小粒ゲーム紹介101:Naked Little Dude

イギリスのゲーム開発スタジオ、PixelShortsによるゲーム「Naked Little Dude」の紹介。

一言で:Naked Little Dudeとは
裸族の主人公を操作するドット絵2Dプラットフォーマー


概要

  • ジャンル:2Dプラットフォーマー
  • 開発者:PixelShorts
  • リリース日:2021年10月29日
  • 価格:通常時620
  • プラットフォーム:Steam
  • 日本語:無、ほとんど英語力必要なし
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用可
  • プレイ時間:2~3時間
物語性 ★☆☆☆☆
ゲーム性 ★★★☆☆
難易度 ★★★★☆
コスパ ★★☆☆☆
ネタ性 ★☆☆☆☆

 

こんな人にお勧め

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより翻訳。

妻のために買ったものを集めるために、Naked Little Dudeを手助けして、彼が犬小屋に住むのを避けよう。(それと、全裸での冒険が待っている。)

このゲームは、よくある2Dプラットフォーマーである。主人公が全裸であることを除けば。というより、主人公どころか出てくる人間は全員裸族である。なお、8bitなドット絵なのに加えて、下品な要素などはないため、全年齢対応な感じである。

なお、日本語はない。ストーリーを理解するためには英語力が必要だが、そもそもストーリーはあってないようなものであるし、操作説明などは絵もあるため、ほぼ英語力は必要ない

ストーリーについては、上記ストアページ説明文の通り。補足すると、「Naked Little Dudeは買ったものをすべて落とした」ので集める必要があるといったあたり。別にストーリーは無視しても構わない。

nld_intro
全裸の人間の主人公を操作するゲームは早々にないだろう。

操作性について。基本的に左右への移動とジャンプだけとシンプル。なお、ジャンプは非常に加速度が高いのに加えて、空中での制御も難しめである。

ゲーム性について。基本的に、各ステージのゴールを目指すだけである。
道中、もちろん収集物や敵が配置されている。収集物には3種類あり、マ〇オでいうコインにあたるのが「ジェム」、スターコインにあたるのが「石像」及び「買ったもの」である。
敵にもいくつか種類があり、代表的なものとしてはゴリラや蛇などがいる。敵は1回踏むだけで倒せるという、これまたマ〇オ的。
もちろん体力や残機の概念がある。体力は最大値が2で、敵に当たると1減り、穴に落ちたりすると0になる。回復するには、一部の敵を倒した際にランダムに出てくるハートを拾う必要がある。体力が0になるとステージの最初から(またはチェックポイント)から再開となる。
残機に関しては、道中に落ちている「10」と書かれたコインを拾うと残機が10増える。ゲーム中のセリフによれば、ジェムを50集めると残機が増えるらしいのだが、プレイした限り増えなかった

nld_black
主人公は白人と黒人から選べる。別に性能に差はない。

なお、ステージを進めていくとパワーアップが手に入る。特定のパワーアップがないと取れない収集物もあるため、100%クリアを目指すときは2回プレイするステージも出てくる。

しかしながらバグが相当ある。特にシステム面に多い。
メニュー画面で、コントローラーで操作した時に、スティックの感度が異常なまでに高くなっている。加えて、上方向に入力し続けるとカーソルが消失する(下に入力すると戻ってくるが)。そのほかにもコントローラーにはいくつか不具合があるので、コントローラーの使用は推奨できない。
ステージ内では、上述したようにジェムが役に立たない、画面外に敵や収集物が配置されていることがある、ステージの外に行けてしまうなど、様々。
他にもあるが、ネタバレになるため言及しない。

ndl_hitbox
特に水中の当たり判定は謎(おそらく、絵は横向きだが、判定は縦のままなのだろう)

しかし、バグを差し置いても残念な点は多い。特に一部の敵の動きが異常に速いことが一番の問題点である。あまりにも速すぎるせいで、反射神経のテストでもしているのかと思う。
加えて、上述した落下時の加速度の高さ。一部縦長のステージもあるのだが、落下中に下の様子が確認できないまま死ぬことも非常に多い。
当たり判定も非常にわかりづらい。プラットフォーマーとしては致命的な問題点である。
また、ステージ終了後に体力が減っていたら、次のステージもその状態で始まる。マ〇オであれば、ステージの開始後に大抵パワーアップがあるから問題ないのだが、このゲームでは敵を倒した際にランダムで出てくるハートを拾わなくてはいけない。しかし、ハートを出さない敵が中心のステージもあるため、実質1機を無駄にすることも多い。

総じて、ゲームの面白さよりも不満点が非常に多いゲーム。とはいえ、ステージの構成自体は(敵を除けば)悪くはない。なお、このゲームはKickstarterにてファンドが成功したゲームではあるのだが、目標額77,776円に対し、最終的に集まった金額は79,332円である。この金額を考えると、逆にここまでよくできたなと思う。その努力は評価したい。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。
正直なところを言うと、完成したことに驚いた。それだけで満足できるゲームではある。ただ、その背景を知らない人にしてみれば、このゲームをわざわざ遊ぶ意味というのはないだろう。

せっかく裸族の主人公なんだし、それを生かした要素があれば、最低限求められているものは達成できただろう。だが、生かされるのはごく一部のセリフのみである。
また、KIckstarterのページには、開発中の動画ではあるのだが、敵の動きや主人公の動きがもっと緩やかになっている動画がある。この動画の通りであればとも思わないでもないが、完成したものは完成したものとして、これはこれで味がある。

とにかく、「完成した」、これだけで十分なゲームではないだろうか。