
スペインのゲーム開発スタジオ、@unepic_franによるゲーム「UnMetal」の紹介。
一言で:UnMetalとは
かの名作をオマージュした見下ろし方2Dステルスアクションアドベンチャー
概要
- ジャンル:2Dステルスアクションアドベンチャー
- 開発者:@unepic_fran
- リリース日:2021年9月29日
- 価格:通常時1,900円、セール時1,520円
- プラットフォーム:Steam
- 日本語:有
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用可
- プレイ時間:10時間~15時間
物語性 | ★★★★☆ |
ゲーム性 | ★★★★★ |
難易度 | ★★★☆☆ |
コスパ | ★★★★☆ |
ネタ性 | ★★★★★ |
こんな人にお勧め
- 「メタル〇ア」が好きな人
- 同開発者による「UnEpic」が好きな人
- メタ要素的なネタが好きな人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより引用。
UnMetalは名作へのオマージュ、ユーモアと皮肉を沢山詰め込んだ2Dステルスアクションアドベンチャーだ。 主人公は全くもってエリートコマンドーではないジェシー・フォックス、無実の罪で投獄されたので知恵と拳を活用して極秘軍事基地からの脱出を図る。
このゲームは、タイトルと画像で分かった人も多いかもしれないが、某名作ステルスアクションアドベンチャー「メタルギ〇」をオマージュした2Dアクションアドベンチャーである。同開発者の過去作「UnEpic」をプレイした人にはわかるが、いたるところにオマージュがあり、またユーモアが豊富でありつつも、ゲームとしては結構しっかりしているのが特徴である。
ストーリーは上記ストアページ説明文の通りであるが、このゲームは「尋問を受けているジェシー・フォックスが語る内容で展開されるストーリー」となっている。そのため、現実離れした内容も出てくるし、プレイヤーが一部選択肢を選ぶことで展開も変わってくるのだが、どこまで信じるのかはプレイヤー次第である。

操作性について。上下左右への移動、近接攻撃、遠距離攻撃、リロード、回避、アクション、調べるなど、大作ゲーム並みのボタン数の多さである。これでも「UnEpic」に比べると、はるかにコントローラーで操作しやすい。
ゲーム性について。基本的にはステルスアクションであり、敵に見つからないよう通り抜けるなり倒すなりしながら、脱出を目指すものとなっている。
このゲームでは、そういったアクション要素に加え、経験値のシステムが導入されている。この経験値は、敵に見つからずに倒すことで手に入るようになっている。そのため、見つかりながら強引に進むプレイスタイルだと経験値が手に入らない。そのため、楽にクリアしたいならステルスは必須となっている。
なお、難易度は選べるようになっている。難易度による違いは受けるダメージの量とボスの強さに影響する。難易度は高い方から低い方へは変更可能だが、逆は不可能である。

ネタ性について。まず、ゲーム自体が「メ〇ルギア」。主人公の名前は、同作の主人公「ス〇ーク」同様、生き物の名前であるとともに、同作に登場する組織「FOX」とも重なる。ストアページ説明文を読み進めていくと、「マクガイバーじみた自作ガジェット」だったり、「ソリッドな名作」だったりがある。
他にも様々なネタが登場するのだが、そこは実際にプレイしてみて確かめてもらいたい。
総じて、ネタ性もさることながら、ゲームとしても十分に楽しめる今作。同開発者の他のゲームにも負けず劣らず、かなり楽しめる。もし今作を気に入ったのなら、他の作品も遊んでみるのもよいだろう。
なお、やりこみ要素として、実績やシークレットなどがある。なかなかに歯ごたえのあるものもあるため、全実績を狙うのもよいだろう。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
まずはストーリーについて。「『”ジェシーは、なんやかんやあって計画の全貌を知り、脱出に成功した。”という話を少尉にするが、信じてもらえない。そこに、ともに脱出した大佐が来て、それらを事実と認めたことで一転、英雄となった。』という話を彼女にするが、信じてもらえない。しかし、検問所で身分を確認した兵士が驚いたことで、彼女はそれを事実と知って、二人はキスをした。」という感じ。
* *
* + うそです
n ∧_∧ n
+ (ヨ(* ´∀`)E)
Y Y *
クレジット後、「実は兵士は買収されており、そういう反応をするようにしていただけであった。」というオチで終わる。つまり、ジェシーが語った話はすべてが嘘の話となっている。
この、三重の入れ子構造なメタ要素は、なかなかに新しい。ただ、メタのメタな部分があまりうまく生かせていない感じもする。しかし、よくありがちな「実はこの話は全部回想でした」で終わるよりかは陳腐さがないので、まあよしとしよう。

操作性について。複雑ではあるものの、慣れれば問題はない。
ゲーム性について。どのようなプレイでも問題ないようにできているデザインで、周回プレイでいろいろ試せる。
また、「話と矛盾してはいけない」という部分も面白い。某ソリッド3でも、かの有名なタイムパラドックスネタがあったが、今作で特に影響が大きいのは「誰も殺してはいけない」ということ。このおかげで、最強の遠距離武器であるピストルを使っても、敵を治療しないといけないという、強いからと言って決して楽にはならないようになっている。ただしその分一本道感は強くなってしまっているが、ここは仕方のないところであろう。
難易度は簡単すぎず難しすぎず、適度。セーブポイントのほかにも臨時のセーブやチェックポイントがあり、更には会話スキップまであるため繰り返しもそこまで苦にならない。100%クリアも2周程度で取得できるし、チャプターセレクトもある。非常にユーザーフレンドリー。

ネタについては、まさにunepic節全開。引き延ばされる首吊り縄の話、下水道にいるミュータントたち、兵士の名前が全員マイクなど、独特なセンス。
オマージュなどについて、全部は把握できていないが、非常に豊富。「メタ〇ギア」を除いても、一部スキルの絵(コ〇ンドー)、鬼軍曹(フルメタルジ〇ケット)、下水道で追いかけられている時の曲(ベニーヒ〇ショーのテーマ)などなど。
他にも、過去作ネタもごく一部だがあり、「Ghost 1.0のジャッカーからの通信」だとか、「TRPGをプレイしている兵士の会話内容がUnEpicの冒頭と同じ」だとかがある。
総じて、なかなかに良い感じの作品。個人的には、unepicにはLudosityに近いものを感じる。どちらかというとunepicはオタク向け、Ludosityは一般向けな感じのネタ性&ゲーム性があると感じているが、どちらも近しい価格帯で優れているのには間違いない。今後もunepicには期待したいところ。