小粒ゲーム紹介4:Savant – Ascent

ノルウェーのゲーム開発スタジオ、D-Pad Studioによるゲーム「Savant – Ascent」の紹介。

一言で:Savant – Ascentとは
やりこむほどに深くなる良音楽高難易度360°シューティング


概要

  • ジャンル:360°シューティング
  • 開発者:D-Pad Studio
  • リリース日:2013年12月5日
  • 価格:通常時198、セール時99円
  • プラットフォーム:Steam
  • 日本語:有
  • マルチプレイヤー:無
  • コントローラー:使用可
  • プレイ時間:(クリアまで)30分、(やりこみ含め)3時間程度
物語性 ★☆☆☆☆
ゲーム性 ★★★★☆
難易度 ★★★★★
コスパ ★★★☆☆
音楽 ★★★★☆

 

こんな人にお勧め

  • 弾幕シューティングじゃないシューティングをしたい人
  • 反射神経がいい人
  • やりこみが好きな人

 

ネタバレなし解説

ゲームについて、以下ストアページより翻訳。

悪意に満ちたオーブがSavant(学者)を塔から吹っ飛ばし、周囲のものを危険な敵に変身させた!

避けろ!撃て!そして塔を登れ!頂上を目指して敵を撃ち落とせ!道中でCDを解除できるが、それは新しい音楽を追加するだけでなく、強力な新たな能力を与えるだろう!

まず初めに書いておくが、このゲームはかなり難易度が高い。まず起動して、ストーリーモードを始め、OPの後にチュートリアルも兼ねつつ本編が始まる。そして上昇し始めたかと思ったら敵を処理しきれずにやられる。だけどもここでやめてはいけない。ここからが本番になるのだから。

実際、管理人も意味不明なまま終わって「なんだこのクソゲー」と思ってしまったが、画面をしっかりとみればその面白さに気づいた。

まずは簡単にゲーム自体の解説。このゲームは360°シューティングである。しかし、そのジャンルのゲームにありがちな、ツインスティックシューターというものとは違う。プレイヤーは自機(主人公)を、左と右の2点間でのみ動かすことができる。そのため、よりシューティングに集中できるようになっている。また、敵は突進以外の方法で攻撃してこないので、敵の場所だけ考えればいい。そして、いわゆるゲームオーバーになっても、直近からリスタートできるため、ストーリーのクリアは割と簡単。

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プレイ画面。ドットの美しさがよくわかる。

そしてこのゲームが推しているシステム、「CD」について。「CD」は、CDのかけらを4枚集めると完成し、新たな音楽が追加されるとともに、主人公が永続強化される。なお、この強化はおそらく固定なので、ランダム性はない。
このCDによって追加される音楽もなかなか良い曲が多い。ゲームをプレイしながら、サントラの購入を考えさせてくれる、面白いシステムである。

そして、上述したように、ストーリークリアだけなら30分程度である。クリアだけするならかなりコスパが悪いが、クリア後にアンロックされるエンドレスモードをやり始めると、より深みにはまっていく。では、興味を持った方は、下の解説へ。

ゲームシステム解説

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まずは基本となるゲーム画面の解説から。上記画像、①自機(主人公「Savant」)、②雑魚敵、③CDのかけらを落とす敵、④チャージ、⑤スコアと倍率。加えて、表示されていないが、⑥左下に3つあるハート。これをもとに解説していく。

    1. 自機:このキャラクターに敵が当たらないようにしていく必要がある。3回当たると「DEAD」画面の後、リザルト画面へ。操作は一応チュートリアルが入るが、左右への移動、垂直ジャンプ、攻撃、CD回収以外に、実は斜め上にもジャンプが可能。また、主人公が強化されると、できることがさらに増えていく。
    2. 雑魚敵:この画面では6体写っている敵。この画面では緑色だが、ゲームが進むごとに色が変わる。出現してから一定時間経過すると、音とともに回転しだし、こちらに突進してくる。その後は戻ってこない。他にも何種類か雑魚敵は登場する。
    3. CDのかけらを落とす敵:緑色の敵と同じ形だが、ふちが光っている。また、普通の敵に比べて硬い。倒すとCDのかけらを1枚落とす。攻撃してこない。逃げない。←重要
    4. チャージ:あるアップグレードを手に入れると表示される。攻撃力に影響し、一部行動によって消費するゲージ。敵を攻撃する、またはCDのかけらを手に入れると溜まる。
    5. スコアと倍率:そのまま、スコアと倍率。スコアアタックをするなら気にする必要があるが、基本的に無視でOK。
    6. ハート:体力。あと何回当たっていいかの指標になる。

    ストーリーモードクリアの条件は、ストーリーにもある、塔の頂上にあるオーブの破壊。そのため、ネタバレをしない程度に、ストーリークリアにむけてのコツを書く。

    • 攻撃の最初の一撃は少し強力。一瞬でも攻撃しなければ放てるのでしっかり使っていく。
    • 自機を移動させて回避するのは結構難しいので、どうしてもというとき以外はシューティングに集中する。
    • 自機は2回まで敵に当たってもOKなので、同時にたくさんの敵が攻撃してきた時には、焦らずにあえて当たって、無敵時間で通り抜ける。
    • CDのかけらを落とす敵は攻撃してこないうえに逃げない。敵がいない時を見計らって攻撃を与えていく。CDのかけらは即時回収。
    • もしやられたとしても、拾ったCDのかけらをもとに自分に能力が永続付与されるし、復活したらそのセクションから(例えば塔を登っているときは、その登るシーンの始めから)なので、せめてストーリークリアまでは頑張る。
    • チャージのゲージが追加されたら、そのゲージを意識する。さらに強化されるとサブショットが追加されるが、ゲージを全部消費するため、使い時を見計らう。

    以上を意識すれば、少なくとも塔を登れると思う。ボスと戦うときは、またわけわからなくなると思うが、攻略法を頑張って編み出そう。
    あくまでゲームの紹介なので、ここまでにとどめておきたいと思う。そこからさらに難易度は上昇するが、自分なりに攻略法を考えていくこともまた面白さの一つである。
    セール中は99円とワンコインの安さなので、アーケードゲームをプレイする感覚でプレイしてもらえたらと思う。


    ネタバレあり感想

    ※ここから先ネタバレあり、それでもいい方はスクロール

    それではネタバレありで感想を書きます。
    このゲーム、ストーリーモードクリアまでは何とかなると思う。しかし、エンドレスモードを始めた途端、難易度が急上昇する。
    増え続ける敵、ゲージ管理、そして「CD」の重要さ、それらがかみ合わさって、プレイするたびに新しい発見が生まれる。そして少し進んで、やられる。また少し進んでやられる。それを繰り返し、気が付いたらプレイスキルが上がっている。…そう、これはまさにアーケードゲームと同じ性質を持っている。しかも、買い切りゲームであるため、いつまでも、飽きるまでプレイスキルを上げ続けることができる。そして飽きてやめて、時間がたつとまたやりたくなる。この値段で、これだけのリプレイ性を持っているのには驚いた。

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    CDのかけら取得の瞬間。エンドレスモードでは救われる瞬間。

    しかし、ストーリーモードの長さについては、もう少し欲しかった感じがする。とはいえ、ストーリーモード自体がチュートリアルと考えれば、エンドレスモードが実質上の本編にあたるため、エンドレスモードを楽しむという観点では、この長さでよかったのかもしれない。
    このゲームの開発者は、Owlboyというゲームも開発している。そちらも画像を見ると、非常にドット絵が美しい。現在は減っていきつつあるドット職人。ドット絵にはドット絵の良さがあるので、今後も頑張ってもらいたい。