
できるだけ事前情報なしでプレイするのがおすすめ
カナダのゲーム開発者、Daniel Mullins氏によるゲーム「Inscryption」の紹介。
一言で:Inscryptionとは
普通のカードゲームとは一線を画す複合ジャンルカードゲーム
概要
- ジャンル:複合ジャンルカードゲーム
- 開発者:Daniel Mullins氏
- リリース日:2021年10月20日
- 価格:通常時2,050円、セール時1,845円
- プラットフォーム:Steam
- 日本語:有
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用不可
- プレイ時間:10~15時間
物語性 | ★★★★★★ |
ゲーム性 | ★★★★★ |
難易度 | ★★☆☆☆ |
コスパ | ★★★★☆ |
怖さ | ★★☆☆☆ |
こんな人にお勧め
- ローグライクカードゲームが好きな人
- 同開発者による他のゲームを気に入った人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより引用。
『Inscryption』はデッキ構築型ローグライトと脱出ゲームスタイルのパズル、さらにサイコロジカルホラーを血で混ぜ合わせた暗い旅へあなたを招待する。しかし、カードたちにはそれよりも遥かに暗い秘密が刻まれている…。
このゲームは、端的なジャンルでいえばローグライクカードゲームである。「Slay the Spire」に代表されるようなタイプのゲームで、「進めながらデッキを構築していき、様々なイベントに出くわしながら、知恵をもって局面を突破していく」というものである。
しかし、このゲームはそれだけでは終わらない。ここからはより具体的に説明していくが、読むと衝撃性や面白みが薄れていくので、よほど内容を知りたいときを除いて、早めに切り上げるのをおすすめする。
ただ、重要なこととして、このゲームはローグライクカードゲームにありがちな「ストーリーはそこまで重要ではなく、繰り返し遊ぶことがメイン」ではなく、「ストーリーが重要で、繰り返し遊ぶことがメインではない」ゲームである。
なお、このゲームの開発者は、先日紹介したゲーム「Pony Island」及び「The Hex」の開発者であるDaniel Mullins氏である。こちらを楽しめたなら、今作も楽しめるだろう。
なお、今作は公式で日本語がある。パブリッシャーがDevolver Digitalになったおかげだろうか。それでも、Daniel Mullins氏らしさは損なわれていないあたり、さすがDevolver Digital。

ストーリーについては、ゲームスタート時点では謎となっている。プレイしていくうちに背景などがわかっていくような仕組みになっている。
操作については、こういったゲームにありがちなマウスでの操作が基本。ただし、WASDによる移動もある。
ゲーム性について、基本となるのはまさにローグライクカードゲームである。カードゲーム自体も独自性があり、これだけでも十分楽しめるつくりとなっている。
なお、ストアページ説明文にもあるように、脱出ゲームスタイルのパズルもある。これが何を意味するのかは、実際にプレイして確かめてほしい。
総じて、今作も紹介しづらいゲームではあるが、非常に良いゲームである。特に、同開発者による過去作に比べ、パブリッシャーとしてDevolver Digitalが付いた分、より豪華になっている。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
この、ローグライクカードゲームに脱出ゲームの要素を足しているという発想は、当然ではあるが新しい。そのうえ、Actごとにゲーム性が変わっていくのは面白い。この、1つのゲーム中に複数のゲームを組み込んでいる要素や、「ゲーム中のゲーム」というメタ的要素は、まさに集大成的。
ストーリーについて。「主人公ルークは、最終的にInscryptionをクリアし、「OLD_DATA」に行き着く。それを見たルークは、フロッピーディスクを破壊、直後GameFunaの女性らしき人物が現れ、ルークを射殺する。」という感じである。
謎が謎を呼ぶストーリーではあるのだが、更に様々なところにシークレットなどが隠されており、未だコミュニティでは考察が続いている。
操作については特になし。ゲーム性について。
全体的に共通して、カードゲーム部分はこれ1つでも十分販売できるレベルで作られているなと思った。
Act1は、雰囲気といい、別ジャンルではあるがなんとなく「Hand of Fate」を思い出した。(ちなみに、Hand of Fateも面白いのでお勧め)
Act2は、非常に多様なリソースがあり、複合型がもちろん最強ではあるかもしれないが、一種類のテーマだけでもクリアできるというバランスが良い。こちらはなんとなく「ポケモンカードGB」を思い出した。
Act3は、マナシステムを使い、比較的よくあるカードゲームになっている。しかしその分ターンごとの選択肢が多く、最も考えさせられるActになっている。
Act4は半ばおまけみたいなものだが、ボードゲームとの合わせ技みたいなものと、完全に遊〇王な3Dパートという、ちょっとしか遊べないにしては完成度が高い。
やはり、Daniel Mullins氏の手腕の高さには驚かされる。Act1がやはりというべきか一番完成度が高く、リプレイ性も一番高いため、これを独立したゲームにしても面白いかもしれない。だが、そういうことをするのはDaniel Mullins氏らしくないので、これはこれで十分だろう。