツを持っているだけでほぼすべてのエンディングが変わるという、結構な作りこみようになっている。

そしてストーリーの追加という意味で、「ユーザーレビューを受けて、ナレーターがスキップボタンを追加するが、それにより遥か未来にプレイヤー(とStanley」はたどり着く。」というシーン及び、エピローグでは「起動時に出てくるメッセージ(キャラクター)が、プレイヤーに提案をし、それにより今後のThe Stanley Parableが変わる。」というシーンの追加で、ゲーム業界あるある的な要素が出てくる。
この部分は、「The Hex」と同じような感じだと思った。

総じて、基本的にやることは変わらないため人によって評価は変わるかもしれないが、個人的には「続編あるある」的な部分をThe Stanley Parableらしく楽しめたと思う。もう続編は出ないだろうが、また別の、こういったゲームを開発してほしいところ。