大粒ゲーム紹介56:There Is No Game: Wrong Dimension

フランスのゲーム開発スタジオDraw Me A Pixelによるゲーム「There Is No Game: Wrong Dimension」の紹介。

一言で:There Is No Game: Wrong Dimensionとは
「ここにゲームはない」コメディポイント&クリックアドベンチャー「非」ゲーム


概要

  • ジャンル:コメディポイント&クリックアドベンチャー
  • 開発者:Draw Me A Pixel
  • リリース日:2020年8月7日
  • 価格:通常時1,320円、セール時990円、Switch版1,670円、Google Play版650円、App Store版610円
  • プラットフォーム:SteamSwitchGoogle PlayApp Store
  • 日本語:有
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用不可
  • プレイ時間:6~7時間
物語性 ★★★★★
ゲーム性 ★★★★★
難易度 ★★☆☆☆
コスパ ★★★★☆
ネタ性 ★★★★★

 

こんな人にお勧め

  • 「ナレーターとプレイヤー」をテーマにしたコメディゲームが好きな人
  • メタ的な要素が好きな人
  • いろいろなゲームをプレイしてきた人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより引用。

ここにゲームはない。だから、そこらじゅうをめちゃくちゃにクリックするのは今すぐやめてほしい。ゲームの世界から追い出されたくはないよな? もちろん、ないはずだ!

このゲームは、タイトルを訳せば「ここにゲームはない」となる。つまりここにゲームはないので以上で紹介を終わる。

 

…という冗談はさておき、察しが良い人ならわかるかもしれないが、このゲームはメタ的要素をふんだんに取り入れたコメディポイント&クリックアドベンチャーゲームとなっている。メタ的要素の種類としては「The Stanley Parable」や「The Beginner’s Guide」のような、「ナレーターとプレイヤー」の関係性を取り入れたものである。

ストーリーについては、とにかく「ここにゲームはない」である。

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ストアページ画像ごとに全く異なるゲームに見える。この謎はプレイするとわかる。

操作について、ポイント&クリックゲームらしく、マウスだけで遊べる。

ゲーム性について。このゲームは「プログラム(ナレーター)」が「ユーザー(プレイヤー)」に語り掛ける中、プレイヤーは目的を達成するためにポイント&クリックを駆使して物語が進んでいくといったあたり。
とはいえ、よくあるポイント&クリックゲームとは一味も二味も違うのがこのゲーム。上述した「目的」というのは便宜上そう書いただけで、実際のところ目的は明確にされない。例えば、最初の場面では「ここにゲームはない」とひたすら言ってくる「プログラム」を無視して、とにかく「ユーザー」はゲームをプレイする手段を探すといったあたりが目的となっているが、この目的については一切説明されない。とにかく「やれることをやっていく」というのが近いか。
とにかく展開は二転三転していき、場面によってプレイフィールは全く違うものになるといってもいい。
なお、ヒント機能があるので、詰まることはないだろう。

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ゼ〇ダ的な、そんなシーンもある。

コメディ性について。まず、ゲームを起動したところからとにかくプレイヤーにゲームを終了させようとしてくる。それを乗り越え(?)ゲームをプレイすると、今度は「プログラム」から「ここにゲームはない」と言われる。このように、ひたすらにメタ的展開が続く。このあたりは非常にユーモアが豊富で、特に「プログラム」の人間臭い言い回しなどは素晴らしい。
また、「ゲームに対するメタ要素」というのもあり、いろいろなゲームをプレイした人ほどニヤリとする展開もある。

総じて、コメディ性にもゲーム性にも優れた作品。メタ的要素がきらいでなければおすすめ。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。

ストーリーについて。「Mr.バグの仕業により、ユーザーはプログラムとともに様々な世界を冒険する。その中で、プログラムはジジと再会する。最終的に開発者のいる世界にたどり着くが、Mr.バグが現実世界に解放されてしまう。そして、最初の世界に戻ってきたユーザー達。プログラムはユーザーに「このままゲームをプレイする」か「プログラムごと削除する」かの選択を与える。」となる。その後の展開は若干違うものの、最終的には「開発者がテレビを見ていると、どのチャンネルでも「ウィルヘルムの叫び」の音声が流れ…」で終わる。
よくわからない部分も多いが、そこはコメディとして深く考えないでおこう。

操作については上述した通り、ゲーム性について。
場面ごとに異なるゲーム性になるのが面白い。当サイトで紹介した「The Hex」などでもそうだが、「いろんなジャンルのゲームを十分なクオリティで作り上げる」ということから開発者の手腕の高さがうかがえる。

総じて、上述したようにコメディ性にもゲーム性にも優れた作品。開発者の今後に期待。