
韓国のゲーム開発スタジオ、Rootless Studioによるゲーム「8Doors: Arum’s Afterlife Adventure」の紹介。
一言で:8Doors: Arum’s Afterlife Adventureとは
朝鮮神話などの東洋の世界観を取り入れた2Dメトロイドヴァニア
概要
- ジャンル:2Dメトロイドヴァニア
- 開発者:Rootless Studio
- リリース日:2021年4月8日
- 価格:通常時2,050円、セール時1,640円、
- プラットフォーム:Steam
- 日本語:有
- マルチプレイヤー:無
- コントローラー:使用可
- プレイ時間:10~11時間
物語性 | ★★★★★ |
ゲーム性 | ★★★★☆ |
難易度 | ★★★★☆ |
コスパ | ★★★☆☆ |
探索要素 | ★★★★★ |
こんな人にお勧め
- メトロイドヴァニアが好きな人
ネタバレなし解説
ゲームについて、以下ストアページより引用。
死亡旅閣は、東洋の死後世界観を題材にして制作された、メトロイドヴァニア型の2Dプラットフォーム・アクションゲームです。冥土を旅する主人公になって、8つの地域からなる冥土の世界を探検します。亡霊を倒したり、魂を救ったり、そして冥土で起きるミステリアスな事件を解決したりするなど、楽しさ満載のゲームです。
このゲームは、上記説明文のように、東洋の死後世界観、特に朝鮮神話などを題材としたメトロイドヴァニアである。ただ、ストーリー自体はほぼオリジナルと言っても過言ではないため、そういった東洋の死後世界観などを知らなくても楽しめる。
なお、日本語はあるものの、微妙に怪しい翻訳となっている。大まかには問題ないが、一応注意。
ストーリーについて、ストアページより引用。
アルムは、お父さんや村の人々が理由もなく亡くなった事件の原因を突き止めるために、自ら冥土へ向かいます。冥土に辿り着いたアルムを待っているのは、多くの亡霊と混沌に落ちた冥土の世界です。アルムは、混沌に落ちた冥土の世界でお父さんを探すために危険があふれる冥土での旅を始めます。

操作について、基本は左右への移動とジャンプ、攻撃、それに回復アイテムの使用である。もちろんメトロイドヴァニアなので、いろいろと操作は増えていく。
ゲーム性について。基本的にはメトロイドヴァニアらしく、探索しつつ目的を達成していくというもの。本作は目的地がマップ上に示されるタイプなので、迷子になることはないだろう。
本作の特徴として、いわゆるスキルツリー要素と、複数の武器、回避が中心の戦闘が挙げられる。
スキルツリーは、マップ上に隠されたアイテムを集めてアンロックしていくものであり、今どきのゲームでは珍しくないが、メトロイドヴァニア系では割と珍しい。
複数の武器は、もちろんストーリー進行によってアンロックされていくもので、一部は探索エリアを広げる役割も持っているものである。それぞれ攻撃力や攻撃速度、間合いなどが異なり、プレイスタイルに合わせて使い分けられる。
回避が中心の戦闘は、近しいものだとHollow Knightが挙げられる。雑魚敵相手も用心しないとやられる可能性があるし、ボス相手なんかは何度かやられて覚える必要が出てくるだろう。

他にもいくつか独自のシステムがあるが、上で挙げたようにHollow Knightと似た部分も多い。ただし、こちらはソウルライクではないため、やられても直前のセーブポイントからやり直しできるし、回復アイテムの使用も一瞬、戦闘も比較的簡単ではある。もし倒せない敵が出てきたときは、頑張ってパターンを覚えるか、積極的に探索をしよう。
なお、ゲーム開始時に選んだ難易度は変更不可能であるため、自信がなければ低いほうの難易度を選ぼう。
総じて、全体的に高クオリティなメトロイドヴァニア。目立つ欠点も少なく、その欠点もアップデートで解消されていっているため、より良いゲームになるだろう。
余談ではあるが、このゲームはKickstarterで目標金額を達成できなかったゲームである。しかしながら、それでも完成にこぎつけ、更には達成できなかったにもかかわらずバッカーの名前をクレジットに載せている(管理人もその一人)。その名残とみられる部分も見られ、かなりユーザーの期待に応えている開発スタジオである。今後にも期待。
ネタバレあり感想
※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール
それではネタバレありで感想を書きます。
ネタバレなしだと詳しく書けない部分が多かったが、様々な部分において優れている。もちろん、いわゆる大作系のメトロイドヴァニアには勝てない部分はあるのだが、インディーズのメトロイドヴァニアの中ではかなり面白い部類である。
ストーリーについて、登場人物の名前が(元が韓国語なのもあって)覚えられていないため一部固有名詞を省略するが、おおざっぱには「アルムは冥土で一時的に死神となり、そこで起きている様々な事件を解決していく。そうしていく中で、魂を吸い取ったり、死者を堕落させていたりする人物がいることを突き止める。その人物を倒すことに成功するが、本当の黒幕は別にいた。それを倒して..」で分岐する。
実は初見でトゥルーエンドを回収してしまったため、他のエンディングについて言及できないのだが、トゥルーエンドの流れは、「アルムは自分が閻魔大王の第8の子どもであり、黒幕とも仲が良かったが、ある時その人物によって地上へ送られたうえ記憶を消されてしまう。その事実に気づいたアルムは第8の子どもとして覚醒、人間だった時の父親を地上に送り返し、自分は冥土に残った。」といったあたり。

とにかくストーリーについては語るところが多い。特に、キャラクター一人ひとり個性があり、そのキャラクターたちのセリフもストーリーの進行度によって逐一変わるため、世界観への強いこだわりを感じる。しかしながら、微妙な翻訳が一部台無しにしてしまっている感はあるので、そこさえ良ければ文句のないストーリーである。
操作について、上述した以外に、武器のスキルやダッシュ、ガマテンに乗ってするアクションなど、割と多くて忙しめ。しかしレスポンスなどは良く、慣れれば思い通りに操れる。
ゲーム性について、アクション要素・プラットフォーマー要素・パズル要素・アドベンチャー要素・メトロイドヴァニア要素、そのどれもが高めの水準となっている。
どの要素においても不満を感じる部分は少なく、易しすぎず難しすぎない、やりがいのあるものとなっている。100%クリアを目指すと少し面倒な部分も出てくるが、メトロイドヴァニアとしては許容範囲。
総じて全体的に良い作品。今後にも期待。