
できるだけ事前情報なしでプレイするのがおすすめ
カナダのゲーム開発者、Daniel Mullins氏によるゲーム「Pony Island」の紹介。
一言で:Pony Islandとは
ポニーを操作するラン系のゲーム
と見せかけたパズルホラーゲーム
概要
- ジャンル:パズルホラーゲーム
- 開発者:Daniel Mullins氏
- リリース日:2016年1月5日
- 価格:通常時498円、セール時99円
- プラットフォーム:Steam
- 日本語:無、ただし有志による日本語化アリ
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用不可
- プレイ時間:4~5時間
物語性 | ★★★★★ |
ゲーム性 | ★★★★★ |
難易度 | ★★☆☆☆ |
コスパ | ★★★★★ |
怖さ | ★★☆☆☆ |
こんな人にお勧め
- 精神的恐怖系のゲームが苦手でない人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより翻訳。
Pony Islandは、明るいゲームに見せかけたサスペンス・パズルゲーム。あなたは辺獄にいて、悪魔の手によって邪悪で異常なアーケード筐体に閉じ込められている。これはポニーのゲームではない。
ここまで読んだ時点で、すでにどういうゲームかがわかったかもしれない。ここからはより具体的に説明していくが、読むと衝撃性や面白みが薄れていくので、よほど内容を知りたいときを除いて、早めに切り上げるのをおすすめする。
なお、有志による日本語化がある。パソコンに詳しくないと難しめな日本語化となっているが、有志の方々に感謝しつつ使わせてもらおう。
ストーリーについては、上記にあるような感じにはなっている。しかし、ゲームスタート時点ではわからないような仕組みとなっている。

操作については、スタート直後に表示されるように、基本的にマウスのみである。マウス以外の操作が必要な時は都度表示される。
ゲーム性については、どの部分に触れてもネタバレになるため触れない。
総じて、紹介しづらいゲームではあるが、非常に良いゲームである。新しい試みが多くありながらも、物語性もゲーム性も十分高く、Daniel Mullins氏の手腕の高さがうかがえる。なお、同開発者によるゲーム「The Hex」や、ごく最近リリースされた「Inscryption」も、このゲーム同様な良さがあるので、もし今作を気に入ったならぜひ。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
「ゲーム中のゲーム」をテーマにしたゲームというのは、今ではちらほら見かけるが、2016年当時ではそこまでなかった。その中でここまでの物語性やゲーム性を持っているというのは、やはり驚かされる。
ストーリーについて。明確な部分がそこまで多くないし、ゲーム外のコミュニティ掲示板などでも裏設定的な話などが出てきているが、とりあえず簡潔には「主人公はH0peless$0uL(HopelessSoul)の手助けもあり、Pony Islandに囚われた魂たちを解放した。しかし、HopelessSoulだけは、ゲームをアンインストールすることでしか解放できない。」となって、ゲームが強制終了する。
なお、すべてのチケットを集めると別のエンディングに到達でき、「すべてのチケットを集める=ゲームをアンインストールしていなかったことにある種あきれたHopelessSoulは、戦いを仕掛ける。無事勝利した主人公は、今回はゲームが強制終了せず、そのままの画面で終わる。」という感じになる。

操作については特になし。ゲーム性について。
まず、全体的にうまく要素がかみ合っている。まずメニュー自体がゲームとなっている時点で、メニュー画面を探索する面白さがある。Pony Island本編は、いわゆるラン系であり、あえて微妙なゲーム性にすることで、プレイヤーを飽きさせないけれども、かといってリプレイ性が高くないつくりとなり、設定とあっている。そしてOSの画面では、いろいろとネタが仕込まれており、いろいろと試す面白さがある。ハッキングパートでは、パズル自体の難易度が全体的にちょうどよく、また若干プログラムっぽい内容になっており、いかにもハッキングしている感じがあって良い。マップ上を移動するパートでも、一見固定に見えて結構自由度があったりする。
ボス戦もそれぞれの面白さがあり、特にAsmodeus戦は、これまでにない新しい体験をさせてくれる。こういった、メタ的要素も、ゲーム性を壊さない程度に仕込まれており、没入感を減らすことなくうまく組み込まれている。

収集要素であるチケットや、他の隠し要素も良い。チケットの方は、頑張ればノーヒントでも収集できるが、その取得方法もユニークで面白い。隠し要素の方は割と難しめではあるが、その分発見した時の喜びが大きい。ごく一部の隠し要素や裏設定に迫るのは至難の業ではあるし、ゲーム外にも目を向けなければならないのだが、ここまでくるとインディーズゲームという範疇を超えてきている。ここまで凝っているのは、「Rusty Lake」並み。
とにかく、これほどのゲームを作れるDaniel Mullins氏は、本当に腕があるのだなと知らされた。他の作品も同様にDaniel Mullins氏ならではの新しさや面白さがあるので、今作が気に入った人はぜひプレイしてほしい。