大粒ゲーム紹介50:The Hex

できるだけ事前情報なしでプレイするのがおすすめ

 

カナダのゲーム開発者、Daniel Mullins氏によるゲーム「The Hex」の紹介。

一言で:The Hexとは
ゲームのキャラクターたちの過去を知り、謎を解き明かす複合型ジャンルのゲーム


概要

  • ジャンル:複合型ジャンル
  • 開発者:Daniel Mullins氏
  • リリース日:2018年10月17日
  • 価格:通常時1,010円、セール時303円
  • プラットフォーム:Steam
  • 日本語:無
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用不可
  • プレイ時間:10~15時間
物語性 ★★★★★★
ゲーム性 ★★★★★
難易度 ★★☆☆☆
コスパ ★★★★★
★★★★★

 

こんな人にお勧め

  • 大小様々なゲームを遊んできた人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより翻訳。

きしむ古い酒場 ゲーム世界の忘れられた片隅 大嵐の日 正体不明の電話の主から「殺人事件が起きるであろう」と告げられる。ゲームの主人公たち6人のうち、誰かが殺人をするだろう…

このゲームは、ネタバレなしでは何とも説明しがたいゲームではあるのだが、主にはストーリーを追っていきながら謎を解き明かすタイプのゲームとなっている。ジャンルはと言われるとこれもまた説明が難しいのだが、少なくともいえることは「これまで大小いろいろなジャンルのゲームを遊んできた人」ほど楽しめるつくりとなっている。
この時点で内容が予測できた人も多いかもしれない。ここからはより具体的に説明していくが、読むと衝撃性や面白みが薄れていくので、よほど内容を知りたいときを除いて、早めに切り上げるのをおすすめする。
なお、このゲームの開発者は、先日紹介したゲーム「Pony Island」の開発者であるDaniel Mullins氏である。こちらを楽しめたなら、今作も楽しめるだろう。

なお、日本語はない。ストーリーが重要である以上、ある程度の英語力は必要となるだろう。

thehex_weaselkid
今作では、6人の主人公たちの過去を知りながら、殺人の謎を追うこととなる。

ストーリーについては、上記説明文の通り。ただし、推理もの的なストーリーではない。なお、ストアページ画像を見た人ならわかるかもしれないが、6人の主人公たちの過去を知ることが、このゲームのもう1つのテーマとなっている。

操作については、左右への移動とマウスが中心となる。

ゲーム性については、Pony Island同様、どの部分に触れてもネタバレになるため触れない。

総じて、今作も紹介しづらいゲームではあるが、非常に良いゲームである。Pony Islandよりも物語性とゲーム性が高くなりつつも、新しい試みも十分取り入れられ、今作でもDaniel Mullins氏の手腕の高さがうかがえる。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。

ゲームあるあるをネタにしたゲームは多いが、このゲームはそれに加えてコミュニティあるある的なものや(ユーザーから見た)開発者あるある的なものまでネタにしつつ、またメタな展開もありながら、ストーリーとしてうまくできている。

ストーリーについて。「The Hexの元に集った主人公たちは、The Hexを用いて開発者の殺害をする。」といったあたり。しかし、一口では語れない深さが大いにある。
7つあるどのゲームもあるあるが取り入れられており、それに対する様々な思いも込められている。軽くリストにすると、

Super Weasel Kid (ユーザー側)愛されていたゲームだったが、悪名高い会社が新作を作った結果、良さが失われ、またまともにプレイできないゲームになった
(開発者側)もっといろいろなゲームを作るためにはお金が必要で、そのために売った
Combat Arena X (ユーザー側)バランス調整に開発者のひいきがあったせいで、バランスが崩壊。強くなりすぎた結果、最終的に使用禁止となる
(開発者側)特定の開発者の好みのキャラクターがいたがために、開発者間でもうまくいっていない部分があった
Secrets of Legendaria (ユーザー側)配信者がプレイしているが、バグを使っているうえ、バッドエンディングで残念なゲームとなる
(開発者側)先行配信を配信者にしてもらうも、当初のゲームではうまくいかず、やむを得ず完全でないまま別のストーリーにした
Waste World (ユーザー側)異常なまでにModが流行り、開発の遅れも相まって、みんなModなどを前提に遊ぶ
(開発者側)前作の失敗により金もなく、Modの流行によりやる気も削がれ、最終的に未完成のまま終わる

専ら開発者側の思いは「Walk」で話されるが、上記以外のゲームは途中すっ飛ばされるため省略。しかし、このような「もしゲームキャラクターに自立した思考などがあったら」というのを、最終的に「開発者を殺害することで一致する」というかたちで収束させるのは、この開発者ならではあるし、非常に良いストーリーとなっている。

操作については特になし。ゲーム性について。
各ゲーム触れると長くなるが、全体的にあるあるな要素をうまく組み込んでいる。しかし、これだけのゲームを詰め込むのは、相当な労力だっただろうと推察できる。まさに感服の一言。

Pony Islandよりもはるかに作りこまれており、ここまでできるDaniel Mullins氏には驚かされる。「Inscryption」も同様に驚かされるような内容となっており、同氏のすごさを再確認した。