小粒ゲーム紹介86:Don’t Escape Trilogy

ポーランドのゲーム開発者scriptwelder氏によるゲーム「Don’t Escape Trilogy」の紹介。

一言で:Don’t Escape Trilogyとは
「脱出してはいけない」ポイント&クリックホラーフラッシュゲーム三部作


概要

  • ジャンル:ポイント&クリックホラーアドベンチャー
  • 開発者:scriptwelder
  • リリース日:2019年7月30日
  • 価格:通常時500円、セール時260円
  • プラットフォーム:Steam
  • 日本語:無、それなりに英語力が必要
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用不可
  • プレイ時間:2~3時間
物語性 ★★★★☆
ゲーム性 ★★★☆☆
難易度 ★★★☆☆
コスパ ★★★☆☆
怖さ ★★★☆☆

 

こんな人にお勧め

  • ちょっとしたホラー系フラッシュゲームが好きな人
  • ドット絵のアドベンチャーゲームが好きな人
  • 同開発者のほかのゲームが好きな人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより翻訳。

受賞歴のある開発者Scriptwelderによる古典的ポイント&クリックアドベンチャー作品集。悪いことがおきるなど思ってもいない村落を、あなた自身から守ることになるだろう。来る不死の軍団への備えをすることになるだろう。そして、一見誰もいない宇宙船を探索し、陰惨なミステリーの答えを見つけることになるだろう。

このゲームは、ゲーム名からわかるように、scriptwelder氏による「Don’t Escape」シリーズ三部作をセットにしてSteamで販売したものである。タイトル通り、「脱出してはいけない」ゲームで、他の脱出ゲームとは異なる面白さがある。同開発者による「Deep Sleep Trilogy」とも似たような部分はありつつ、(ゲーム自体の開発順的には)後発のゲームとなるため、よりゲームとしての面白さが出ている。

なお、日本語はない。クリアするだけなら問題ないが、ストーリーを理解するには相応の英語力が必要となる。

ストーリーについては、三部作それぞれで異なり、繋がりはない。具体的には、

  1. 狼男が村はずれにある空き家にたどり着く。今晩は満月の夜となるため、村を襲わないよう、自分が家から脱出できないようにしなければならない。
  2. 今晩、ゾンビの軍団が街を襲う。限られた時間の中で、できる限りの準備をしなければならない。
  3. 目が覚めると、宇宙船の中。直前の記憶がない主人公は、宇宙船を探索し、謎を解明しなければならない。
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相変わらずドット絵と明暗がよい。こだわりを感じる。

操作については、よくあるポイント&クリックゲームらしく、クリックでアクションだけである。

ゲーム性について。これは三部作それぞれで微妙に違う。それぞれ、

  1. いかに自分が脱出できないようにするかがメインの、脱出ゲーム性の高いもの
  2. ゾンビに対する備えを時間内にするという、アドベンチャー性の高いもの
  3. 宇宙船の謎を解明するというミステリー性の高いもの

である。そのため、それぞれでプレイ感覚がかなり異なる。しかし、ベースのポイント&クリックゲームとしては共通といったあたり。

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二作目はアイテムも多い。それらをどう活用するかが面白い。

ホラー的な面でいうと、「Deep Sleep Trilogy」同様の粗めのドット絵と陰鬱な雰囲気は継承されつつも、今作では自分自身への恐れや、自身の選択によって引き起こされる現象、解明されていく謎によって引き起こされる恐怖などがメインとなっている。いわゆるジトっとしたホラーといった感じで、重みがある。

総じて、フラッシュゲームでありながらも、「脱出してはいけない」をテーマにして、独自性が出ているゲーム。なお、一応の続編として「Don’t Escape: 4 Days to Survive」がリリースされている。こちらは、元がフラッシュゲームではなく、最初から有料のゲームとしてSteamにリリースされたものである。ストーリーのつながりはほぼないが、今作や「Deep Sleep Trilogy」をプレイしているとニヤリとする要素がある。気に入った人はぜひ。


ネタバレあり感想

※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

それではネタバレありで感想を書きます。
今作は、三部作それぞれで新たな試みが見られる。特に一作目はまさに「Don’t Escape」で、なかなかに面白い。二作目はマルチエンディング採用で、さらに時間制限により、一部のエンディングは決まったルート取りをしないといけないという、ゲーム性でいえば一番面白いゲーム。三作目はそこまで面白い要素はないものの、宇宙をテーマにしたSFホラーとしてはツボを押さえている。特に二作目のシステム等は「Don’t Escape: 4 Days to Survive」にも継承されており、好評だったことがうかがえる。

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ゾンビを殺すかどうか、どうやって殺すか、一部のエンディングでは重要。

ストーリーについて、マルチエンディングやバッドエンディングなどで変わる点も多いが、おそらくのベストエンディングで行くと、

  1. 自身を抑えることに成功し、村は無事なままで終わる。
  2. このままではゾンビになってしまう友人を楽に死なせてやり、他の生存者と合流。備えを完璧にして、全員で朝を迎える。
  3. 自身が他の乗組員を殺害したことを思い出す。同時に、増殖していく物質に自身が侵されていることに気づく。被害を拡大させないため、宇宙船のエンジンを自分ごと爆破する。

特に二作目はエンディングの数が多い。また、防備に関しても、様々な状態が事細かに作用していくため、その展開を眺めるのも面白い。

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監視カメラの様子を見れる要素は地味に気づきにくい。

操作については特にない。

ゲーム性的には、一作目や三作目は特筆することはない。二作目に関しては、初見時などは制限時間によってドキドキさせられる良さがあり、慣れてきた場合には「いかに無駄な動きをしないか」が重要になるという、プレイするたびに面白くなるものとなっている。特に一部のエンディングは制限時間いっぱいに使わないと達成できないため、そのやりこみも面白い。

ホラー要素的には、上述したような感じで、ジトっとした感じ。

総じて、全体的にクオリティが上がっており、なかなかに楽しめるゲーム。次回作はさらに面白くなっており、今後に期待していきたい。