大粒ゲーム紹介44:The Pillar

チェコのゲーム開発スタジオ、Paper Bunker s.r.o.によるゲーム「The Pillar」の紹介。

一言で:The Pillarとは
「The Witness」風のビジュアルに一筆書き系パズルを加えた一人称視点3Dパズルゲーム


概要

  • ジャンル:一人称視点3Dパズル
  • 開発者:Paper Bunker s.r.o.
  • リリース日:2020年6月10日
  • 価格:通常時1,010円、セール時757円、Xbox版1,150円、PS4&Switch版1,000円
  • プラットフォーム:SteamXbox One&Xbox Series X/SPS4Switch
  • 日本語:有
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用可
  • プレイ時間:2~3時間
物語性 ★☆☆☆☆
ゲーム性 ★★★☆☆
難易度 ★☆☆☆☆
コスパ ★★☆☆☆
美しさ ★★★★☆

 

こんな人にお勧め

  • 一筆書き系パズルが好きな人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下(Steam以外の)ストアページより引用。

『The Pillar: Puzzle Escape』は、ミステリーとパズルの巧緻なブレンドで、あなたを途方もない仕掛けと美しい風景がいっぱいの不思議な世界へといざないます。あなたが向かう島々では、それぞれユニークな環境と隠された秘密が待ち受けています。油断しないでください。あなたを取り巻く世界は、まるで白日夢のように目の前で変化していきます。あなたが囚われてしまったこの謎めいた迷宮から抜け出し、精巧な夢の檻から目を覚まして現実世界に戻るためには、様々な試練を乗り越えていかなければなりません!

このゲームは一人称視点3Dパズルゲームであり、画像を見てもらえればわかるように、非常に「The Witness」に近しい雰囲気を感じる。実際、パズルの解き方が明示されない点はそれっぽさがあるものの、他は全くと言っていいほど異なるため、「The Witness」っぽさを求めてプレイすると非常にがっかりする可能性が高いので注意。

ストーリーについて。上記ストアページ説明文にはいろいろと書いてあるが、ゲーム内でそれらが語られることはないし、ほとんど関係ないため、フレーバー程度。

操作について。前後左右への移動と視点移動とダッシュとアクションだけと、よくある一人称視点パズルゲームらしい。

pillar_intro
ステージに点在するパズルやその形式はそれっぽい。

ゲーム性について。基本的には、ステージクリア型のパズルゲームで、ステージ内に点在するパズルをすべて解くことで先へ進めるつくりとなっている。パズルの解き方は明示されず、予測しながら解いていくことが中心となる。
基本的には壁などに掛けられているパズルを解くことになるが、ステージによっては環境を利用したちょっとしたパズルもある。
なお、全体的な難易度はかなり低めとなっており、解き方を考えるのも割と容易である。

総じて、コレジャナイ感がすごいゲーム。確かに雰囲気や景色などはいいものの、景色を利用したパズルはほとんどなく、パズルは独創性に欠けており、解いた時の気持ちよさなどが弱い。だが、可能性は十分に秘めており、今後に期待したいところ。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。
とにかく、全体的に「どうしてこうなった」と言わざるを得ない。ストーリーも設定の上ではそれなりだし、ビジュアルなんかも良い。これを完全に「The Witness」フォロワーとして開発していたら、(パクリと言われるかもしれないが)もっと面白いものになっただろうにと思う。

ストーリーは、なんだかそれっぽい雰囲気を残して終わる。よくわからない。

操作については特になし。スマホ向けかなと思うような部分もあるが、かといってスマホではやりづらそうではある。

pillar_fall
このスクリーンショットだけだとかなり広そうに感じるが、実際は狭い。

ゲーム性について。ここは少し批判的になってしまうが、どうしても「このゲームだからこそ」という要素に欠ける。
パズルについては、パターン数がそこまで多くないうえ、どれも他のパズルゲームで見たようなものばかりで、独特な解法を必要とするものはない。特に記憶パズルは、終盤はただ面倒くさいだけである。
環境を利用したものには面白さを感じるものの、ステージクリア型であるがゆえにどれも規模が小さい。これがオープンワールドだったら、とは思う。
その他、実績関係にはなるが、「すべてのステージでパーフェクト」は面倒くさすぎる。ただ時間がかかるだけならいいが、上述した記憶パズルは正攻法でやるとほぼ無理になるし、少しの操作ミスで達成できなくなってしまうため、大幅にやる気を削がれる。

総じて、「カレーを頼んだらシチューが出てきた」並みの残念感があるゲーム。なお、このゲームは価格改定されており、元は1,520円だった。今の値段でも少し割高に感じるので、当時の値段はさすがに強気すぎだなと思う。