
エストニアのゲーム開発スタジオ、LoopyMoodによるゲーム「AntVentor」の紹介。
一言で:AntVentorとは
アリとともにリアルな世界を冒険するポイント&クリックアドベンチャー
概要
- ジャンル:2.5Dポイント&クリックアドベンチャー
- 開発者:LoopyMood
- リリース日:2018年5月18日
- 価格:通常時519円、セール時103円、Google Play版330円、App Store版370円、Switch版845円、Xbox版820円
- プラットフォーム:Steam、Google Play、App Store、Switch、Xbox One、Xbox Series X/S
- 日本語:有
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用可
- プレイ時間:1~2時間
物語性 | ★★★★☆ |
ゲーム性 | ★★☆☆☆ |
難易度 | ★★★☆☆ |
コスパ | ★★☆☆☆ |
美しさ | ★★★★☆ |
こんな人にお勧め
- ポイント&クリックアドベンチャーゲームが好きな人
- 「小さい世界を冒険する」というのが好きな人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより引用。
AntVentorは、ポイント&クリック型アドベンチャーゲームです。 平穏な暮らしをしていた主人公Antの日常を壊し、目の前に立ちはただかるのはマクロレンズで覗いたように描かれる、写真のようにリアルな世界。迫りくる試練を乗り越えすべてを元に戻すことが果たしてできるのか。
このゲームは、タイトルにもあるように、アリが主人公の2.5Dポイント&クリックアドベンチャーゲームである。主人公などは2Dだが、背景はマクロレンズで覗いたようなリアリティのあるものとなっている。
なお、本作は3部作の第1章ということで、短めでストーリーもこれからというところで終わる。プレイする際にはそれを念頭に置いておいてほしい。
ストーリーについて、ストアページより引用。
主人公は、発明家のアリ。小さなその体とは裏腹に、大きな夢を持っています。
彼は平穏に暮らしていました。そう、ある日あなたが現れて彼の計画を台無しにするまでは。Florantineに前の平和な生活を取り戻してあげるだけじゃなく、大切な夢の実現に向けて手を貸してあげてください。

操作については、よくあるポイント&クリックゲーム同様、マウス1つで操作できるようなものとなっている。なお、ダブルクリックでダッシュができるタイプである。
ゲーム性について。ここもよくあるポイント&クリックゲーム同様、目的を達成するためにアイテムを集めて使用し謎を解いていくもの。
このゲームの特徴として、メタな要素が若干あるところだろう。普通、ポイント&クリックアドベンチャーゲームは、プレイヤー自身が主人公視点でプレイするか、あるいは第三者視点で主人公を動かすかだが、このゲームでは主人公とプレイヤーは別々となっている。そのため、カーソル自身も表情豊かな感じだし、こちらがクリックしたことに対しての主人公からの反応がもちろんある(というより、この冒険の原因を作るのがプレイヤーなのだが)。
なお、ヒント機能があるため、詰むことはほぼないだろう。

しかし、少し残念な点もある。大半のポイント&クリックアドベンチャーゲームではパズル要素があるのが当たり前ではあるのだが、今作にはほぼない。こういったアドベンチャーゲームでは行ったり来たりする必要性があるのだが、そこにちょっとしたリフレッシュであるパズルがないと、どうにも面倒くささが出てきてしまう。
また、メタ的要素の半端さもある。もっとメタ要素が強ければ、「自分は主人公とともに冒険しているんだ」という実感がわくものだが、この部分が半端なせいで、「プレイヤー=主人公」と「プレイヤー≠主人公」が入り混じった微妙な感じとなっている。
総じて、コンセプトや設定などは良いのだが、微妙なところも多い本作。システムや値段的に見ても、プレイするならスマホ版が良いのではないだろうか。とはいえ、まだ第1章なので、今後に期待したいところ。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
まずはストーリーについて。「カラスを撃退し、パーツを入手したが、下を見ると犬がいた。「犬に紛れ込んで世界を冒険した」という話を思い出し、飛び乗って次の冒険へ。」といったあたり。
なんでもない日常から冒険へ、というのはありがちだが面白い展開で、設定をうまく生かせていると思う。ただ、「世界を冒険した」話を聞いた段階で、なんとなく結末が予想できてしまうので、サプライズ感的な意味では弱い感じもした。

操作については特になし。ゲーム性について。
全体的に、アイテムの使用先がわかりづらく感じた。これが、脱出ゲーム的な、一画面に収まるものだったら特に問題ないのだが、行ったり来たりが絡んでくると非常に大変。目的が表示されるシステムがあるのだが、あまり意味を成していない感じもする。確かにアリの設定を生かすと、普段よく見るような道具でも異なる使い方になるという面白さはあるのだが、もう少しわかりやすければと思った。
なお余談だが、目的が表示されるシステムは、微妙に日本語がおかしい部分があるため、より存在する意味が失われている。
とはいえ、ストーリーや設定、グラフィックなどは良いので、次回作以降ではよりシステム周りが良くなるといいなと思う。